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ペトロフP118定期メンテナンス in 岡山市 

昨年納品させていただいた岡山市F様 

新品ペトロフP118-C1 ウォルナット艶出し

 

奥様と小学生のお嬢さまが弾かれています。

 

 

納品後の新しい環境での1回目の大きな変化です。

ハンマーの間隔がかなり不均等に変化しています。つまり弦のど真ん中に当たるように設定しておいたのも全て同様にズレています。
問題なのは、弦の溝(型)が深くつかない内にリセットしないといけないということです。

ズレた状態で溝がつくとハンマーを削って修正しないといけないので、新品且つ新しい環境に設置した場合は、納品後に短い期間(年に数回)のメンテナンスをお薦めしています。これを怠ると、変化が大きい鍵盤やアクションをリセットするのに時間を要するだけでなく、ずれた状態で癖(型)がついたものを削って(つまり部品の寿命を短くする)修正しないといけないということです。

ひどく変化する前にメンテナンス(整調・調律・整音の3点セット)でリセット。これをこまめに何度か繰り返していった場合は3年もすれば部品の変化が大体落ち着いてきます。もちろん空調管理(温度・湿度)をされていればもっと早く落ち着いてきますが。

 

 

 

 

鍵盤下の掃除です。
赤いクッションの上に木屑が乗っています。

 

このように赤いクッションの上に鍵盤が乗るので木屑や髪の毛等があれば、その厚みで鍵盤の高さが変わってきます。

 

ちなみに髪の毛の太さは大体0.06mm~0.1mmといわれていますが、ピアノの鍵盤の高さを調整する紙の厚みは一番薄いもので0.02mmを使用しています。ですので髪の毛のような厚いものが挟まっていると鍵盤の高さが大きく変わるので調整に入る前に最初に掃除をして髪の毛や埃、木屑等を除去するわけです。

 

 

 

掃除が終わったら金属のピンの汚れやサビのチェックをして必要あれば磨きます。今回は錆びにくいようにマックルーブという薬品でコーティングしておいたのでピカピカの状態でした。

そして鍵盤がスムーズに動くように調整。

 

 

 

アクションの裏側のバットプレートのネジの増し締めをします。ここが緩んでいると何度やってもハンマーの間隔が定まりません。

 

 

 

これでハンマーの間隔とポジションをリセットしました。

 

 

鍵盤の奥についているキャプスタンスクリューを上下させてジャックという部品の高さを揃えます。

 

 

 

 

鍵盤の高さもリセット。

 

 

鍵盤の深さ(沈む量)もそれぞれが同じになるようにリセット。

 

 

ハンマー接近調整も微調整でリセット。

 

 

 

打弦後のハンマーストップ位置もそれぞれ均等な位置になるようリセット。

 

 

 

調律もかなり下がっていたので2回の調律(1回目は下律といって20分位で近いところまで弦を引っ張り上げ、2回目の仕上げ調律をしやすくします)で49A=442Hzにリセット。

 

 

数鍵モコモコした音があったので弦との噛み合わせ調整でリセットしました。

 

 

【今回の作業内容】

・鍵盤下掃除
・フロントバランスホール調整
・バットプレートネジ増し締め
・弦合わせ調整
・ジャック高さ調整(ロストモーション)
・鍵盤高さ調整
・鍵盤深さ調整
・ハンマー接近調整
・ハンマーストップ調整
・調律(49A=438Hz⇒442Hz)
・弦あたり調整

F様ありがとうございました。

 

 

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1台1台丁寧な調整を心がけています

三木 淳嗣(委託調律師)


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