ピアノの性能を最大限引き出すために

Tuning & Maintenance

相性の良いピアノとの出会いのために

Choosing a piano

ピアノ日誌

Piano Diary

Home>ピアノ日誌

一戸建ての防音対策は二重サッシの隙間を10cm以上取るのがポイントです

一戸建ての防音対策は、音漏れに一番弱い窓ガラスを二重サッシにすること、それもサッシとサッシの間(窓ガラスと窓ガラスの間)を10㎝以上空けるのがポイントです。

ガラスとガラスの間を10㎝以上空けた防音窓

一戸建てで外部への防音を考えた場合、遮音壁として一番強いのが壁で、一番防音に弱いのが窓ガラスです。

しかし単に窓を二重サッシにしただけでは防音効果は半減で、少しコストがかかりますが、思い切ってサッシとサッシの間を10㎝以上空けると防音効果は倍増し、壁以上の防音効果が期待できます。

更に部屋のドアを二重ドアにすると家のなかでも他の部屋への音漏れなくなります。

二重ドアにした防音室


さらに換気扇も防音用の二重になったものすれば、一戸建ての防音対策はほぼ完成ですが、ほぼと云う意味は、これ以上の防音を考えると、家の防音壁としては最強である壁を強化する必要があるのでさらにコストがかかりますが、そうすれば音楽スタジオ並みの無音の防音室になります。

ピアノの防音対策

株式会社浜松ピアノ 代表取締役社長

植田 信五


マンションの防音対策は、階下への個体振動音を防ぐのがポイント

大坂のタワーマンションへの納入例
防音対策は写真のピアノ架台だけ、納入して既に数年経過していますが防音問題は発生していません。

音というとテレビの音や話し声をイメージしますが、これを空気伝播音と呼びます。それとは別に壁を金槌で叩いた時に出るような音を個体振動音と呼びますが、この二つに対して防音対策を考える必要があります。

マンション等の集合住宅の場合は、まずは空気伝播音に加えて階下に伝わる個体振動を遮断してやる必要がありますが、このピアノ架台は階下への個体振動音と空気伝播音対策として非常に有効ですが、お値段が約25万円ほどとやや高価です。
  
下記でご紹介する方法ある程度有効だと思いますが、いずれもピアノ自体を加工しないのでピアノには優しいと思います。
 
階下への個体振動音を防ぐためのゴムのインシレーターで、構造的にピアノのキャスターを床から少し浮かすように工夫されています。アップ・グランドとも約2万円程度

防音・防振マット 2万円前後

番外編ですが、厚手のオールカバーを使用する方法


これは偶然に発見したのですが、その昔、初めてショールームにスタインウェイを展示するにあたり、高価な売り物のピアノに傷がつかないように最高級の厚手のオールカバーをオーダーしてみました。

このオールカバーで鍵盤部分だけを開けてお客様に、さあ、スタインウェイをご試弾下さい!とやったところ音量が小さくなり過ぎて、試弾の意味がなくなりました。
 
しかし防音対策として考えた場合、この厚手のオールーカバーで、さらに譜面台をカバーの上に置いて弾くと、音量の小ささに少々欲求不満にはなりますが、確実に絶対音量は下がります。

但しこの厚手のオールカバーはオーダーメイドになりますので12万円程と少々高価になるのが欠点ですが、簡単、確実に音量は下がります。

ピアノの防音対策

株式会社浜松ピアノ 代表取締役社長

植田 信五


同じピアノでも、丁寧な調整で性能が大幅に向上します!

メーカーによる初めての丁寧な調整で評価が上がったシゲル・カワイ
SK-6 奥行き214㎝ ¥4.935.000-(税込) 弊社3Fにて 



いかなるピアノであれ丁寧な調整を行うと性能が大きく向上するということを弊社では常々申し上げていますが、これを大手メーカーとして初めてやったのがカワイ楽器のシゲル・カワイです。

評価されるまで少し時間はかかりましたが、やはり良く調整されたピアノは、少しでもピアノをお弾きになる方には良さがわかってもらえると我が意を得たと思っています。

マーケティング的にも上手くデビューしたシゲル・カワイですが、種を明かせば、今迄にやらなかったこと、つまりメーカーとして初めて丁寧な調整をして世に送り出したので成功したと云えます。

逆説的になりますが、仮にシゲル・カワイよりもっと丁寧な調整を行なえば、別にシゲル・カワイでなく安価なピアノでも性能的には同等かそれ以上の性能を発揮する可能性があるとも云えます。

たとえば同じカワイの竜洋工場で作られている上記のSK-6と同クラディアパソンのDR-500(奥行き211㎝)

シゲル・カワイの¥4.935.000-(税込) に対してディアパソンは¥3.240.000-ですが、ハンマーはドイツレンナー社の高級ハンマー、弦はこれもドイツ製のレスローワイヤーを使い、総1本張りに仕上げていますで、ある意味シゲル・カワイより高級とも云えます。 
弊社3Fにて

ちなみに同じクラスのスタインウェイならB-211 
奥行き211㎝で価格は¥14.580.000-(税込)
弊社3Fにて
 

ファツィオリならF212 奥行き212㎝ 価格は¥1.414.800-(税込)


ペトロフではP210Pasat 奥行き210㎝ 価格は¥6.264.000-(税込)
弊社3Fにて


210㎝クラスのグランドは、一般的にプライベートホールや家庭用では一番大きなピアノとされていますが、これより大きなピアノは、セミ・コンサート、フルコンサート(奥行き270㎝)と呼ばれます。
 
210㎝クラスでお値段を比較すると、高価な方からスタインウェイB-211 ¥14.580.000-(税込)、ファツィオリF212¥1.414.800-(税込)、ペトロフ P210Pasat ¥6.264.000-(税込)シゲル・カワイSK-6 奥行き214㎝ ¥4.935.000-(税込)、DR-500(奥行き211㎝)¥3.240.000-(税込)という価格になります。

ブランド力の違いもありこれだけの価格差がありますが、また個々のピアノが持つ個性や魅力の違いもありますが、丁寧に調整を施すと性能的には、いずれのピアノも魅力的なピアノに仕上がり、少なくとも価格差ほどの性能の差はないと私は考えています。

ピアノの選び方とその問題点

株式会社浜松ピアノ 代表取締役社長

植田 信五


ピアノ日誌Piano Diary


不要・中古ピアノ買取
ピアノ聴き比べ