[ ]ピアノのハンマーについての雑学
弦を叩いて音を鳴らすハンマーは音質に関わる大切な部品。
ウッドに巻かれたフェルトの硬さによって、音やタッチの質感までもが変わるのですが、一般ユーザーにはあまりハンマーの重要性が認識されていません。
カンカンと派手な音、まろやかな音、こうした音質の違いは実はハンマーフェルトが“硬い”か“柔らかいか”によるものなのです。
ヨーロッパ製の代表格は独レンナー社。スタインウェイをはじめ一流ピアノメーカーが採用している老舗ブランドです。他にはアベル(独)、ロイヤルジョージ(英)も有名ですね。
一方、ヤマハ、カワイなど工業力があるメーカーはハンマーも自社生産する傾向にあります。
左から スタインウェイ ヤマハ カワイ
左から レンナー アベル ロイヤルジョージ
88個全てのフェルトに対して針刺し、ファイリング(整形作業)を実施。まずは発音の土台作り。
ピアノを弾き込んでいくとハンマーに弦の溝がついてくるので、この弦溝をなくすためにハンマーを削ってファイリング(整形作業)をして、この作業を繰り返していきますので段々ハンマーの肉厚が薄くなっていきます。
最近は古く良く使われた中古ピアノが多くなっていて、消耗部品のハンマーを新品に交換することも多くなりました。
部品代そのものは大した金額ではないのですが、相当な手間がかかりますのでハンマー交換には20万円以上の費用がかかります。
ですからハンマー交換に際しては、手間賃は変わらないのでどうせなら最高級品と交換することが多くなります。
本題はここからなんですが
先日、弊社が中古ピアノのオーバーホールを依頼している浜松の70代の職人さんと、ヤマハの中古ピアノのハンマーを交換するか?否かというと中での話です。
浜松の職人さん曰く、「ヤマハのハンマーは新品の時は好いんだけれど、ファイリング(削る)すると一気に音色の線が細くなるダニ、最初からそんな風に作ってあるんだろうね」
私「そうなんですか」この職人さんのお奨め交換用のハンマーは、ドイツ製のアベルですが、ドイツのレンナーやアベルのハンマーは、ハンマーを削っていっても最後まで性能が劣化せずに使いきることが出来そうです。
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