[ ]大人の趣味で弾くピアノ
昨日は京都府八幡市のK様宅へピアノメンテナンスでおじゃましました。
ピアノはペトロフP-Ⅳ、
K様は趣味でピアノを弾かれるだけでなく録音したりと機器にも詳しいようなので色々と教えていただきました。
ところで、このマイクの下についてる白い物は何だと思いますか?
これは温度や湿度を計測する機械、「おんどとり(T&D社)」で、ピアノは温度や湿度に影響を受けやすい楽器だということは皆さんもご存知だと思いますが、この機械はただ測るだけでなく外出時にもクラウド経由で、いつどこにいてもピアノの温度や湿度が分かってしまうという優れものなんです。
このようにグラフになって時間ごとに温度や湿度が把握できとても分かりやすいです。
K様、色々と教えていただき有難うございました。
そして今日は兵庫県姫路市のH様宅で朝から夜までの1日コースで調整をさせていただきました。
ピアノはボストンGP-178(写真撮り忘れました)
以前H様より、同音高速連打(1つの鍵盤を早く連打すること)が出にくいのでこれは調整で直るのか?というメールをいただきましたので、「それは調整で可能です」とお答えしました。
ただし条件がありまして、鍵盤を押し下げハンマーが弦に当たるまでのアクションメカニックの動きが正常な状態になった時に初めて連打や繊細なピアニッシモが出しやすくなります。その為にはたくさんやることがあり時間がかかるので1日コースをご提案しました。
鍵盤調整から始まり、ジャックという部品の位置や動きをスムーズにし、タイミングを揃えて・・・という連打の仕組みをざっと説明しました。少し難しい内容だったかもしれません。
そして今日行なった調整メニューは、
(1)鍵盤下・棚板・フレーム周りの掃除
(2)キーピン(鍵盤のピン)の表面が滑らかになるようにマックルーブ塗布
(3)鍵盤整調(バランス・フロントホール調整
(4)棚板調整
(5)鍵盤高さ調整
(6)弦合わせ調整
(7)バックチェック合わせ調整
(8)打弦距離調整
(9)ジャック前後・高さ調整
(10)鍵盤深さ調整
(11)ハンマー接近調整
(12)ハンマードロップ調整
(13)ハンマーストップ調整
(14)スプリング調整
(15)ソステヌート調整
(16)ダンパーストップレール調整
(17)調律
(18)弦当たり調整
(19)ハンマー弾力調整
実際の調整シーンを知りたい方はこちらからどうぞ→アクション調整動画
さてさて、以上のメニューを行なった結果、かなり弾きやすくなりH様も喜ばれておりました。来月は発表会でショパンのスケルツォ第2番を弾かれるそうです。
今回の2日間はお二方共大人の趣味で弾かれるということもあって、タッチや音色にこだわりを持っていたので、私もとてもやり甲斐があり楽しませていただきました。
京都府八幡市のK様、兵庫県姫路市のH様ありがとうございました。