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日本製と欧米製の違いについて 欧米製ピアノの特徴

みんなのピアノ選びから抜粋

欧米製ピアノの特徴

欧米の有名メーカーでは、長い年月をかけて木材を自然乾燥させてから楽器造りに着手しています。そうした工程の違いでしょうか響板の発する音が非常に敏感、より立体的な響きが楽しめます。
その厳選された木の熟成した響きは、弾き手・聴き手に至福の時間と限りなく豊富な音のパレットを提供してくれるはずです。

デメリットは、なんといっても価格が高額であること。
欧米製グランドピアノは、数百万円からのラインアップになります。
また日本製と比べると、仕上げが少々アバウトで気になるときも…。
部品の精度が不揃いのためスムーズに調整できないときは、やはり外国製だなぁと痛感しますし、工場の出荷調整がお粗末なメーカーもあるので、現場の調律師が多々苦労している話をよく聞きます。






 しかし調律・調整が中途半端な状態では、たとえどんなに素晴らしい名器といえど本来の性能は半減します。手間をかけて丁寧にメンテナンスしたとき、ポテンシャルの高いピアノは持っている魅力が格段にアップするので、調律師自身もビックリすることがあります。調整した結果、お客様にご満足して頂けたときは仕事冥利に尽きますね。
良質な欧米製ピアノは扱いがデリケートですが、ユーザーと調律師、双方にとって腕の振るい甲斐のある、まさに楽器と言えるでしょう。

~圧倒的な音量でホールを支配するスタインウェイ
~あたたかい木の響きを奏でるベーゼンドルファー
~透明感あるピュアな音色が魅力のベヒシュタイン
~芳醇な音響で次世代のピアノを担うファツィオリ

結論としては

もちろん、以上に挙げたそれぞれの特徴については、あくまで一般論です。
細部まで丁寧に仕上げている欧米メーカーがあれば、残念ながら粗悪な日本製ピアノも存在します。
こんな質の悪い外国製だったら、国産メーカーの方が遥かに優れている!と感じるときもあります。

ついついピアノの品質と製造元のお国柄を連想してしまいがちですが、単純に型にはめて考えるのはNG!
いわば「日本人だから皆~だろう」とか「ドイツ人ならば~に違いない」と先入観で人を判断するようなものです。
○○製と表示されていても、必ずしも楽器の品質を保証するものではないのでご注意下さい。

☆POINT
「まず優先すべきは、そのピアノが“どこで製造されたか”ではなく、“どのような音がするのか”。
 日本製、欧米製、それぞれの音の違いを実際に体感してみましょう」

1000万円のご予算でお考えの方は、悔いのないよう試弾しておくべきピアノブランドになります。ぜひ音の“個性”を肌で感じて下さい!

みんなのピアノ選び

お薦めブランド ファツィオリ

 

株式会社浜松ピアノ 代表取締役社長

植田 信五


日本製と欧米製の違いについて 日本製ピアノの特徴

みんなのピアノ選びから抜粋

日本製ピアノの特徴

日本のトップメーカーの生産するピアノは、相対的に工業的な面(部品の加工技術や寸法的な精度)において、非常に優れているように感じます。
世界の各メーカーをみても高い水準にあることは間違いありません。



88鍵のタッチを均一に弾きやすく仕上げるためには、アクションや鍵盤等の各部品にゼロコンマ単位での精度が要求されます。
その点、より正確に造られている日本製ピアノは調整しやすく、鍵盤のタッチ感が比較的きれいに揃えられるので、多くの調律師が作業に助けられているのではないでしょうか。



ただピアノの奥が深いところは、いくら精度が完璧であっても、楽器の魅力はまた別であること。
日本のメーカーは良くも悪くも工業品として製造するためでしょうか、音の響きがやや平面的な印象を受けることがあります。



この理由としては、楽器の要である響板を人工的に乾燥させて短期間で生産する工程が、ピアノの響きに少なからず影響を与えているように思います。もっとも、そのハイテク技術のおかげで、ピアノの大量生産と一般家庭でも手の届きやすい低価格が実現可能となっている訳ですが…。



何はともあれ、性能と価格のバランス、つまりコスト・パフォーマンスを考えるならば、日本製ピアノは全般的に優秀と言って良いでしょう。

一定の品質基準のもと製造されていると言えど、そこは生の楽器。日本製であっても音やタッチには個体差が存在するのでご注意を。

みんなのピアノ選び
 
お薦めブランド ディアパソン

株式会社浜松ピアノ 代表取締役社長

植田 信五


ピアノのタッチが変? 簡単セルフチェック №6

みんなのピアノ選びから抜粋

アフタータッチのチェック ※グランドピアノのみ

いよいよアフタータッチのご紹介となりました。
これはグランドピアノだけに備わる便利な機能。トリル、連打、微弱音が欲しい場面でアップライト以上にデリケートな表現を可能にします。

では実際にアフタータッチを確かめてみましょう。
音を出さないよう鍵盤をゆっくり押し下げて下さい。底に達する1mmほど手前で何かトクンと引っ掛かって抜ける感触がありませんか?
それがアフタータッチになります。意識を指先に集中して下さいね。

白鍵アフタータッチの目安。グランドピアノならば少し鍵盤を戻すだけで再度同じ音を出せます。


アフタータッチの適量については、メーカーや機種の違い、調律師や弾き手の好みもあるので、私も説明に悩むところです。
極端に量が多いと、ドクン!と手ごたえが強いために、なんだか弾き心地もゴツゴツした感じになります。…トクッ…と量が少なすぎるのも、キーボードのようなコシがないタッチになってしまいます。
やはり言葉で表すなら、トクンくらいの上品な反応がベターですね。機会あれば店員に気付かれぬよう店のピアノで確かめましょう(笑)。

もちろんアフタータッチは白鍵も黒鍵も同じ感触であるのが理想的。
全ての鍵盤を均一なトクンに揃えるのも調律師の仕事になります。
この調整は、鍵盤の高さ、深さ、アクションの調整等、調律師が積み重ねた作業の言わば総決算。このような数々の過程を経て、ようやくピアノが工業製品から表現豊かな楽器へと生まれ変わる訳です。

黒鍵はこんな感じ。そう、実は先に述べた黒鍵深さはアフタータッチの感触で調整するのです


ご自身のピアノのアフタータッチをチェックして、きれいに揃っていたら調律師のメンテナンスとあなたのピアノ管理が順調であるという証!
バラツキがあれば、あなたの演奏もピアノもレベルアップする余地が残っているということ。うちのピアノは…などと諦めてはいけません。

グランドピアノのアクション模型


グランドピアノで練習している皆さん、もしアフタータッチが不揃いで、トリルや連打が弾きにくいと感じたならば調律師にこう告げましょう。「アフタータッチを調整してください」

みんなのピアノ選び

お薦めブランド ペトロフ

 

株式会社浜松ピアノ 代表取締役社長

植田 信五


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