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ダンパー調整をご存じですか?

 

DIAPASON DR-300 Prime 特注品の出荷調整が終盤をむかえております。

鍵盤調整、アクション調整が終わり、今日は午後からダンパー調整にとりかかりました。







こちらがダンパーです。
ダンパーとは、弦の振動を止める役割で、右のペダル(ダンパーペダル)を踏むと、このダンパーが持ち上がり弦を開放してあげるので音が伸びるという仕組みです。

それでこのダンパーの調整はどのようにするかといいますと・・・

ざっくり言うと、全てのダンパーが同時に持ち上がり同時に弦の振動を止めるように調整するわけです・・・が、これが口で言うと簡単に聞こえるのですが、実はかなりピアノの調整の中でも難易度の高いものでして、具体的にはどういう所を見て、そしてどういう風に調整するかを是非この動画で見ていただけたらと思います。



まずは、ゆ~っくりとペダルを踏み込むとバラバラに上がるダンパーたちです。





これがバラバラに上がるということは、もちろんバラバラに降りてくるというわけで、その結果、ハーフペダルも効いたり効かなかったりと、もうグダグダになってしまいます。



この一つ一つのダンパーを伝言ゲームのように順番に隣に動きを写して(コピー)いくわけですが、そのシーンをこちらからご覧ください。
※チョークでチェックしたダンパーを左の動きと同じタイミングに合わせていきます。





これを一つずつ調整していき最終的には板一枚のように同時に持ち上がるようにします。





内部はこんな感じです。このネジを一旦緩めてタイミングを合わせ締め直すといった感じです。







かなり根気と器用さが求められる難しいダンパー調整なのです。




とりあえず終わったので、次は
調律(弦を引っ張り音の高さを合わせる調整)と
整音(弦を叩くハンマーフェルトの形状を整え、弦との噛み合わせや、必要箇所に針を刺して弾力を整え、全てのハンマーの硬さを揃える調整)です。




明後日仕上がり予定で、翌日西宮市へ納品です。

1台1台丁寧な調整を心がけています

三木 淳嗣(委託調律師)


何回目?



ここは岡山某大学のホールです。

明日は大学院入試で使用するとのことで今日は本番前日のメンテナンスをさせていただきましたが、毎回イベントごとにメンテナンスしていますのでだいたい年間で5、6回(毎回3~4時間)はお伺いさせていただいてます。

調律は非常に不安定なものですので、ヴァイオリンやギターなどの弦楽器のようにコンサートごとに毎回チューニング(調律)が必要です。
国際コンクールなどでは1人ずつ調律を挟みますし、レコーディングなどは1曲ずつ調律を挟むことも(笑)それくらい調律って不安定でデリケートなわけです。

またピアノは調律以外にも20項目以上調整する箇所があり、全ての調整をしないと本来の性能が発揮されませんので、ここ某大学では毎回調整内容が違い年間で全項目が出来るようにしています。

大きなコンサートホールでは実は年に一度丸2日間(16時間)かけて全体の調整(鍵盤調整・アクション調整・ダンパー調整・調律・整音)を行なっています。


 
 




ところでこんな感じで審査員が見るわけですね・・・

緊張するでしょうね。

受講生は頑張ってくださいませ~応援しています!



1台1台丁寧な調整を心がけています

三木 淳嗣(委託調律師)


DIAPASON特注品が入荷

 
先週末に店頭に入ってきました
新品DIAPASON(ディアパソン)
DR-300 Prime  象牙、黒檀仕様の特注品です。
色はウォルナット艶消しで、なんともしっとりと落ち着いた雰囲気です。
 
 

 

実はこのピアノ、残念ながらご試弾用ではなく、来月頭に兵庫県西宮市に納品予定のピアノです。

 

メーカーから直接納品ではなく、一度弊社で開梱して2日ほどかけてじっくりと出荷調整をしてお届けするわけです。

 

ここでいう出荷調整とは人間の歯で例えると、少ない力で物が噛みやすいように矯正をして噛み合わせをきちんと揃えるようなものです。ピカピカな歯(新品)でもきちんと噛めないと意味がないですからね。

 

今日から作業を開始しましたが、あいてる時間でちょこちょこ進めていきますので少し日数がかかりそうです。それで納品は来月頭というわけです。

 

一手間人手間じっくりやります!

 

 




話は変わってピアノ調律師が主人公の漫画「ピアノのムシ」4巻が出ていると聞いてさっそく読みました。

 



共感出来る話が多々ありますので、とても面白いですよ~まだという方は是非。

 

 

 

 


 
 

 

1台1台丁寧な調整を心がけています

三木 淳嗣(委託調律師)


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