[ ]ピアノ部屋の管理の留意点
スタインウェイ社の社員調律師による1年に一回の2日間かけるスタインウェイの保守点検作業風景(岡山県早島町)、スタインウェイに限らず家庭のヤマハ、カワイもこれに近い定期的なメンテナンスを行うと快適なピアノになります。
※保守点検とは、1年に一度、普段の調律では時間がなくてできない整調と整音を2日間の時間をかけて再調整をすること。

浜松の職人調律師の山原氏によるスタインウェイの2日間の保守点検(岡山県建部町)
スタインウェイの技術社員による2日間の保守点検作業(岡山県建部町)
ヤマハ、カワイは実施していませんが、例外的にスタインウェイだけは、1年に1度は2日間の保守点検(初期設定値に戻す)を行っていますので、大概のホールのスタインウェイはいつも快適な演奏が可能です。
スタインウェイのフルコンサートピアノがあり楽器保管庫もあり、保守点検の調律師も一流の調律師が担当、調律もコンサートごとに行っておれば、普通は完璧だと思うはずですが、意外な落とし穴があります。
それは楽器保管庫等の温度と湿度の管理が不十分で、保管庫の湿度が過度に高かったり逆に過乾燥だったりするので、これではいくら丁寧に調整しても、早ければ一晩でピアノ内部の調整がガタガタに狂ってしまいます。
原因はホールの管理担当者の多くが1~2年で替わることが多く、担当者もピアノに無関心の方が多いようで、ピアノの不調は適切な空調管理がされないのが主な原因です。
快適なピアノのための3つの条件
①部屋の適切な音響(アビテックス等の狭い防音室では頭が痛くなる)
②定期的な調整(整調・調律・整音)
③適切な空調管理(温度と湿度)
の3つが必須で、どの一つが欠けても弾いて気持ちが良い快適なピアノにはなりません。
ピアノ部屋の湿度管理
ピアノの調律は演奏によっても狂いますが大きな原因は部屋の温度変化です。できだけ一定の温度(演奏時の室温)に近く保ちつつ、湿度管理も重要です。
一般的に湿度は50%~60%保つのが良いとされていますが、それ以上の湿度になるとピアノに不具合が発生して音が悪く弾き難いピアノになり、一旦そうそうなると元に戻すのもかなりの手間(コスト)がかかりますので要注意です。
適切な空調管理に必須のアイテム
①除湿器
写真の除湿器は約4万円で、湿度50%以上になると自動的にオンになります。
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