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よくあるご質問

①メーカー系列や資格を持った調律師に依頼すべきか?

いかなるメーカーのピアノも作業内容は同じです。

ピアノの基本的なメカニズムは、スタインウェイやヨーロッパ製ピアノ、あるいはヤマハ、カワイ、中国製ピアノ、コンサートホールのピアノも皆同じです。

ですから調律や整調、整音の手法は、いかなるメーカーのピアノであれ基本的な作業(整調、調律、整音)はほぼ同じ作業内容になりますので、料理に似て当たり前のこのことが当たり前のようにできる調律師であればOKなのです。

ただ、日頃の仕事は調律(音の高さを合わせる)作業だけなので、経験と高い技術力が必要な整調(鍵盤・アクション・ダンパー調整)や整音(弦を叩くハンマーフェルトの弾力調整)は、日頃から現場でやる習慣(チャンス)がない調律師が大半なので、残念ながら整調と整音が的確にやれる調律師は少数です。

また今では大手のヤマハ、カワイも大半が委託調律師(歩合給)になっていますので、その歩合の率(調律師の取り分)を決める方便としても、調律師協会のグレードや各メーカーが設けた各種認定制度がありますが、これらは調律師自身の勉強や励みにはなりますが、これが必ずしも高い技術力を証明するものではありません。

たとえばカワイの高級機種のシゲル・カワイは、カワイの調律師でもカワイMPA(Master Piano Artisan)の資格を持った少数の調律師しかメンテナンスを認めておらず、メンテナンス料金も高めに設定していますが、これも希望すれば普通の技術力があれば規定の講習等を受講すれば取得できるようです。

これは資格がない調律師がメンテナンスを行なうとシゲル・カワイが壊れるという意味ではなく、整調、調律、整音が正確に出来ない調律師が大半なので、せっかくの高級ピアノが本来の性能を発揮しないという意味で、あえて規制しているのだと思います。

当然ながら整調・調律・整音のいわゆる匠の技術は、高い受講料を払ってセミナーを受講したから体得できるという類ものではなく、日頃からの高い意識レベルでの仕事の積み重ねで初めて体得できるもので、技術力を身につけるとは本来そのようなものだと思います。

ピアノの調律とメンテナンス

②お薦めの調律師は?

先ずはピアノの性能やメンテナンスに対しての意識レベルの高い調律師が必須です。

調律師の仕事を部屋の掃除に例えると、私自身は掃除機をかけただけで満足していますが、うちの奥さんから見ると、これでは掃除した内に入らない、照明器具の掃除、押入れの中の整理整頓や拭き掃除等、やることが多いのが部屋の掃除です。

調律師の仕事もこれと似ていて技術力の差というよりも意識レベルの差です。
つまり当たり前のことを順番通り手を抜かずにやれる調律師がお薦めの調律師ですが、この当たり前のこと(整調・調律・整音)をセットで行うことが出来る調律師は極めて稀です。

定期メンテナンスも調律の他に整調と整音をざっとでも行うには半日の作業時間が必要ですが、これが毎回きちんとできる調律師ならピアノも快適に仕上がるはずです。

具体的には作業に入る前に演奏者から現状の不満と希望(音色、タッチ他)を聞いて、作業終了後に演奏者に試弾してもらい結果に演奏者が満足して作業完了になります。

ピアノの調律とメンテナンス

③調律の時期は半年か、1年ごとが適切か?

調律(音の高さを合わせる作業)の保持時間は設置環境により短時間でも微妙に狂ってきますので、その意味では調律は瞬間的な芸術といえます。

たとえばコンサートホールではコンサートごとに調律をしますが、演奏は勿論ですが、舞台の強い照明でピアノのフレームや弦、響板等が温められ2時間の演奏時間でも微妙に狂ってきますし、一般家庭でも朝夕の温度差が大きい部屋に置けば早期に調律が狂います。

 

ピアノの調律と温度の関係

逆に24時間の適切な空調の部屋(楽器保管庫等)にピアノを置くと、調律はほとんど狂いません。

このように設置環境次第で、調律だけでなく整調や整音も変化してきますので、そのようなピアノの特性上、演奏者が違和感を覚えた時がメンテナンスの時期ということになりますので、特定の期間というものはありません。

ところで今後少なくとも5~10年は弾かないということであれば、ピアノを休ませる意味で無理に調律はしない方が良いです。

弦楽器は弾かない時は弦を緩めますが、これはピアノも同じで、弦が緩みますとその分、響板に対する弦圧が低減するので響板には優しいことになります。

新たに弾き始める時には数回の調律が必要になりますが、ピアノは調律しないと壊れるということはありません。

ピアノの調律とメンテナンス

④ヨーロッパ製ピアノは日本での使用は不向きか?

