[ ]ボストンGP163メンテナンス in 倉敷市

倉敷市で定期メンテナンスにお伺いしました。
昨年メンテナンスのご依頼をいただき、基礎(土台)からやり直し、今回その続きです。




まずは鍵盤下の掃除をして埃や髪の毛等をスッキリ取り除きました。

ちなみにですが、この金属のピンの赤いクロスがありますがその下に数種類の厚みの紙を挟んで鍵盤の高さを調整します。


筬おさ(鍵盤フレーム)のネジも念の為全て増し締めしました。



鍵盤奥についているキャプスタンスクリューもピカピカに研磨してリセット。


鍵盤の隙間にあるこの小さなボタン。
これはベッティングスクリューといって、このボタンを上下出し入れして鍵盤フレームと本体(棚板)の接地面を密着して鍵盤からのパワーを漏れなく弦に伝えるためのとても重要なボタンです。
これを回して棚板調整を行ないます。

裏からみるとこんな感じです。だいたい5~7個はついています。
棚板調整の解説はこちらから⇒棚板調整動画
かなりボタンが出ていて精密に調整し直すと鍵盤が全体的に下がって、場所によっては多いところで1mm位低くなりました。この真ん中のボタンが飛び出していた(張り過ぎ)ということは、手前側(鍵盤側)が浮いていたことになります。ひどい時にはフォルテッシモで弾いた時に、パワー不足と共に木と木がぶつかった様な音(鍵盤フレームと棚板がぶつかる音)がしますので、もしこの症状が出ていたら要注意です。

次に鍵盤の高さの調整です。この角度でみると高さのばらつきが見えます。


実際に平らな定規を鍵盤にあてると凸凹しているのもあれば鍵盤が傾いてるのもあります。



紙を挟むところにチョークで印をつけています。
たくさん紙を挟む必要があったので一度アクションメカニックを取って一斉に紙を挟んでいきました。

何度も繰り返してようやく鍵盤が平らになりました。

鍵盤同士の間隔も揃えます。

(Before)

(After)

こんな感じで高さが揃いました。

アクションのジャック調整

調律もリセット
まだまだたくさんやりべきことが残っていますが、続きはまた次回に。
M様お世話になりありがとうございました。
>>>調律だけのメンテナンスを続けるとピアノが弾きにくくなるその理由は!?
1台1台丁寧な調整を心がけています
三木 淳嗣(委託調律師)