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実家のピアノを再利用するか新規購入するか?

木は古くなればなるほど固く強くなる

1300年前の木造建築の法隆寺や古民家の柱や300年前の弦楽器、ストラディバリウス等が高く評価される理由は、木は年数が経過すると固くて強くなるという特性が評価されており、これが楽器の場合は古い方が鳴りが良くなるということになります。

古いピアノは古いからダメなのではなく、消耗部品を新品に交換して(オーバーホール)丁寧に調整してやれば、むしろ新品以上に魅力的な音色に仕上がりますが、構造がシンプルな弦楽器と違いピアノは消耗品が多く修正には手間がかかるのでオーバーホールすると新品に近い価格になるのが悩みどころです。

本格的なオーバーホールの時期は?

一般的な設置環境で趣味程度の演奏の場合、新品から50年前後で弦が切れたり、弦が緩み調律が安定しなくなることが多いので、一般的にオーバーホールの時期は50年前後と云えます

私見ですが、実家の長く使ってないピアノでも新品から25年~30年経過程度なら、移動の際に外装のクリーニング(バフがけ、金属磨き)をしてから新居に運び、信頼できる調律師に数日の調整と調律、整音をしてもらえれば新品時よりむしろ魅力的なピアノに仕上がる可能性があります。

買い替えを考える場合は

古いピアノは外装がシンプルなデザインの黒が多いので、せっかく買い替えるなら、外装(木目)やデザインが新居に似合うものか、輸入ピアノを含めた高級ピアノに買い替えるのも良いかと思います。


代表的な消耗品、ハンマーの新旧比較、先がへこんでいるのが古いハンマーです。


 
古くなるとピンブロックが緩くなり、チューニングピンを一回り太いもの替える必要が出てきます。
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古くなると低音域の巻き線もボン線、ジン線と呼ばれる鳴りが悪いものや雑音が出るものあります。

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新品の場合は大きさは勿論、好みの木目やデザインを自由に選べるメリットがあり、何よりも消耗部品が新しいので安心で、最初から個々のピアノが持つ本来の音色や鳴りを楽しめるのも魅力です。

最近は老舗のヨーロッパメーカーが中国で委託生産するようなりましたので、これを日本で丁寧に調整(整調・調律・整音)すればという条件付きですが、比較的安価(本国生産の三分の一位)で、なかには想像以上に魅力的なピアノに仕上がるピアノもあります。

オーストリアの老舗ブランド ウェンドル&ラング 79万円~
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ドイツの老舗ブランド フォイリッヒ 206万円~
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⑦知っておきたい生産国表示の業界ルール

お薦めブランド ウェンドル&ラング

お薦めブランド フォイリッヒ


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間違いだらけのピアノ選び  ~ 目 次 ~

【第一章】大半のピアノが本来の性能を発揮していない

◎ピアノは8千個の部品

◎ピアノはリモートコントロールで打弦する楽器

◎仕上げが整音

◎試弾は調整されたピアノでないと意味がない

◎ピアノはセミオーダーの楽器です

【第二章】調整によるエピソードのお話

◎中古ピアノが高い勉強代に

◎安価でも高級ピアノより魅力的

◎ブランドを信じて購入したが失敗

◎調整が自慢のシゲル・カワイでも不満

◎値段ほど差がない高級ピアノ

◎好みのスタインウェイがなかった

◎丁寧な調整でヤマハでも満足

◎好みのスタインウェイを求めて

◎スタインウェイはトリルができるがヤマハは?

◎ヤマハは温泉に浸かったような音?

◎ピアニストと専属調律師のお話

◎腱鞘炎になって困っている

【第三章】中古ピアノの問題点

◎中古ピアノは安かろう、悪かろうが多い

◎さらなる中古ピアノの問題点

◎古いピアノは楽器としての性能が良いか?

【第四章】調整シーンを写真でご案内

◎グランドピアノの調整作業

◎アップライトの出荷調整作業

【第五章】主に中国で生産される現代のピアノ

◎最近のピアノの生産事情

◎ファースト、セカンド、サードラインという業界用語

◎メードインチャインナ&浜松ピアノ店フィニッシュ

【第六章】日本のピアノ事情

◎毎年減少する日本のピアノ市場

◎余談ですがスタインウェイについて

【第七章】筆者のブランド選びの見解

◎コストパフォーマンスが高いか否か

◎ピアノは素材という考え方

◎メンテナンスについて

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株式会社浜松ピアノ 代表取締役社長

植田 信五


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