[ ]ファツィオリ定期メンテナンス
先日、ピアノYouTuberのファツィオリフルコンの定期メンテナンスの様子を撮影してきました。
このシルエットで既に誰だか気づく方もいるのでは(笑)
興味ある方はご覧ください。
先日、ピアノYouTuberのファツィオリフルコンの定期メンテナンスの様子を撮影してきました。
このシルエットで既に誰だか気づく方もいるのでは(笑)
興味ある方はご覧ください。
中古ピアノは新品より劣ると考えられていますが、きちんと手を入れると新品以上の性能を発揮するピアノになる可能性があります。
その訳はピアノの主材料は木材ですが、鉄やプラスティックと違い木材は年数が経過するほど堅く強固になるという木材の特性上、弦楽器と同様に古いピアノほど基本的には楽器としては優れるからです。
しかし実際には大半の中古ピアノの性能が劣るのは、安く販売するために内部のメカニズムの癖取りや錆び取りをはじめ、何よりも十分な調整が省かれている中古品が大半だからです。
手間(コスト)はかかりますが丁寧に調整すると中古ピアノと云えども、魅力的な性能を発揮するピアノに生まれ変ることがご理解いただけます。
弊社の中古ピアノが商品になるまでの作業工程をvol.1 vol.2 vol.3 vol.4 Vol.5 に分けてで詳しく案内しています
弊社の中古ピアノが商品になるまで vol.1
中古のヤマハYUXが入荷しました。
中古ピアノ1台を商品にするまでには実は結構な手間がかかります。
弊社の場合、買い取りをした中古ピアノは、まずは外装を綺麗にするため一度外注へ出しキズの補修やバフがけ(機械を使って磨き)ます。
それから店頭で開梱し中身の調整スタートです。
ピアノの状態によっては弦やチューニングピン・ハンマー・ダンパー等の消耗部品の交換修理をまず行ないますが、今回のヤマハYUXは消耗している部品はあまりなく(あまり弾かれていなかったようです)経年変化の汚れやサビが目立っていたので、大掛かりではない部品交換修理とサビ取りをまず行ないました。

中の状態をチェック。


ハンマーフェルトについた弦の溝。
中心に当たってなくずれたまま跡がついているので綺麗に整形し直します。

ハンマーを整形して新品の時の形状にしました。
連打する上でかかせないフレンジコード(白いヒモ)も新品に交換。環境にもよりますが
10年以上はもちます

打弦したハンマーを元の位置に戻す役割のブライドルテープ(赤いチップのついた紐)も
黄ばんでいたので新品に交換しました。


金属のスプリングがハマっている緑色の溝も雑音予防で掃除をしました。

アクションの裏側にある金属のスプーン(ダンパースプーン)と棒状(ダンパーロッド)のもの
が錆びていたので磨きました。磨く理由は部品が汚れやサビでザラついていたりすると部品同士が擦れ合って雑音が出るからです。

弦が巻きついているチューニングピン、約230本あります。
これも指で1本ずつ磨きます。


vol.1 vol.2 vol.3 vol.4 Vol.5

純ヨーロッパ製の支柱
写真はペトロフピアノの支柱

無垢の支柱が使われています。

国産ピアノの支柱

積層材が使われている国産ピアノ
写真はカワイピアノ

支柱は音とは直接関係ないとも考えられますし、無垢材より積層材にした方が強度的に優れているように思われますが、楽器として考えた場合は情緒的にも無垢材の方が少なくとも人に優しいように思います。
ペトロフピアノの響板に貼られたハンドメードのシール

ペトロフピアノの響板に押された刻印

ピアノ(クラシック楽器)は、基本構造自体は何処のメーカーのピアノも同じですので、後はできるだけ適材適所に良質の木材を使用し、時間をかけて自然乾燥させた木材を使い、デリーケートな部分(ハンマーの整音や巻き線等)は機械化せず技術者の手で丁寧に仕上げると魅力的な音色のピアノが出来上がります。
最終的に調律師が時間をかけて、整調・調律・整音してやると魅力的な響きを持ったピアノになります。
良質のピアノ作りには、基本的に技術者の手間をかけた丁寧な作業が必要になりますが、その技術者による手間をできるだけ省き、機械化して合理化したピアノ作りが日本製のピアノの特徴です。
結果として国産ピアノは比較的安価で、安定した品質を持つピアノとして世界から高く評価されていますが、合理化した分、楽器としての魅力は少なくなるように思いますが、これは良い悪いでなくユーザーのピアノに対する価値観の違いのように思います。
知っておきたい生産国表示の業界ルール

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