たとえ国産のピアノでも木材は全て輸入材ですし、輸入、国産を問わず高級なピアノほど自然素材(無垢材等)を多く使うので温度や湿度といった環境の変化には敏感です。

余談ですが高級なピアノは、使用木材も屋外で数年の自然乾燥を経て使われますが、量産ピアノは、工場内で短時間で人工乾燥した木材(響板等)が使われるので、木材の細胞を痛めて楽器の命である響板の寿命も縮めることになります。

また最近はアクション内部のムービングパーツに、従来の木の替わりに、木より軽く鉄より堅いカーボンファイバー(炭素繊維)を使ったものがありますが、これは軽くて歪みがなく均一な形状で合理的ですが、堅過ぎて木のように適度なたわみがないのでタッチに違和感が生じます。

しかもアクション内部のセンターピン(関節部分)はカーボン(木)とフェルトが一体化したデリケートな部分なので、ここがひとたび湿気ると、湿気を吸わないカーボンはクロスだけに湿気が集中し、一旦湿気ると木に比べ自然復元力が極端に劣ります。

一般的な量産ピアノは工業化に適した伸縮や歪みが少ない積層材等や人工素材を多用して大量生産されるので、均一で安定した品質という意味では良いのですが、天然素材が多い高級ピアノに比べると、音色や響きと云った楽器としての魅力は乏しくなります。

ピアノの選び方とその問題点

⑤アンティーク(ビンテージ)ピアノの魅力と問題点

普通の中古ピアノとは違い、100年落ちのピアノをリニューアルしたもの、いわゆるアンティーク(ビンテージ)と呼ばれるピアノは、ノスタルジックな魅力があり、一部の愛好家に人気があります。

ただ心配なのはピアノの内部には接着箇所が膨大にあり、それらの膠(にかわ)の接着面もさすがに100年も経過すると脆くなっていることです。

ですからファーストピアノではなく、セカンドピアノとして丁寧に使用し、空調管理(温度湿度)も万全を期す必要がありますが、それでも想定外のところが剥がれて故障する可能性があります。

しかも一旦トラブルとなると修理も厄介なことになることが多いので、メンテナンスの大変さ(費用)も頭に入れておく必要があり、それらを勘案してアンティークピアノのメンテナンスは請け負わない調律師も多いので、何かあってもすぐに駆けつけてくれ、面倒な修理も気軽に対処してくれる、近くに住む古いピアノの修理に長けた調律師の確保が必要です。

ピアノの寿命

⑥グランドピアノとアップライトピアノの違い

アップライトのメリットはスペース効率が良い(場所を取らない)、製造コストがグランドの約半分(安い)、この2点ですが、メカニズム的にはグランドの方が断然優れています。


グランドピアノとアップライトの違いを動画で簡単に紹介しています。

グランドピアノは弦や響板が水平ですので背が低く、その意味で演奏者に圧迫感を与えず音の抜けも良く、必要なら遠くに音を飛ばすことができます。

逆にアップライトピアノは背が高い分演奏者に圧迫感があり、前面の演奏者側はケースで蓋をした状態で、音は後ろ(壁側)に抜けますので、出ている音のエネルギーはほぼ同じですが、演奏者には音が籠って聞こえます。

また鍵盤の動きをハンマーに伝えるメカニズムが、アップライトピアノは鍵盤を一番下まで押し下げた状態から、元の高さ(10mm)まで鍵盤を上げないと2回目の音を出すことが出来ませんが、それに比べ、グランドピアノは鍵盤を押し下げた状態から半分位上げたところで2回目の音を出すことが出来ます。結果として連打がアップライトピアノは1秒間に7回、グランドピアノは1秒間に14回連打が可能になります。これはグランドピアノにレペティションレバーシステムという機能が備わっているためです。
さらに、グランドピアノはダンパーペダル、ソフトペダルも自然に機能して、演奏者の細かいテクニカルな表現が可能です。

同予算で考えた場合、純粋にピアノのより良い(上質な)音色と響きを楽しみたいということを重視すれば高級(高品質)なアップライト、それよりも高度な演奏テクニックや表現力を重視すればグランドピアノの選択になると思います。

