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ピアノ日誌 / 植田 信五

スタインウェイの保守点検の実施報告

岡山県総社市民館のスタインウェイ保守点検 



3月3日、4日の2日間、元スタインウェイの技術者である鈴木さんを東京から来て頂き、ホールのスタインウェイの1年に1回の保守点検を実施しました。弊社の調律師の江崎さんが岡山空港から送迎して、鈴木さんに付きっ切りで鈴木さんの仕事ぶりを見せていただきました。

尚、鈴木さんはあの反田恭平さんのコンサートツアーに同行する今やスタインウェイジャパンを代表する調律師なので、江崎さんにとって大変、勉強になったそうですが、お陰で鈴木さんは詳しく説明するため口が疲れたそうです。



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ピアノの性能(タッチ、音色、表現力)を大切にお考えの方に
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資料をご覧になった方の感想

弦楽器や他の楽器と違うピアノならではの特殊性をご理解頂くためのもので、一旦ピアノの特殊性をご理解頂くとピアノという楽器に対する概念や対処も大きく変わり、これまで以上にピアノと良い関係が築けます。

浜松ピアノ店代表 植田信五 筆者プロフィール


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グランドピアノの3日間の出荷調整作業を動画でお見せしていますが、丁寧な調整でいかなるピアノであれ性能が大幅に向上することがご理解頂けます。DVD全24分

 

株式会社浜松ピアノ 代表取締役社長

植田 信五


現状は出荷調整が手抜きになっている

筆者が出荷調整(プレップアップ)という言葉を知ったのは、スタインウェイ・ジャパンと取引を始めてから知った言葉で、それまではそのような概念はなく、ピアノは調律したら完了という概念でした。

最初は高価なスタインウェイだからか?と思いましたが、ピアノの構造は皆同じなので、国産ピアノ、安価なピアノ、中古ピアノ、いかなるピアノであれ同様のことを行えば大幅に向上することがわかり、それ以来、弊社で出荷する全てのピアノに対して丁寧な出荷調整を行うようにしました。

出荷調整とは

出荷調整は納品前にメーカーまたは販売店が納品前にやる調整作業のことですが、これには新品で手慣れた技術者で作業時間が3日間、中古品なら1週間ほどかかる作業ですが、しかし現在ではヤマハがやる出荷調整時間は2時間半、高額なスタインウェイでも5時間に制限されています。調整不足は販売店でやるしかないのですが、販売店も出荷調整の習慣がなく、メーカーから届いたピアノをそのまま納品して調律して完了となっています。

なぜ出荷調整が必要なのか?

新品ピアノは、いかに最近の工作機械で加工、組み立てても、新しい木材は必ず伸縮や歪みが生じますので、これを人の手で丁寧な擦り合わせ調整が必要です。これが中古品なら今迄の癖を修正してから擦り合わせ調整が必要になるので新品の倍以上の作業時間が必要です。

しかし、これは故障ではないので、演奏者が文句を言っても大概はこんなものですということで終わってしまいます。さらに一旦納品してから3日~1週間、ご自宅に連続してお邪魔して作業をするのはあまり現実的ではありません。なのでお届け前にメーカー又は販売店が行う出荷調整は、性能を大切に考えると非常に重要なことです。

問題はコストアップになること

出荷調整にかかるコストを仮に20万円とすると一千万クラスのピアノならば品代の1~2%ですが、100万円のピアノだと出荷調整のコストが品代の15%~20%、50万円の中古ピアノだと品代の30%~40%になるのでコスト的に難しいのですが、やるとやらないでは性能が大きく異なりますのでやるしかありません。


調整のためにお預かりした新品のディアパソンのエピソード

 

独自の出荷調整で音色・タッチ・表現力が大幅に向上します


弊社店頭での独自の出荷調整風景

 

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浜松ピアノ店代表 植田信五 筆者プロフィール


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植田 信五


純ヨーロッパ製のペトロフピアノがお奨め

今は中国中心のピアノ作り

現在のピアノ業界は中国を中心で回っており、スタインウェイ等の一部の高級ピアノを除けば日欧のピアノメーカーの多くは中国で生産、または委託生産されているのが現状で、お蔭で中国の上位メーカーの生産設備も最新のものが使われており品質も格段に良くなっています。

中国で委託生産すると、極端な元安の影響が大きく、実質本国の三分の一以下のコストで生産できるために、今は数少ない老舗のヨーロッパブランドも、日本で丁寧に調整すればという条件付きですが、今では国産ブランドより安いお値段で購入できます。

中国で委託生産されるお薦めの老舗のヨーロッパブランド

ウエンドル&ラング  フォイリッヒ
 
今ではスタインウェイ等の高額な高級ピアノを除けば、全てヨーロッパで生産されている純ヨーロッパ製ピアノは少数ですが、中でもペトロフピアノは純ヨーロッパ製のなかでは、比較的安価に購入できるのがペトロフピアノの大きな魅力ですが、最近の円安でかなり高額になっています。

純ヨーロッパ製のペトロフピアノの魅力は?

ペトロフピアノの魅力は、昔ながらの手作業により1台1台作ることで、楽器としての基本性能(鳴り、音色や響き)が良いことです。

①木材も短時間での人工乾燥ではなく、屋外で自然乾燥した無垢材が多く使われる(いずれも筆者撮影)



②工場の生産設備が合理化されていない(ローテク)ので、1台1台手作業の行程が多く残る







③消耗部品にはヨーロッパの高級部品メーカーの部品を使っています。

純ヨーロッパ製のペトロフピアノが持つ特徴は?

特に違いが分かり易いのが小型(コンパクト)のピアノで、ピアノ全体で鳴るので小型でも豊かな音量を持ち、明るく暖かい音色を持つのが特徴です、これは伝統的な手作りのヨーロッパ製ピアノが共通して持つ魅力(特徴)です、狭い日本の住宅環境で使用するには、小型でも魅力的な純ヨーロッパ製がお奨めかと思います。

ペトロフピアノの音色の特徴

ピアノの音色を言葉で表現すると、代表的なスタインウェイは金属の音をいかに美しく聴かせるか、すなわちキラキラとした音色で、大舞台でのコンチェルト等ではピアノの存在感が際立ちます、かたやペトロフはいかに木の音を美しく聴かせるかということで、明るく暖かい音色が魅力で、特に室内楽に向いているように思います。

お奨めブランド ペトロフ

極上のペトロフピアノの中古アップライト2台が入荷しました


なぜヨーロッツパでも安価にピアノが作れるのか?

ペトロフの工場はプラハから東に140㎞、人口10万人ほどの田舎町のクラローバにあるために、ヨーロッパでも比較的安い人件費で地元の優秀な技術者を安定的に確保できるからです。ただ、最近はチェコの人件費も高騰しており、このままでは中国で委託生産される日も近いのではないかと若干の危惧があります

ペトロフの工場があるチェコのクラローバの町並み


ペトロフ社の社長室にて、スザンヌ・ペトロフ社長の挨拶


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