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ピアノ日誌 / 植田 信五

唯一ファツィオリだけが真の高級ピアノを作れる理由

どこの会社にでも云えることだと思いますが、やはりトップの哲学というか、考え方がその会社が提供する商品やその会社の将来に大きな影響を与えると思います。

代表的な高級ピアノのスタインウェイ社は創業者一族のスタインウェイ一族はすでにいなくなり、スタインウェイ社の今のトップはアメリカの投資家ですが、今は中国資本による買収も噂されています、スタインウェイの高い知名度とブランド力を使って利益誘導型の会社になっており、ベーゼンドルファーもヤマハの子会社になってから販売にも情熱を感じられません。

そのような高級ピアノの中で、唯一現役の創業者、パオロ・ファツィオリさんがいるのがファツィオリピアノで、「演奏者にとって最高のピアノを」という熱い信念で、良いと思うものはコストを無視しても採用し、すでに完成した思われているピアノという楽器に対しても今も性能向上に工夫と努力をしています。

ファツィオリピアノの創業者 パオロ・ファツィオリさん

従来の枠にとらわれない若いピア二ストや真の高級ピアノを求める方から支持されるようになっています。





お奨めブランド ファツィオリ


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ピアノならではの特殊性をご理解頂くためのもので、一旦ピアノの特殊性をご理解頂くとピアノという楽器に対する概念や対処も大きく変わり、これまで以上にピアノと良い関係が築けます。  

資料をご覧になった方の感想


浜松ピアノ店代表 植田信五 筆者プロフィール


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株式会社浜松ピアノ 代表取締役社長

植田 信五


ピアノは調整の有無で表現力や音色に大きな差が出ます

ピアノは値段ほどの性能差はないと以前の日誌で書いたら反論もいただきました。

あるピアニストさんからの反論内容は、たとえばベーゼンドルファーは音色の引き出しが50くらいで、一般的なヤマハは5くらいの音色の引き出ししかないので性能差は歴然としているとのことでした。これはいろいろなホールでピアノを弾く機会のあるピアニストさんからの率直な感想だろうと思います。

私の感想

スタインウェイやベーゼンドルファーなどの輸入高級ピアノは高額故に、ホール側も予算をつけて日頃からきっちり調整や整音がされていることが多いのですが、一般的なヤマハやカワイの場合はホールにあるピアノでも調整する習慣がなくメンテナンスは調律だけで済まされているので、弾き比べると酷い状態で表現力が劣るピアノが大半ではないかと思います。

ホールのヤマハは調律だけで済まされる

例えば私の地元の文化センタにはヤマハのフルコンサートピアノが入っており発表会の折に調律を依頼されることがありますが、その調律も朝の1時間内での完了が求められます、ピアノの状態があまりに酷いので調整費用の予算をつけて貰うべく市役所に陳情に上がったところ全く予算はつかず(調律は使う人がやってください)との回答でした。恐らく納入時からこんな調子なのでピアノは最悪の状態です。

一昔前までは、多くのホールのスタインウェイは松尾楽器さんが毎年、2日かけた調整を行うように制度化しましたし、ベーゼンドルファーも今はなき日本ベーゼンさんが丁寧なメンテナンスを習慣づけていましたが、ヤマハ、カワイは短時間の調律だけで済まされているので性能差が歴然とつくのではと思います。


ピアノは自然素材を使った複雑なメカニズムを持ち、そのメカニズムを通じてリモートコントロールで打弦する楽器なので内部の丁寧な調整が不可欠ですが、国産ピアノメーカー自身が調整の重要性を理解しておらず、それ故にグランドピアノの調整ができる調律師も少なく、また日頃から調整する習慣もないのでピアニストの評価が低いものになっているように思います。

ホールのスタインウエイのメンテナンス風景




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株式会社浜松ピアノ 代表取締役社長

植田 信五


ピアノのオーバーホールには松竹梅とあります

ピアノの買い替えをお考えの方も多いのですが、最近は実家の思い出のある古いピアノをリニューアルしてご自身のお子さんに使わせるという方も増えてきました。

しかし一言にリニューアル(オーバーホール)と云っても、どこまでやるかで予算も大きく変わってきますが本格的なリニューアル(外装の再塗装を含めて全ての消耗部品を新品に交換)をしてから丁寧に調整を施すと、古いピアノは味わい深く新品以上に魅力的な響きや音色になります。

一般的に古いピアノは新品に比べて性能が劣るというイメージがありますが、古い弦楽器が高く評価されているのと同様にピアノも同じことが言えます。

その理由は、木は年数を経過すると強固になるので楽器としては優れたものになるという理由ですが、ピアノが構造が簡単な弦楽器と違うのは内部に複雑なメカニズムを持ち消耗部品が多いというところです。

また修復には全て手作業になるので作業時間が多くかかり、部品代も含めると新品のピアノに近い費用になりますが、愛着のある思い出のピアノや元々高額なヨーロッパ製の輸入ピアノは本格的なオーバーホールもお薦めです。


オーバーホールの落とし穴とは?

問題点は外装を綺麗にして消耗部品を交換すればOKという訳にはいかないところです。最近は研修目的(労賃が安い)で若い経験不足の若い調律師を使うため、部品の組み立て精度が悪く仕上げの調整もされていないピアノが多く、あまりにも弾き辛いので後から弊社に本格的な調整を依頼されることが多くなっています。

たとえばヤマハの場合は高額になりますが、製造番号と型番をメーカーに伝えればメーカー純正のオリジナルのハンマー一式を送ってくれます、この場合は鍵盤の鉛調整は不要ですし、簡単な整音をすればOKになります。オリジナルのハンマーを使わない場合は、ハンマーの質料(重さ)が異なり仕上げの整音も手間がかかるし、最終的に鍵盤の鉛調整も必要になりますが、これらが省かれたピアノは、せっかくオーバーホールをしても弾き難いになってしまいます。


オーバーホールの落とし穴

 

弊社でリニューアルした1965年製スタインウェイCモデル(セミコンサート)

内容は響板の埋め木修理から始まりフレーム塗装、弦の総張り替え、アクション部品の交換(ハンマー・サポートアッセンブリー)ダンパーフェルト、バックチェックスキン交換、象牙漂白・研磨等です。






中古ピアノのメリット・デメリット

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株式会社浜松ピアノ 代表取締役社長

植田 信五


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