この境界線が大体ご予算200万円前後で、200万円以上のご予算の場合は、スペースが許す限り大概はグランドピアノの選択になります。

物理的な違いは概ね前述の通りですが、そのような価値観とは別に、ピアノを大切な一生ものの楽器として考え(良いピアノを所有する喜び)、自宅でさりげなく良い音色や響きでピアノ演奏を楽しみたいという向きには、良質の小型のアップライトピアノも一つの選択肢かも知れません。

おすすめブランド

⑦知っておきたい生産国表示の業界ルール

業界用語でファースト・ライン、セカンド・ライン、サード・ラインという言葉がありますが、これの意味は本国で全て製造されたものがファースト・ライン、他国で半分を委託生産、本国で最終仕上げしたものがセカンド・ライン、全て他国で委託生産されたものがサード・ラインという意味でよく使われます。

本来の意味での日本製、ドイツ製はファースト・ラインですが、今ではヤマハ、カワイをはじめヨーロッパの老舗ブランドも、その多くがセカンド・ラインかサード・ラインで製造されており、今ではファースト・ラインは一部の高級ブランドか高級品に限られます。

ピアノの場合は最終組み立てをした国を生産国とする業界ルールがありますので、矛盾していますがファースト・ラインに加えセカンド・ラインまでが、日本製、ドイツ製等の表示がされています。

ですからピアノのバック(支柱、響板、フレームに弦を張ったもの)をインドネシア、鍵盤は中国から輸入して、外装のみ日本でおこなっている日本製のピアノが今ではごく普通です。

「中国等でピアノを作るのは高い貿易関税壁のため」

今では欧米や日本の先進国では既にピアノの需要は少なく、最近は中国が世界最大のピアノ市場で、次いでインドネシアをはじめとするアジア諸国になってきています。

従来のように欧米や日本でピアノを製造して中国へ輸出すると35%程の高額な関税等がかかるので(日本へのピアノ輸入は関税がゼロ)ので、最大市場である中国でピアノを有利に販売するために地産地消で、日欧米のメーカーは中国に工場を持つか、中国で委託生産する必要があります。(インドネシアも同様)
たとえばドイツの大手部品メーカーのレンナー社も中国に工場を持ち、それらのメーカーにも部品を供給しています。

単に安い人件費ということだけではなく、日欧米のメーカーも中国工場か中国メーカーで委託生産した大半のピアノを、大市場の中国国内で販売、その残り?を関税のかからない日本や関税が安い欧米に輸出しているのが実情です。

サード・ラインのみが中国製、インドネシア製の表示になりますが、中国の場合は、さらに完成品を輸出すると政府から何らかの補助金が支給されるようですが、基本的にはセンカンド・ラインとサード・ラインには性能的に大きな違いはないので、サード・ラインでは生産国表示が中国になり我々日本人にはやや抵抗感がありますが、これを日本で丁寧に調整をしてやると、特に老舗のヨーロッパブランドは安価(本国生産の1/3程度)で魅力的なピアノに仕上がるものがあります。

ピアノの選び方とその問題点

⑧ピアノの運送費は?

運送費は地域格差がありますが、市内の1F~1Fのアップライトピアノの移動で1万円5千前後、グランドピアノの場合は梱包料、開梱料含まれるので3万円前後となります。
これに2階吊り上げで1万円加算、エレベーターの場合も1万円ほどの加算になります。

案外安いのが長距離便で、たとえば岡山の倉庫から東京の倉庫までの運送費はアップライトピアノで1万5千前後、グランドピアノで3万円前後ですが、これは浜松を起点としたワンマントラックの路線便があり、これを利用すると倉庫から倉庫への運送費は比較的割安です。

ですから仮に岡山の実家から東京の自宅までピアノを運んだ場合は、実家→岡山の倉庫→東京の倉庫→東京の自宅となり、アップライトピアノで4万5千円前後、グランドピアノで9万円前後になります。

⑨ピアノの資産価値

ピアノに資産価値があるか?というご質問を頂くことがありますが、(故)ジョンレノンが愛用していたピアノというような特殊なピアノを除けば、あまりないということになります。

たとえばニューヨーク・スタインウェイで100年物というピアノの場合、業者相場では50~60万円という感じですが、これに業者がお金をかけてオーバーホールをすると小売価格は数百万円になりますが、元の持ち主の手元には数十万円しか残らないわけです。

ただヨーロッパ製ピアノ等は、ヤマハ・カワイに比べると絶対販売台数が少なく希少価値があり、元々が高価なので安価な中古品の希望者も多く、よくある国産ブランドに比べて有利な条件で手離すことはできますが、不動産のように資産価値があるようには思えません。

ピアノの寿命

⑩鍵盤(タッチ)は重い方が良いか、軽い方が良いか?

