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目で見るヨーロッパのピアノと国産ピアノの違い№3

純ヨーロッパ製の支柱
写真はペトロフピアノの支柱



無垢の支柱が使われています。


国産ピアノの支柱


積層材が使われている国産ピアノ
写真はカワイピアノ

ドイツの老舗ブランド、フォイリッヒGPの支柱(現在は中国で委託生産)

ヤマハグランドピアノの支柱



支柱は音とは直接関係ないとも考えられますし、無垢材より積層材にした方が強度的に優れているように思われますが、楽器として考えた場合は情緒的にも無垢材の方が少なくとも人に優しいように思います。

ペトロフピアノの響板に貼られたハンドメードのシール


ピアノ(クラシック楽器)は、基本構造自体は何処のメーカーのピアノも同じですので、後はできるだけ適材適所に良質の木材を使用し、時間をかけて自然乾燥させた木材を使い、デリーケートな部分(ハンマーの整音や巻き線等)は機械化せず技術者の手で丁寧に仕上げると魅力的な音色のピアノが出来上がります。

最終的に調律師が時間をかけて、整調・調律・整音してやると魅力的な響きを持ったピアノになります。

結果として国産ピアノは比較的安価で、安定した品質を持つピアノとして世界から高く評価されていますが、合理化した分、楽器としての魅力は少なくなるように思いますが、これは良い悪いでなくピアノに対する価値観の違いのように思います。

 
知っておきたい生産国表示の業界ルール



 
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株式会社浜松ピアノ 代表取締役社長

植田 信五


みんな知らない調律の実態

お宅の調律代はお幾らですか?というお問合せを多く頂きます。

調律とは?

調律シーン 

調律は、本来は整調・調律・整音がセットになった作業なのですが、長い間、日本では調律(調弦)だけしか行わなかったので、ピアノの調律と云えば上記の写真をイメージされると思います。

 生 ピアノは電子ピアノと違い、内部に木やフェルトと云った自然素材を多用した複雑な構造を持っていますので、それらは伸縮や歪みが必ず出ますので、それを納入前に販売店で整調(歪み等の修正)で最適化することが必要不可欠で定期のメンテナンス時も同様です。

その内部の歪みを技術者の手で最適化してやると、いかなるピアノ(高額、安価、新品、中古品)であれ、個々のピアノの持てる本来の性能を発揮し、その上で整音(ハンマーの形を整え好みの音色に揃える)を施すと、自分の好みのタッチと音色に近づけることができます。

このような生ピアノならではの特性を、ぜひご理解いただければと切望しています。 

整調とは?

整調作業というものは必要性が分かりづらく、しかも新品ピアノでも一通りの作業で手慣れた技術者でも2~3日間かかりますので、そのぶん販売店側のコストもかかりますが、快適なピアノを求めると省くことができない重要な作業です。

下記の写真は整調のほんの一部ですが、写真以外にたくさんの調整項目があり、ひとつ一つの作業を、手抜きせずに順番に行うことがポイントです。

先ずは、全ての土台である棚板と鍵盤の無駄な隙間をベティング・スクリューで最適することことで、打弦時の力のロスをなくします。

グランドピアノは毎回のメンテナンスでも必ず必要な作業です



鍵盤を支えるピンを磨き、ピアノの配列を正しく整える(鍵盤調整)





ジャックの高さ調整


ジャックの前後調整


ダンパー調整


バックチェック合わせ調整

 
 
ハンマーの接近調整

 

ご紹介したのは整調作業のほんの一部ですが、このような細かく地味な作業の連続ですが、この地味な作業の詰み重ねの結果、初めてタッチも音色の粒も揃った快適なピアノに仕上がります。
 
上記の整調が全て完了してから、初めて調律を施します。


整調と調律が完了してから、初めて下記の整音を行ない、お好みの音色に音色の粒を揃えて行きますます。

整音とは

全て作業が終了後、最後に音色の粒を揃える整音作業で仕上がります。

 

弦当たり調整

 

ハンマーの弾力調整(整音)
 

これらの作業(整調・調律・整音)の順番も極めて重要です。

以上は出荷調整(納品前に販売店が行う2~3日の作業)のシーンの一部ですが、納入後のメンテナンスも、半日をかけで同様の微調整が必要です。

新品のピアノは3日間(中古品は倍)の出荷前調整が必要です。

このような工程を経て初めて、手放せないほど自分好みの魅力的なピアノになります。

ピアノの調律とメンテナンスについての詳しい解説

石川県から調整のためにお預かりしたピアノ


 
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株式会社浜松ピアノ 代表取締役社長

植田 信五


ペトロフの故郷、チェコの フラデツ・クラーロヴェーのご紹介

チェコと云えばプラハが有名ですが、ペトロフピアノの本社工場のあるのは、プラハから東に140㎞ほど行ったフラデツ・クラーロヴェーという人口が10万人に満たないチェコでも8番目位の小さな街にあります。

筆者が訪れたのは3月で残雪がありますが後ろにあるのがペトロフピアノの本社工場ですが、他のヨーロッパメーカーの廃業や縮小で、ペトロフ社は今やヨーロッパ最大のメーカー(台数)になっています。



クラーロヴェーの中心部


クラーロヴェーの中心部

街を走るトロリーバス


筆者が宿泊した朝食付き1泊5千円のホテル

2016年度版、世界で働きたい国で何とチェコは4番目(日本は20位)になっていましたが、街は綺麗で治安も良く、物価も安く、人件費もドイツの半分位ですが住みやすいようで4番目に選ばれた理由がわかるよう気がします。

ところでこのあたりになると、英語はほとんど通じずチェコ語ですが、買い物等は私のカタカナ英語で何とか通じます。

このようにクラーロヴェーは安くて良質な労働者に恵まれた街ですが、この街の代表的な産業がペトロフピアノです。

ペトロフピアノを購入されたお客様の声

お薦めブランド ペトロフ


 
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植田 信五


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