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失敗から学ぶこと


ここ数年で多方面からピアノのメンテナンスのご依頼が増えてきて本当に有難い限りです。

毎日出来るだけ多くのピアノに触れることより、1台を丁寧に調整することの重要性をある方に教わったのが16〜7年前になります。
一見非効率的に見えますが、技術レベルも意識レベルも着実にアップしていくのを実感出来ますし、それと同時に客離れがほとんど無く、それどころか年々多方面からの新規客や相談メールが増えてきています。それだけアコースティックピアノに対して悩みをお持ちのピアノ愛好家の方が多いということです。




 

僕の場合、"調律師対ピアノ"より、ピアノの先にある演奏者、つまり"調律師対演奏者"だと考えていて、演奏者(使用者)がピアノに対して気になってるところにフォーカスして、まずはじっくりお話を聞くということを重要視しています。その理由は、まだ駆け出しの20代の頃にたくさん失敗してきたからです。

一見マイナスのように見える"気にし過ぎな性格"が逆に役に立ち(笑)反省する機会をたくさん与えてくれました。
失敗を失敗で終わりにせず、成功に方向転換できるように自己分析もたくさんやってきました。

そして分かったことが一つ。それは、うまく説明ができていない、つまり相手を納得させれていない状態で終わっていたことです。自分の頭の中だけで解決して相手には伝わっていなかったということです。



 

この頃から相手の動作に着目するようになりました。ふとした瞬間に首を斜めに傾げる動作、これは疑問が残っている納得出来ていない時に起こる動作です。

そこでこの"説明する"ことを意識して、相手に言葉で分かりやすく伝えることを実践していきました。
その結果、明らかに相手の反応が変わりました。首を斜めに傾げる動作から小刻みに首を縦に振る動作と笑顔が増えてきました。これは納得している証拠です。

16〜7年前に出会ったある技術者の1台のピアノに丁寧に向き合う姿勢を学び、そして相手の話を聞いて気になっている要望に、出来る限り応えれるように丁寧な調整と、そして"説明をする"ように心掛けています。

 

1台1台丁寧な調整を心がけています

三木 淳嗣(委託調律師)


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