コンクールで弾くホールのスタインウェイは、或いは先生のお宅のピアノの鍵盤(タッチ)が重いので、それと同じように家のピアノも鍵盤(タッチ)も重くして下さい、というご相談をよく受けます。

また先生の中にも、鍵盤(タッチ)が重いピアノで練習していると、どんなピアノでも弾けるようになるし、指も強くなるので重いピアノで練習する方が良いと仰る先生もおられるようで、生徒さんもそれに同調されるようです。
しかしメーカーにより多少の違いや、個人の好みの問題もありますが、基本的に良く調整されたピアノであれば鍵盤(タッチ)が重いと感じることはなく(軽い)、弾きやすいピアノになりますので演奏自体も楽しくも、表現力も大きく向上します。

1.実はスタインウェイの鍵盤(タッチ)は、世界的にも一番軽いピアノです。

正常なスタインウェイの鍵盤の重さ(タッチ)は、S-155~B211までは47gの重さで鍵盤が下がり(ダウン)、20gの重さで上がる(アップ)するように設計されており、これは世界的にも一番鍵盤(タッチ)が軽いピアノです。

そのスタインウェイが正常な状態なら、普通であれば鍵盤(タッチ)が軽く感じるはずですが、大きな空間の大ホールでは、客席側には音がよく飛ぶのですが、演奏者側には狭い個室と違い聞こえ難くく、強弱がつけにくいために、つい力んで弾いてしまい結果として重く感じるかも知れません。

ただ多くの場合、ホールのピアノは十分な調整(整調・整音)がされていないか、或いは管理担当者の知識不足(温度と湿度管理が不十分)が原因で、不調(整調が崩れ、結果鍵盤が重く弾きづらい状態)になっていることが多いようです。

2.重い鍵盤(タッチ)のピアノは、基本的に調整不良のピアノである場合がほとんどです。

重い、軽いはメーカーにより多少の違いはあるにせよ、錘を使って測ってわかる程度の差ですので、いかなるピアノも、十分な調整を施し、空調管理を上手くやると鍵盤に無理な抵抗がないので鍵盤(タッチ)が軽く、表現力豊かなピアノになるはずです。

3.可能な限り、よく調整(整調と整音)されたピアノで演奏しよう。

もしホールや先生宅、或いはご自宅のピアノの鍵盤(タッチ)が重いということは、多くは鍵盤・アクションパーツが汚れていたり錆びたままで、さらに調整がされていないことが原因で、車に例えるとサイドブレーキがかかった状態で運転しているようなものです。
ピアノもこれと同じで、特に大きな音や小さな音が出しづらいので、ついつい力んでピアノを強く弾くようになりますので、当然ながら表現力の劣った演奏になり、それでも無理して弾いていると最悪、指が腱鞘炎になることもあります。

良く調整されたピアノならば鍵盤(タッチ)は軽く、大きな音も小さな音も自由に出すことができるので自然と表現力豊かな演奏が身に付き、演奏自体も格段に楽しくなるはずです。

ピアノの調律とメンテナンス

⑪雑音と共鳴についての対策

広いショールームやホール等では気がつきにくいのですが、相対的に狭いご自宅の部屋等でピアノを弾いた場合、少し耳が慣れてくると雑音や耳障りな共鳴が気になることがあります。

雑音等は、そこに意識が行くようになると自分の意識のなかで拡大してきて不快感が増大してきますので、なかなか厄介な問題です。

共鳴は同じ音の周波数に部屋の置物や照明器具、壁の内部、ピアノの金属パーツなどの部品が干渉する現象ですが、たくさんの原因が考えられますが、これは原因を特定して対策すれば大概は解決します。

ピアノ自体の問題でよくある雑音として、中音~高音部のシャリシャリといった鈴の鳴るような雑音が良く起こり、少し古くなると出やすくなります。

今ではピアノの構造にアリコート(共鳴弦)という仕組みが主流で、ヤマハ、カワイ、スタインウェイ等、多くのメーカーが採用していますが、この仕組み(考え方)は、あえて弦の振動する部分だけでなく、前後の振動しない弦の部分にも共鳴させて倍音を発生し、輝いた響きを出そうという考え方です。

