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ピアノの大きさと弦の太さの関係

これは高さ116cmの小型アップライトピアノの低音部の巻き線の写真です。



小さなピアノほどこの巻き線が太くなります、これは張力が同じとすると短い弦長で低い音を出す場合は弦は太くなるという理由です。

これはスタインウェイの奥行き188cm(A-188)のグランドピアノの低音部の巻き線です。



同じ設計のピアノであれば、小さなピアノ(UPは背が低い、GPは奥行きが短い)ほど低音部の巻き線が太くなり、大きなピアノほど巻き線が細くなります。

結果として、太い巻き線はボアンとした音になりやすく、細い巻き線を使った大きなピアノは、同じ低音でもクリアーな低音が出ると云われています。
 
メーカーの設計の違いにより弦の張力設計も違うので、良し悪しは何とも云えないのですが、基本的に張力の強いピアノは弦全体が太く、張力の弱いピアノは弦全体が細くなる傾向があります。

同じピアノでも右側の高音部の方が細い弦を使い、左の方の低い音の弦ほど太くなり、低音部は巻き線となり、1台のピアノに15種類以上の太さの違う弦が使われています。

スタインウェイの写真です。



そのあたりの兼ね合いも、個性ある魅力的なピアノ作りを設計者は考えるのだと思いますが、例えば戦後間のない時代に、大橋幡岩氏が設計したディアパソンピアノの大橋フレームは今でも有名で、ピアノ愛好家の間では人気です。

 ピアノの場合は、弦の長さや太さや張力だけでなく響板の設計や取りつけやリムの作り方、アクションの設計、ハンマー、材質等のさまざまな要因で音色や響き、タッチ感も違ってきます。

ピアノの基本設計というのはそのような、こまごましたことの積み重ねの総合的な音作りになってきます。

ですから古い歴史があるメーカーのピアノというのは独自の魅力ある音色が出ますが、高度な測定機器やコンピューターが発達した現代では、感性とか、感覚の世界で判断するアナログ楽器というのは、そのような意味で設計が難しいと思います。


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植田 信五


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