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1967年製ヤマハU1を完全オーバーホール中です!

元々は黒色で足もストレート脚でしたが、黒の塗装を剥いで下地を出した上で、塗装の下に眠っていた本来の自然な木目を出しウォルナット艶消して脚も猫脚に改造、似合いのイタリア製の椅子を付けてみました。

1967年製ヤマハU1


外装は見ればわかりますが、問題は中身の消耗部品です。
弦はドイツのレスロー、低音域の巻線はデーゲンに張り替え、ハンマーもドイツの高級なアベル、チューニングピンも新品に交換しました。





消耗品の交換が完了後、丁寧に調整しましたので、いつもの田中先生に弾いてみてもらったところ、ソフトな音色にも関わらず良く鳴るピアノに仕上がり、隣に展示してあるシャンシャンといういつものヤマハとは別物の魅力的な音色に仕上がりました。

私見ではここまでやるともう十分ではと思いますが、完璧性?の弊社の三木君は、これから鍵盤の鉛調整をしてタッチ(重さ)を均一にするそうなので、完成までもう少し時間がかかるようです。

古いヤマハのアップライトでここまで手を入れたピアノは他にないと思います、その訳は、ここまで手を入れてもヤマハの中古ピアノということであればあまり高く売れないので、個人の思い出のピアノ以外は普通、ここまでやらないからです。

理論的には、古いピアノは古い弦楽器同様に木が固く強固になっているので楽器として新品より優れたものになりますが、弦楽器と違い構造が複雑なピアノは劣化した消耗品の交換に手間(コスト)がかかるので、スタインウェイのような高級ピアノでないと採算が取れないので普通はやりません。

ちなみに完成後の販売価格は本体とイタリア製の椅子、木製インシュレーター等の付属一式、税込で約80万円を予定しています。

それを普及品のヤマハのU1(高さ121㎝)でやったわけですが、ここまでやると上記の理論を証明することができるという意味で意義あるように思いますが、ぜひピアノ愛好家の方は話のタネに、ぜひご試弾ください。

ところで鍵盤の鉛調整ですが、鍵盤には必ず写真のように鉛が埋め込まれていますが、1千万円クラスのスタインウェイ等は新品時にメーカーで一鍵、一鍵、個々の鍵盤の重さを測りながら鉛を埋め込みますが、国産ピアノの場合はたとえ高級グランドでも一律に鉛を埋め込むので、鍵盤の重さが重い鍵盤と軽い鍵盤ができて弾き難くなります。

それの解消のためには二度手間になりますが、改めて鍵盤ひとつ一つの重さを測定して、古い鉛をは外してからその後を埋め木をしてから、あらたに鍵盤の適切な位置に適切な重さの鉛を入れる作業をすることです。

鍵盤に埋め込まれた鉛



良く調整をしてからが条件ですが、一つひとつの鍵盤の鉛調整をすると均一なタッチになります。

鍵盤の鉛調整作業








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株式会社浜松ピアノ 代表取締役社長

植田 信五


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