逆に弦の端から端まで鳴らさず(雑音?)、ニンジンや大根のように両端をカットする(極力鳴らさないようにする)考え方があり、こちらの方が長く聴いていても疲れず、気持ちが安らぐという考え方で、ペトロフの一部や国産ではディアパソンが基本的にその考え方です。

考え方や好みの問題で優劣はないのですが、高音部のシャリシャリというような雑音は、構造上、前者のアリコート方式によって、新品からでも出ることがありますし、少し古くなると弦がベアリングやアグラフにくい込み、結果シャリシャリしたような音が出る傾向があります。

気にすれば気にするほど耳障りな雑音ですが、あまり気になるようでしたら、弦にフェルト等を挟み、シャリシャリという雑音を低減する方法もあります。

⑫ピアノの調律代(メンテナンス費用)の内訳と性能の違いは?

一般的な調律代金(メンテナンス費用)は?

ピアノの調律代は地域により若干異なりますが、定期調律(半年~1年の空)でアップライト¥15,000-、グランドピアノ¥17,000-と云ったところが一般的な相場です。

尚、乾燥剤は不要です。

※密閉された瓶等では乾燥剤が有効ですが、空気が循環するピアノでは意味がなく、除湿器の設置が有効です。

ところで出荷調整とは?

工場で完成したピアノを、納品前に技術者の手で鍵盤やアクション、ダンパー等の細部の動きの精度を高め、最後に全ての音色の粒をそろえる作業が出荷調整(整調・調律・整音作業)と呼ばれる作業で、一通りやると、手慣れた技術者で3日間(8時間×3)の作業時間が必要です。

出荷調整(整調・調律・整音作業で24時間は必要)は、本来、納品前にメーカーまたは販売店が行う作業ですが、最近のメーカーの出荷調整の作業時間は、高額なスタインウェイで8時間、ヤマハのCクラスで2時間半、高級なSクラスで8時間、ディアパソンで8時間(筆者調べ)ですので、これだけではあきらかに調整不足です。

ほとんどのピアノは、調律のみで調整不足です。

ピアノ本来の性能を発揮させるには、販売店でメーカーの調整不足分を補う必要がありますが、効率重視の現代では、販売店でも出荷調整(整調・調律・整音)をされずに、メーカーから入荷後そのまま納品され、納品後は納入調律(調弦で約2時間)のみでお引き渡し完了となり、後は上記の調律のみのメンテナンスで完結しています。

本来のメンテナンスは?

新品であれ中古品であれ、時間がかかる(新品で3日間、中古品は約その倍)出荷調整は事前に販売店で十分な作業を行った上で納品、お届け後は、部屋の音響と弾き手の好みに合わせた最適なタッチ、音色、響きになるように、再度、整調・調律・整音をセットで行なうのが納入調整(約半日)と呼ばれるものです。

その後の定期メンテナンスも、調律(調弦のみで1時間少々)だけでなく、整調・調律・整音の3つの作業をセットで行なうのが理想で、そのため作業時間は約半日なりますので料金は2万円前後になります。

本来のメンテナンス費用は?

納品前の出荷調整と納入調整の費用は販売店負担ですが、定期メンテナンスの費用は整調・調律・整音の3つの作業をセットで行うので、調律だけのメンテナンスより若干高額になり1回2万円前後になります。
※料金は基本的にUP、GP、国産、輸入に関わらず同一料金となります。(浜松ピアノ店)

ピアノの調律とメンテナンス

⑬国産ピアノとヨーロッパ製ピアノの魅力の違いは?

国産ピアノではなくヨーロッパ製ピアノを選ぶ理由は?

なぜ馴染みのあるヤマハ・カワイを選ばず、それらより少し高額なヨーロッパ製ピアノを選ぶ必要があるのか?ということですが、それは楽器としての魅力や特性が両者で異なるからです。

国産ピアノはたくさんの販売実績があり安心ですし、メードインジャパンのイメージ通り、きちんと作られているので安心というところが最大の魅力ですが、欠点は外装のデザインを含めて、残念ながら相対的に楽器としての魅力に乏しいというところにあります。

これを言葉でご説明するのは難しいのですが、文字に例えると国産ピアノはワープロで書いた文字で、ヨーロッパ製のピアノは手書きの文字とも云えます。

たとえば通信文はワープロで書いた方が合理的であり、読みやすくて良いのですが、年賀状は手書きの文字の方が、味があり心が伝わります。 イメージとしてはこんな感じです。

