[ ]出荷調整、納入調整の意味
◎出荷調整
納品前にピアノをメーカーまたは販売店で整調・調律・整音の一通りの作業を行うことでプレップアップとも呼ばれます。
●メリット
全てのメカニズムの動的精度を高めることで、いかなるピアノであれ(メーカー、新品、中古を問わず)タッチと音色、響きが30%以上は向上するので、弾いて気持ちが良いピアノに仕上がりますが、高級ピアノほどその違いが明確に出ます。
●デメリット
メーカーから倉庫に梱包されて入荷したピアノを移動、開梱・組み立てして、作業時間を3日間をかけ、再び再梱包するので販売店のコスト負担が大きくなる。
弊社では?
現実には日常業務もあり連続して3日の作業時間をかけるは難しいので、店頭で調律師の空き時間を利用して出荷調整(写真は鍵盤調整シーン)を行うので出荷調整には1週間ほどかかります。
全ての鍵盤の高さと深さを一律にし鍵盤がスムースに動くように鍵盤調整を行いますが、この鍵盤調整だけで1日近い作業時間が必要です。
ちなみにメーカーでは1千万円クラスの高額ピアノしか本来の出荷調整(3日間)は行わず、ヤマハのCクラスで2時間半、プレミアムクラスでも8時間、ディアパソンで8時間に制限されておりあきらかに調整不足です。(筆者調べ)
出荷調整(プレップアップ)の効果は、輸入ピアノや高級ピアノほど効果が顕著に出るのが特徴です。
◎納入調整
出荷調整が完了して納品したピアノを、演奏者の好みのタッチに合わせた整調を施した後、調律してから、さらに部屋の音響を考慮しながら、演奏者の好みの音色の粒に揃えるように整音をするので、演奏者にジャストフィットしたピアノに仕上がるのでピアノはイージーオーダーの楽器と云えます。
約半日の作業時間が必要 (香川県高松のユーザー様)
弊社の半日かける定期メンテナンス風景(高知市、お客様宅にて)
最初に丁寧な出荷調整を行っており、引き続き定期メンナンスでも簡単な整調・調律・整音をセットで行なうので快適なタッチ、音色、響きを維持できます。
通常の定期調律は?
多くのメンテナンスは調律だけなので作業時間は1時間少々で、調律師の1日の訪問件数は3軒が基本ですが、出荷調整も省かれ調律だけなので納入時から弾き難くいが、経年劣化で、ますます音もタッチも劣化してくる。