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ペダリング

今度のリレーコンサートで弾く曲、ラフマニノフ/プレリュードOp.32-12




まずは弾く前にひたすら聴きます。ただただ聴くしかないのですが、私にはこれが一番合っているみたいです。
曲のイメージをつかむために、同じ小節を何度も何度もリピートしてしつこいくらい聴きます。
そんな時に多分私の隣にいたら、
 
「え、また?いったい何回同じところ聴けば気が済むの?もうついていけない」
 
きっとこう思うでしょう(笑)
 
今回はこの曲を弾いているピアニストのCDをかき集め、9名の中から一番自分にしっくりくるのを選び、最終的に決まったのが松本和将さんでした。
毎回曲によって選ぶピアニストが違い、以前練習したショパンのソナタ3番はラファウ・ブレハッチとユンディ・リがお気に入りでした。
これもまたしつこいくらい聴きました。
耳を澄ませて細かい音に意識を向け何度も何度も聴くと、2~3小説聴いただけでどちらが弾いてるか聴き分けれるくらいになりました(笑)
 
それとピアノ弾かれる方は分かると思いますが、ペダル(ダンパー)の踏むタイミングや量が違うとかなり濁ったりまたはプツンと切れたりします。
 
私の理想は、指で繋げれるところはペダルを減らして出来るだけ指で繋げて、ペダルが必要なところは、最小限に踏んで濁らないようにタイミングと踏み込み量を調整して・・・
 
そのためにはよく自分の音を聴かないといけないわけですが・・・
あ、あくまでも理想ですが。
 

 
濁らない音・・・自分の音をよく聴いてペダルの踏むタイミングと量を決めて練習。
それと、も一つ重要なのが、調律です。調律が合ってないとどれだけ上手く弾いても和音が濁ってしまいます。
オクターブや5度を弾いた時に濁ると私はガクッとなりますがみなさんはどうでしょうか。
理想と現実・・・いやいや、
「理想現実」になるように意識して練習あるのみですかね~
 

1台1台丁寧な調整を心がけています

三木 淳嗣(委託調律師)


香川トヨペットで演奏会

四国最終日は香川トヨペット香西店へおじゃましました。

え?トヨペットって車?

と思っている方もいらっしゃるかと思いますが、実はこのショールームには素晴らしいピアノがあるのです。

 

 


このピアノはFAZIOLI (ファツィオリ)F212です。

全国に一台しかない大変貴重なピアノです。しかもピアノの裏には製作に関わった技術者全員のサインが入っています。

本日19時にこちらのショールームで石井彰さんによるジャズトリオコンサート(ファツィオリを使っての香川初のジャズライブ)が行われるため、その事前メンテナンスに来ました。

 

 


 

まずはお決まりの鍵盤調整 です。




 

それからアクションメカニックのジャック調整








 こちらはハンマー接近調整といって、このようにライトを使って弦とハンマーの距離を測っていますが、かなり広くなっていたため、輪郭がないぼんやりした音になっていました。まだ新品だから変化が多いということ、季節も変わって湿度変化もあったということもあり、適切な量に調整すると、かなりいい音になってきました。





外に出してハンマーストップ調整。

このようなアクション調整の動画シーンを只今作成中(昨日も深夜まで編集していました)ですので完成したらご紹介します。






 

こちらはオーナーの灘波社長です。実は灘波さんは今日のコンサートの前座で演奏することになっていて少し緊張されていました(笑)

私は午後からは岡山へ戻りますが、きっと素敵なコンサートになると思います。また前座の灘波さんの演奏とアレにご注目を(笑)




 
こちらのショールームでは毎月第2水曜日14時~15時にピアニストの市原珠美さんにより定期演奏会を行っていますので、生演奏で癒されたい方は、ぜひ香川トヨペット香西店へ足をお運びくださいませ。

 

1台1台丁寧な調整を心がけています

三木 淳嗣(委託調律師)


四国2日目のチンチラリン

四国2日目、午前中は香川県多度津町M様宅へおじゃましました。




ピアノはボストンGP178、ピアノ好きな奥様が趣味で弾かれています。







まずは掃除をして鍵盤調整です。







こちらはアクションメカニックのジャックという部品の高さを指でなぞってチェックしています。この部品が適正な位置より高いと、連打がでにくくなるのでよ~チェックです。







こちらは弦を叩くハンマーが、3本の弦に同時に当たっているかをチェックする弦当たり調整(3弦合わせ調整)です。早く当たっているところはヤスリでハンマーを削ります。

これは例えていうと、3人のヴォーカルが、せ~ので歌い始めた時に、出だしの音が誰もフライングせずにピタッと合ったようなそんな感じでしょうか。ピアノも3本の弦に同時に当たると、とても綺麗な音が出ますし、この調整をしないと音色は揃わないというわけです。









作業途中の休憩でM様との雑談中にふと横を見ると・・・












ミロンちゃん(チンチラ11歳です)


私といえば猫好きとして巷・・・いや身内では有名ですが、やはり猫にもそれが分かるようです。猫嫌いな人には威嚇をするそうですが、私には気持ちよさそうな表情でどこでも触らせてくます。




そんなお利口なミロンちゃんには、このブログの最後を華やかに締めてもらいましょう。















午後からは丸亀市のM様宅へおじゃましました。




ピアノはヤマハNo.U1で、奥様が弾かれます。
M様宅へは今年で3度目の訪問です。ピアノの調整の重要性をご理解いただき、全行程(整調・調律・整音)を実施するために私の四国の便に便乗していただき、本日3回目の最終調整というわけです。


前回はハンマーの整形や位置決め、弦との噛み合わせ調整(弦当たり調整)を行ったので、今日は鍵盤高さや深さの調整、残りのアクション調整を行いました。




鍵盤高さのBefore&Afterです。












そして鍵盤深さの調整です。



ところで、「ピアノって調律だけすればいいのだと思ってた」という声をよく耳にします。




実はそれだけでは不十分なんです。
そもそもピアノという楽器は、弦楽器でもあり打楽器でもあります。弦楽器の場合はチューニング(調律)だけでいいかもしれませんが、ピアノは打楽器のアクションメカニックの調整でピアノの性能が決まるといっても過言ではありません。

例えば、コンサートホールのピアノは毎年年に一度丸2日間(16時間)かけてピアノを正常な状態に戻しています(保守点検といいます)。
約1時間は調律を行い、残りの15時間はアクションメカニックの調整やダンパー調整、整音を行います。
ピアノの調整はたくさんの作業がありまして、その作業は単独で成り立っているわけではなく、それぞれの調整と関連していますので、その全ての作業が最適な状態になった時に初めてピアノが持っている性能が最大限に発揮されるというわけなんです。

ピアノはとても厄介な楽器ですが、性能を重視される方(タッチや音を大切にお考えの方)はぜひ整調(鍵盤・アクションメカニック・ダンパーの調整)や整音(ハンマーの弾力調整)をおすすめします。



本日のお客様、多度津町のM様、丸亀市のM様、お世話になりありがとうございました。



ではでは、最後にミロンちゃんに締めてもらいましょう。





Before






     ↓ ↓ ↓
















After



1台1台丁寧な調整を心がけています

三木 淳嗣(委託調律師)


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