国産ピアノも音色の良いものは存在しますし、その音色も最終整音でかなり自分好みに仕上げることができます。 しかし決定的に違うのが響き(音量とは別)なのです

国産ピアノは音が響かず早く減衰して行きますが、ヨーロッパ製は、音色の好みは別にして、ほぼ例外なく音が良く伸びます

身近な例で云うとお風呂のなかで歌を謳うと自分の声が良く響き、謳って気持ちが良いのと似ています。

なぜこのような違いがあるのか?ということですが、これは製造工程や手間のかけ方も違いますが、基本的に楽器に対する考え方(哲学)の違いのようで、たとえば最近のカワイのピアノは合理的な考え方から、内部のアクションに木の替わりにカーボンファイバーを含ませた新素材を使っており、それを隠すことなく積極的にPRしています。

カーボン素材は木より軽く鉄よりも堅く、人工素材故に工場で均一な部品製作が可能で非常に合理的なのですが、堅いが故に木のようなしなりがないので弾き心地に違和感があります。

クラシックな楽器を愛する者にとっては不自然で違和感がありますが、何を大切に考えるかという楽器作りに対する価値観(哲学)の違いのように思います。

両者を同時に比較ご試弾いただくと、その違いを体感いただけると思います。

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⑭目で見るヨーロッパ製ピアノと国産ピアノの違い

打弦時に動きが出るアクションですが、これは本体にしっかりねじ止めできれば問題ないので、別にそのネジの取っ手がプラスティックであろうと金属であろうと性能には関係ないように思いますが、安価な国産は2点止め、高級なもので3点止め、最高級ピアノのスタインウェイは念を入れて4点止めになっています

ダンパーペダルとソフトぺダルのバネが、ヨーロッパ製は板バネ、国産はコイルバネです、性能上の違いはコイルバネはオン、オフなら問題ないのですが、少しだけダンパーを効かすようなハーフペダルには対応できませんが、板バネならペダルを踏む圧力が一定なので任意の効かせ方が可能です。

楽器として箱全体で豊かに響かせるには箱(ケース)の作り(材質)が重要ですが、国産は積層材(接着面がスポンジ状になり響かない)を多用し、ヨーロッパ製は無垢材が多く使われていて、この辺りが楽器としての響きに大きく影響しています。

⑮電子ピアノで練習してもピアノは上達するか?

電子ピアノの鍵盤のメカニズムは、生ピアノに似せ、いかに巧妙に作られた高級な電子ピアノでも、単なるスイッチで内蔵のセンサーで感知して、強く叩くと大きな音がして弱く叩くと小さな音がするという仕組みです。

ですから一流のピアニストが弾いても、素人が弾いてもあるいはデーターで鳴らしても、同じ音色と表現になるのが一番の問題です。
電子ピアノは指さばきの練習になり上達には一定の効果がありますが、いくら高級な電子ピアノでも、ピアノで謳うというか、共感を得るような演奏は難しく、その意味で特にクラシックピアノの練習には向いていないように思われます。

そのような理由から電子ピアノを使ったクラシックピアノコンサートは皆無ですし、電子ピアノを使ったBGM演奏も魅力がありません。
但しクラシックピアノの上達は困難ですが、ポップスやジャズピアノなら電子ピアノや電子キーボードでも何とかなります。

その理由ですが、ジャズピアノはクラシックとは別の感性が必要で、それはリズム感やコードでの即興演奏、ドラムやベース等他の楽器とのセッションが重要ですので電子ピアノや電子キーボードでも何とかなります。

そのような特性の違いがありますので、もしポピュラー・ジャズピアノ教室に通うなら電子ピアノ(電子キーボード)でも何とかなりますが、大概のピアノ教室は音大を出た先生がクラシックピアノを教えておられるので、電子ピアノではクラシックピアノを教えることが出来ないと判断されます。

⑯お子様にはどんなピアノを選んだらよいか?

お子様には丁寧に調整されたピアノが必須です。
ピアノは大人用、子供用はなく鍵盤のサイズも同じで、鍵盤の重さも基本的にほぼ同じなので、大人に比べて指の力が劣るお子様の場合は、中古、安価、高級と考える以前に、先ずは弾き易く表現力があるよく調整されたピアノが絶対条件です。

弾く易く表現力のあるピアノとは、小さな音(ピアニシモ)が綺麗に出せて大きな音も力まず出せるピアノのことですが、これは中古、新品、安価・高級に関係なく丁寧に調整したピアノなら可能です。

ただ丁寧な調整には、新品で約3日間、中古品ならその約倍のコスト(15万~30万円)がかかりますので、あまり安い中古品では丁寧な調整はまず期待できません。

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