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ピアノのタッチが変? 簡単セルフチェック №5

みんなのピアノ選びから抜粋

鍵盤の深さチェック 

鍵盤の高さが揃っていたら、鍵盤の深さになります。
「鍵盤を押し下げて底に沈むまでの量」ですね。
浅めの設定だと小回りが利くタッチのように感じますが、音の力強さが損なわれます。逆に深めの場合は、音にパワーをもたらす一方、弾き応えも増すので、中には重い硬いと思ってしまう人もいます。
鍵盤ごとに極端な深さのムラがあれば、当然演奏も難しくなります。

この鍵盤の深さの基準寸法は、各メーカー共通してほぼ10mm。
ピアノの状態やお客様の好みによって深さを加減することもありますが、大切なポイントは「一律に揃っていること」で

定規を当てて深さをチェック。隣の白鍵を基準に上面をなぞって深いか浅いかを判断します。


深さの確認は、専用定規(あがき定規)を白鍵に押し当てながら行うのですが、一般ユーザーでも出来るチェックをご紹介。“底ざらい”とも呼ばれ、調律師が深さの均一性を最終確認する方法です。

白鍵の底ざらいで“深さの凸凹”を再度チェック。指先は微妙な段差を感じ取ってくれます。


まず白鍵を4つ(または3つ)各指の力が均等になるよう意識しながら底まで押し下げます。(このときギューと押しつけ過ぎないこと!)
そしてもう片方の手の指で白鍵の上面を横になぞってみて下さい。
深さが不揃いであれば鍵盤の境で指先に凸凹を感じるはずです。

慣れるまでは指によって力の差が生まれるので、ひとつ隣の鍵盤にずらして別の指に替えて再確認してみると良いですよ。

黒鍵の深さについては、沈めた状態で2mmほど頭が見えていれば(高さ12mm-深さ10mm)、ここではOKとしましょう。
(実際には調律師は別の方法で深さを確認して調整しています)

沈めた状態で黒鍵の先端がおよそ2mm見えていれば良し。(本当はもっと緻密に測定します)


今回ご紹介した“底ざらい”は、隣り合った白鍵の凸凹を探す方法。
例えば、すべて11ミリの深さで均一であったり、低音にいくに連れて少しずつ深くなっていたり…、そうした状態を見抜くためには、やはり専用定規が必要であり、調律師でなければ判断は難しいです。
鍵盤の高さ同様、深さも次第に変化します。極端な凸凹を発見したら調律師にこう依頼しましょう。

鍵盤の高さ同様、深さも1鍵ずつパンチングペーパー(ドーナツ状の紙)を出し入れして調整。


「鍵盤の深さ(鍵盤あがき)を調整してください」

みんなのピアノ選び

お薦めブランド  ペトロフ

 

株式会社浜松ピアノ 代表取締役社長

植田 信五


ピアノのタッチが変? 簡単セルフチェック №4

みんなのピアノ選びから抜粋

鍵盤の高さチェック
さて、次は鍵盤の高さです。
当たり前ですが均一に揃っていることが弾きやすいピアノの条件。
技術者は専用の定規を当てながら高さを確認しますが、実は一般の方でも一目で白鍵の凹凸を見破る方法があるのです!
といっても極めて単純、かがんだ体勢で鍵盤レベルに目線を合わせて右上の画像のようなアングルで眺めるだけ。簡単ですよね(笑)

高音から低音を見渡すアングル。白い境界線が均一なら良し。低音側からも確認しましょう。

 
白鍵の高さに段差があるときは境界線の太さにバラツキが生じます。逆にきれいに揃っていたら境界線は均一に。右の場合は中音付近にほんの僅かながら高い鍵盤が…。お分かりになりますか?

白鍵上面から12~13mmが基準。もちろん数値を決めたら同じ高さで揃えなければなりません。
 

黒鍵の高さは各メーカーとも白鍵から12~13mmに設計しています。
このチェックばかりは定規が必要となりますが、黒鍵は白鍵のように並列していないので、多少の誤差なら気にならない方が大半?!

こうした鍵盤の凹凸を直すために、調律師は鍵盤下に色々な厚さのパンチングペーパー(ドーナツ状の紙)を出し入れして調整します。
薄いペーパーは0.03mmから。これまた根気が要る作業です(^^;

鍵盤下の掃除ついでに高さも調整。僅かな紙の厚みで鍵盤のレベルが大きく変わります。


鍵盤を乗せるクッションや土台となる木材(鍵盤筬)が温湿度の影響で膨張・収縮すれば、当然ながら鍵盤の高さも徐々に崩れてきます。
あまりに凹凸している鍵盤は調律師に一度お願いしてみましょう!
「鍵盤の高さ(鍵盤ならし)を調整してください」

みんなのピアノ選び

お薦めブランド ペトロフ

株式会社浜松ピアノ 代表取締役社長

植田 信五


ピアノのタッチが変?簡単セルフチェック №2

みんなのピアノ選びより抜粋

ダンパー掛かりのチェック
弦の上にある黒い物体が音を止めるダンパー、弦の下にある白い物体が音を鳴らすハンマー

ダンパーという装置をご存知でしょうか?弦を叩いて音を鳴らすのがハンマー、その弦の振動を押さえて止音するのがダンパーの役割なのですが、実はピアノの弾き心地にも密接に関わっています
※最高音から20鍵位低い音までにはダンパーはないので注意。
高音は弦長が短いため音の減衰が早いという理由からです。

はじめにダンパーの存在を確認してみましょう。
ひとつ鍵盤を押さえて音を鳴らして下さい。底から少しずつ鍵盤を元の高さまで戻していくと途中で音が消えるポイントがあります。そこがダンパーと弦が接触する位置ですので良く覚えていて下さい。

ダンパーの掛かりが半分の状態。左隣は底に達した鍵盤。
 

では次に通常の状態から鍵盤を慎重に押し下げてみましょう。先程のポイント付近で指先に抵抗を感じませんか?この引っかかる感触こそダンパーの重量が鍵盤に加わる位置、ダンパーの掛かりです。

この「掛かり」のタイミングですが、ピアノによって多少の差はあるものの鍵盤の深さに対しておよそ半分まで変更が可能です。各鍵盤を確認して直ぐに抵抗感がある場合は調整で弾き心地が軽くなります。重くしたいときは掛かりを早めて弾き応えを増すことも出来ます。

調律師はハンマーの頂点から弦までの距離を判断して調整します。メーカーによっては工場でハンマーの側面に目安の印をつける場合も。


弾き心地が気になる方は是非ダンパーもチェックしてみましょう!

※ダンパーの掛かりをリセットする際、調律師は右ペダルの効きを揃える緻密な作業も併せて必要となります。依頼されるときは念のため作業時間と料金について事前に調律師に訊いてみましょう。

みんなのピアノ選び

お薦めブランド ペトロフ

株式会社浜松ピアノ 代表取締役社長

植田 信五


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