[ ]ピアノは魅力的な楽器ですが、管理が厄介な楽器でもあります
楽器にチューニングは必要ですが、ピアノの調律は調律師に依頼する必要があるので厄介だと一般的に理解されていると思います。
しかしそれ以上に厄介なのは、楽器は普通、弓やバチ、指で直接音を出すのと違い、ピアノだけは鍵盤からアクションメカニズムを通して打鍵する楽器という楽器ということが忘れられてほとんど無視されています。
言われてみれば当たり前のことですが、この当たり前のことがメーカー幹部さえもあまり理解されているように思えません。
私の知る限りヤマハやカワイ、老舗のスタインウェイの今の経営幹部ですから良く理解していないと思われます。
高級ピアノは優れた設計で良い素材を使い、丁寧な作り方をすれば高級(高額)ピアノという理解以上のものが見えてこないからです。
肝心なことは、ピアノという楽器は自然素材の木やフェルトを主体とした複雑にリンクしたメカニズを使い鍵盤を通じてリモートコントロールで打弦する楽器なので、人の手でこの自然素材のメカニズムの歪みや伸縮を修正してから丁寧な擦り合わせ調整をしてやらないと、真の高級ピアノにならないという事実です。
ピアノは自然素材が複雑にリンクしたメカニズムで打弦する特異な楽器です
アップライトの鍵盤、アクション、ダンパー
グランドピアノの鍵盤、アクション、ダンパー
たとえばスタインウェイの場合、さすがにハンブルグ工場出荷時にはこれらの調整ができていますので、航空便で日本に輸入すればほとんど完璧です。
しかし船便で赤道を2回通過して上海の保税倉庫に入荷、そこからまた船便で日本に入荷するので、その間に必ず部材の歪みや伸縮が発生しますので、本来なら日本に入荷後に一通りの出荷調整(約3日間)が必要ですが、今では3日間のものが5時間に制限されているようです。
このことを理解すれば、逆に高級ピアノでなく普通のピアノであっても、販売店で時間をかけて丁寧にメカニズムの調整を行えば、それなりの高級ピアノ、つまり演奏者の期待に応えてくれるピアノになるということも言えます。
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