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ピアノ日誌 / 植田 信五

スタインウェイはトリルが効くが、ヤマハは効かないの勘違い

ヤマハのピアノ講師の方が試弾の結果、ヤマハはトリルが効かないがスタインウェイは効くということでスタインウェイを契約いただきましたが、下取りありということで、後日ご自宅のヤマハのグランドを見せてもらうと鍵盤がドローとしており、これではトリルはできないことは明らかでした。

調律カードを見るとさすがピアノ講師ということで毎年きちんと調律されており、担当の調律師もヤマハのベテラン調律師でしたが、その調律師からそろそろ寿命なので新品に買い替えてと強く勧められ、それなら人生最後のピアノになるということでスタインウェイをご契約いただきました。

トリルが効かないのは鍵盤調整が省かれているから

いかなるピアノであれ鍵盤調整をしなければ、やがて弾き難くトリルの効かないピアノになります。この事実をピアノの専門家であるピアノの先生にも意外に理解されていないことに驚きました。

一つの鍵盤は2本のピンで支えられています

先ずは鍵盤を支えるピンを1本1本磨いていきます、この作業は新品のピアノでも必要です



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資料をご覧になった方の感想

弦楽器や他の楽器と違うピアノならではの特殊性をご理解頂くためのもので、一旦ピアノの特殊性をご理解頂くとピアノという楽器に対する概念や対処も大きく変わり、これまで以上にピアノと良い関係が築けます。

浜松ピアノ店代表 植田信五 筆者プロフィール


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株式会社浜松ピアノ 代表取締役社長

植田 信五


ピアノ椅子のそれぞれの特徴について解説します

ピアノ椅子の好みは人それぞれ

初めて中村紘子さんにお会いしたのは随分昔ですが、ホールにスタインウェイのフルコンサートピアノを納入させて頂きこけら落としに中村紘子さんをお呼びした時です。

スタインウェイのフルコンサートピアノの椅子は、定番のアメリカのジャンセン社製の当時20万円以上の高級椅子をつけてついているので椅子については問題ないものと思っていました。

ところが本番当日になってその椅子ではだめで、中古品でも良いから本番までに背もたれのあるトムソン椅子を持ってきて欲しいと云われ、急遽、片道1時間かけてコンサート会場にトムソン椅子をお持ちした記憶があります。

中村紘子さんがコンサート本番で使われる通称、トムソン椅子(価格は4万円前後)弊社ホールでも高級椅子よりこちらの椅子の方が良く使われます


トムソン椅子の特徴

トムソン椅子は背もたれがついているのが特徴で、発表会等で座位が異なる不特定多数の人が演奏する時に、ワンタッチで椅子の座位を変えることができるので重宝されていますが、構造上、細かい座位の設定ができないのが不便です。

そのような理由から演奏者が一人の場合は、一度座位を設定すると途中で変える必要がないので、細かい座位の設定ができないトムソン椅子は不利です。

椅子にはそのような特徴があるのですが、中村紘子さんのような一流ピアニストでもコンサートでは緊張する?ので、ピアノ椅子は日頃ご自身が使い慣れた椅子の方が一番落ち着くのかも知れません。


ヨーロッパ製の25万円以上のコンサート用椅子、弊社3Fホール
頑丈で重く演奏者の体重で椅子の高さを設定できますが、問題は体重の軽いお子様や小柄の女性では上下が作動しないので不評です


ピアノ椅子に必要な基本性能

ピアノ椅子に必要な性能としては、体重移動してもギシギシという音がしない丈夫な椅子であること、ある程度の重量があり滑り易い板間(舞台等)で使っても椅子が簡単に動かないこと、座面の座り心地が良く長時間の連続演奏でもお尻や太腿の負担が少ないことですが、後は見栄えも良くピアノ本体にデザイン的にも似合っていることのようです。

下の写真の椅子はファツィオリピアノが採用している高級椅子ですが、デザインがシンプルで演奏者の体重を利用してワンタッチで任意の座位を確定できます、但し大人の西洋人の体重が基本ですので体重の軽いお子様や小柄な日本女性の場合は座面が下りてこないこともあります。

お洒落なイタリアのディスカチャーチ社製
実際に部屋に置いた時に、ピアノのデザインに似合ったお洒落な椅子だと部屋の雰囲気も変わります



ちなみにヨーロッパのピアノメーカーは、ピアノ椅子は自社で作らず、ヨーロッパには椅子の有名専門メーカーが存在し椅子はお金を出して購入するという感覚なので高品質の高級品が多いのですが、日本のヤマハ、カワイの場合はピアノの附属品としてサービス品になるので手抜きになって最近は中国製の安価な椅子も多くなっています。

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資料をご覧になった方の感想

弦楽器や他の楽器と違うピアノならではの特殊性をご理解頂くためのもので、一旦ピアノの特殊性をご理解頂くとピアノという楽器に対する概念や対処も大きく変わり、これまで以上にピアノと良い関係が築けます。

浜松ピアノ店代表 植田信五 筆者プロフィール


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株式会社浜松ピアノ 代表取締役社長

植田 信五


ピアノと調律師の関係を知れば、もっとピアノがわかる

高級ピアノであればあるほど内部の複雑なメカニズムに無垢の木やフェルト類の自然素材が多く、その構成部材に必ず伸縮や歪みが出るので、これらの修正と擦り合わせ調整をして最終的に、音色やタッチを演奏者好みに仕上げてくれる調律師が必要です。

ピアノはイージーオーダーの楽器という概念

弦楽器の性能は演奏者次第

対照的なのは弦楽器で、弦楽器は構造がシンプルで演奏者の指や腕で直接演奏するので楽器の性能は演奏者次第ですが、ピアノの場合は、いかな名器を名演奏者が演奏しても整調・調律・整音が不十分ならば、演奏者が意図した演奏ができないので聴くに堪えない演奏になる可能性があります。

そこで専属調律師が登場

ピアノにはそのような事情があるので、故、中村紘子さんは、自宅のピアノはもちろん全国ツアーには、調律師の故、鶴田昭弘氏と契約してましたし、内田光子さんが来日された時やブーニンは現在のファツィオリ・ジャパン(元スタインウェイ)の越智氏を指名されていました。

多くのホールはスタインウェイなので地元の調律師で十分と思われるかも知れませんが、同じスタインウェイでも音色やタッチの特性は調整や整音次第なので、全国ツアーをするようなピアニストは、演奏者の好みを理解してそれを正確に具現化してくれる調律師と専属契約を結ぶピアニストもおられます。

ピアノをブランドイメージだけで選ぶと失敗する

そのような事情からブランドイメージだけでピアノを選んでも満足のいくピアノを見つけるのは難しいという話ですが、そのあたりがピアノ選びの問題点ではないでしょうか。

NHKの「もう一つのショパンコンクール」で裏方である調律師の苦労が取り上げられていましたが、個々のピアノの性能を演奏者が満足する性能特性を引き出すのは調律師次第のように思います。



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資料をご覧になった方の感想

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浜松ピアノ店代表 植田信五 筆者プロフィール


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