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アンティーク(ビンテージ)ピアノの魅力と問題点

普通の中古ピアノとは違い、100年落ちのピアノをリニューアルしたもの、いわゆるアンティーク(ビンテージ)と呼ばれるピアノは、ノスタルジックな魅力があり、一部のピアノ愛好家に人気があります。


ただ心配なのはピアノの内部には接着箇所が膨大にあり、それらの膠(にかわ)の接着面もさすがに100年も経過すると脆くなっていることです。

ですからファーストピアノではなく、セカンドピアノとして丁寧に使用し、空調管理(温度湿度)も万全を期す必要がありますが、それでも想定外のところが剥がれて故障する可能性があります。







しかも一旦トラブルとなると修理も厄介なことになることが多いので、メンテナンスの大変さ(費用)も頭に入れておく必要があり、それらを勘案してアンティークピアノのメンテナンスは請け負わない調律師も多いので、何かあってもすぐに駆けつけてくれ、面倒な修理も気軽に対処してくれる古いピアノの修理に長けた調律師の確保が必要です。




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株式会社浜松ピアノ 代表取締役社長

植田 信五


グランドピアノ16時間コース初日目

先日、ピアノ講師の方がピアノの相談でご来店いただき、自宅のヤマハグランドピアノが不調なので直して欲しいというご依頼を受けました。

じっくりお話させていただいた結果、一通り全体の調整をして欲しいということでしたので2日(16時間)コースで調整することになりましたが、丸一日空いている日がないということでしたので、4時間コースを4回に分けてお伺いすることになりました。

 

 

早速お伺いしてピアノの状態を見ると、調律以外の鍵盤やアクションやダンパーの調整(整調)、そして弦を叩くハンマーの形状や弾力の調整(整音)をきちんとされていませんでした。

 

 

 

 

ハンマーフェルトに弦の溝が深く付いているのと中心からズレた型がくっきりとついていたので一度溝を取って新品のように整形することにしました。

 

 

整形後です。これでハンマーの形状はリセットできました(まだポジションや噛み合わせの調整はできてませんが)

次は、鍵盤の下のピアノの基礎の部分です。

 

 

 

埃やゴミと鍵盤にささっている金属のピンが錆びていたのでこれを磨いてリセットです。このピンは鍵盤をスムーズに動かすための重要な部分です。ベトベトしていたりザラザラしていたりすると円滑な鍵盤動作ができなくなります。

 

 

これで176本のピンもピカピカになりました。

 

 

次はこのピンの位置や向きを全て揃えます。

 

本日の4時間メニューは、

①ハンマー整形
②バランス・フロントキー(鍵盤)ピン磨き
③バランスキーピン位置調整
④フロントキーピン方向調整
⑤バランスキーホール(穴)調整
⑥フロントキーホールがたつき修理

でした。続きは明日行ないます。

 

 

>>>ピアノのコンディションを良くするために必要なこと
  ①全体の調整 ②空調管理

 

1台1台丁寧な調整を心がけています

三木 淳嗣(委託調律師)


ヨーロッパ製ピアノは湿度の高い日本での使用は不向き?

国産メーカーのセールストークでよく使われるためにそんなご質問を頂くことがありますが、答えはヨーロッパ製だからと云って特に問題ないということです。

少し補足するとパーティクルボードや積層材を多用した安価なピアノほど湿度による歪みは少ないとも言えますが、いずれも内部にフェルトやクロスを使っているので湿度が高いとメカニズム的な不具合が生じます。

弦楽器などは湿度の厳重管理をされていますが、ピアノも国産、輸入に関わらず高級ピアノほど湿度に敏感で適切な湿度管理が必要です。

たとえ国産のピアノでも木材は全て輸入材ですし、輸入、国産を問わず高級なピアノほど自然素材(無垢材等)を多く使うので温度や湿度といった環境の変化には敏感です。

無垢材が使われるペトロフの鍵盤蓋 チェコのペトロフ工場にて

余談ですが、高級なピアノは木材も屋外で数年の自然乾燥を経て使われますが、量産ピアノは、工場内で短時間で人工乾燥した木材(響板等)が使われるので、木材の細胞を痛めて楽器の命である響板の寿命も縮めることになります。

チェコのペトロフ工場にて 屋外で自然乾燥させた木材が使われます

無垢材の支柱を使ったペトロフ  チェコのペトロフ工場にて


量産ピアノは工業化に適した伸縮や歪みが少ない積層材等や人工素材を多用して大量生産されるので、均一で安定した品質という意味では良いのですが、天然素材が多い高級ピアノに比べると音色や響きと云った楽器としての魅力は乏しくなります。



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株式会社浜松ピアノ 代表取締役社長

植田 信五


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