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ピアノ庫

 

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今日はイベント前の事前メンテナンスで総社市のコンサートホールに来ています。
しかし残念ながらステージではなく、ピアノ庫で作業です。

「ピアノ庫」は、ピアノだけを保管する倉庫ですが、24時間空調で湿度温度を一定に
保つことにより、ピアノに使用されている部品(金属・木材・フェルト・クロス等)の
錆や変形を軽減する目的でピアノ庫が設置されています。

リハや本番でステージへと移動しますが、実はステージは空調管理が難しく、
おまけに照明器具(スポットライト)に照らされてピアノのフレームや
弦が熱くなり伸びるので、狂い(変化し)やすくなります。

ですのでステージで調律する際は、本番と同じ空調、そして照明器具も当てた
状態で1時間程馴染ませてから作業に入ります。これをやらないと本番の途中休憩で
手直しに出ていくハメになってしまいます。

これは一般家庭でも同じです。
調律の際は普段練習する時と同じ空調にし、冷房を入れるなら
ピアノの屋根を開けて1時間馴染ませてから調律です。

耳が肥えてる方なら分かると思いますが、冷房入れてピアノが冷えると
中低音の音が上がってきます。(冬の暖房はその逆で中低音が下がってきます)

ピアノは弾いて狂うより温度湿度の差で変化する方が多いので、空調管理は特に重要です。

 

1台1台丁寧な調整を心がけています

三木 淳嗣(委託調律師)


ピアノのネジのお話

 

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欧米のピアノのネジには、ポジ規格のネジ、いわゆる「ポジネジ」が使用されています。

ポジネジとは英国EIS社が特許を持つ締結ネジの一種です。通常のプラスネジは、
締結時にドライバー先端が浮き上がろうとする欠点があり、
その防止策として、更に溝を増やしたことにより、
ポジネジは浮き上がり防止力をアップさせたネジです。

 


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イギリス製の車やバイク、身近なところでは、パソコンのMAC、
スノーボードや輸入家具などにも使用されています。一見普通のプラスネジに見えますが、
よく見るとプラスの溝の間に線が入っています。これがポジネジです。

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ドライバーもポジドライバーという専用のものを使用します(写真左がポジドライバーです)。

通常のプラスドライバーを使用すると、溝には入るもののガタツキが多く
フィットせず、無理にやるとネジ穴がバカになってしまいますので注意が必要です。

しかしながらこのポジドライバーは、一部の工具専門店にしか取り扱われてなく、
寂しいことに最近のホームセンターではこのポジドライバーを見かけることがなくなってきました。


※写真はペトロフピアノ(チェコ製)の内部です。プラスネジとポジネジが使用されています。

 

 

 

1台1台丁寧な調整を心がけています

三木 淳嗣(委託調律師)


ペダルの雑音~アップライトピアノ編②~

 

ペダルをゆっくり踏み込むと、
「バリバリバリバリ・・・」と雑音がすることがあります。

ペダルがおかしいのでは?と思いがちですが、実はペダルの雑音の原因は、
ペダル本体が原因ではないことがあります。
それはペダルとアクションメカニックが連動しているからです。
つまりアクションメカニックが正常でないと、ペダルにも影響します。

今回のペダル雑音の原因は、ペダルに連動している
アクションメカニックが原因でした。



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ハンマーの下にある棒状(シャンクといいます)の間に隠れているのがダンパーブロックです。

拡大すると、

 

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ここにスプリングがあり、そのスプリングとそれがハマってある溝から雑音が出ていました。
部品が擦れる際に汚れやサビなどが原因で雑音が出ます。

 

 

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スプリングの頭を磨き、溝にマックルーブという薬品をつけ
コーティングしてあげて処置しました。
これでゆっくりペダルを踏み込んでも雑音がせず、
滑らかなペダル操作が可能になりました。



今回のペダルの雑音の原因は、ペダルに連動している
アクションメカニックが原因でしたが、
実はペダル本体でもアクションメカニックでもないことがあります。
意外なところにも連動しているのです。が、それはまたの機会にご紹介します。

 


 

 

1台1台丁寧な調整を心がけています

三木 淳嗣(委託調律師)


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