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出張メンテナンス in 鳥取・島根

山陰出張メンテナンス午前中は鳥取県米子市H様宅へお伺いしました。

ピアノはヤマハYF101W ウォルナット艶消し

 

 

 

鍵盤下の掃除をして金属のピン(バランスキーピン・フロントキーピン)のチェック、どれもピカピカを保持していました。おそらくこの除湿機(三菱・MJ-180LX)のおかげかと。

>>>除湿機の効果とは?

 

 

 

鍵盤の遊びの調整と鍵盤高さ調整

 

 

鍵盤周りの変化は最小限に抑えられていて、鍵盤の高さ調整深さ調整も数鍵の微調整で済みました。

 

 

 

ハンマーの並びや弦とのポジションも修正(弦合わせ調整

 

 

 

ハンマー接近調整ハンマーストップ調整

 

 

調律も全体的に少し下がっていましたが許容範囲でした。

 

 

ハンマーと弦との噛み合わせ調整を数鍵修正し隣同士の音色の粒を揃えました。

 

 

【今回の作業内容】

鍵盤下掃除
バランスフロントキーホール調整
弦合わせ調整
ジャック高さ(ロストモーション)調整
鍵盤高さ調整
鍵盤深さ調整
ハンマー接近調整
ハンマーストップ調整
・調律
弦あたり調整

H様ありがとうございました。

 

 

 

 

午後は島根県松江市O様

ペトロフP118-P1 ビーチサテン

 

 

鍵盤下掃除からネジの増し締め、どのネジも少し緩んでいました。

 

 

 

鍵盤奥のキャプスタンスクリューもピカピカに磨き直しリセット。

 

 

 

鍵盤を左右に振って適度な遊びを1鍵ずつ作りました。

 

 

鍵盤の傾きを直し、高さを揃えました。。

 

 

 

ハンマーが弦のど真ん中に当たるよう調整します。

 

 

鍵盤とアクションのロスをなくし最適なポジションに1鍵ずつセットしていきます。

 

 

調律の前に弦を無駄なく駒に振動を伝えるよう真鍮棒で叩き密着させます。
これにより調律もしやすくなります。

 

 

調律を49A(左から49番目のラの音)=442Hzにリセット

 

 

 

ペダルも磨き完成

【今回の作業内容】

鍵盤下掃除
・本体ネジ増し締め
・キャプスタンスクリュー磨き
バランスフロントホール調整
弦合わせ調整
ジャック高さ(ロストモーション)調整
鍵盤傾き及び高さ調整
・駒打ち調整
・調律
・ペダル磨き
・イス軋み直し

O様ありがとうございました。

 

 

 

 

2日目は島根県出雲市K様

フォイリッヒ Mod.161 黒艶出し

 

フロントキーピンの方向をチェック、修正しました。

 

 

鍵盤奥のキャプスタンスクリューも磨き直しピカピカにリセット。何度見ても気持ちがいいです。

 

 

フロントキーホール(手前の鍵盤の穴の幅)の遊びを作る調整

 

 

アクションの関節部分が湿気によってダメージ(クロスの膨張)受けていて硬くなっていたので、スムーズに動く様数鍵修理しました。

 

 

 

ジャック調整

 

 

打弦距離調整(弦とハンマーの静止状態の距離を調整)

 

 

ハンマーストップ調整(88鍵全てを弦から15mm手前で止まるように調整)
このストップ距離が広いとタッチが指先にコツンとした衝撃と鍵盤が重く感じます。逆に狭過ぎるとフォルテッシモが出にくく鍵盤も浅くなります。

 

 

 

全ての鍵盤がきちんと連打できるようレペティションスプリングの調整をしました。

 

 

調律も49A=442Hzにリセットしました。

 

 

ダンパーペダル(右のペダル)の雑音を直しました。

 

 

硬い音色のハンマーをほぐして音色を整えました。

 

 

【今回の作業】

・本体、鍵盤下掃除
・フロントキーピン傾き調整
・キャプスタンスクリュー磨き
バランスフロントホール調整
棚板調整
・拍子木圧力調整
・ハンマーシャンクフレンジスティック修理×7鍵
ジャック前後、高さ調整
打弦距離調整
ハンマーストップ調整
・レペティションスプリング調整
・調律
・ペダル雑音修理
整音(ハンマーヴォイシング)

 

K様ありがとうございました。

 

 

>>>定期メンテナンスで行なう整調・整音

>>>お薦めブランド ペトロフ

>>>お薦めブランド フォイリッヒ

 

1台1台丁寧な調整を心がけています

三木 淳嗣(委託調律師)


ピアノの選び方とその問題点とは?

ほとんどのピアノは持てる性能の半分ほどしか出していませんが、その訳はピアノは自然素材の木を主体としてフェルトやクロスが微妙にリンクした複雑な構造のアクションを通して鍵盤を通じてリモートコントロールで打弦する楽器であるということが見過ごされているからです。

アップライトの鍵盤、アクション、ダンパー


グランドピアノの鍵盤、アクション、ダンパー

上記の写真のようにピアノは主なメカニズムが木を主体(他にフェルト類や金属)に構成されているので、素材の宿命として必ず伸縮や歪みが必ず起きますので、それらの伸縮や歪みを調律師の手で正し、丁寧な擦り合わせ調整をしてやらないと、鍵盤からの力がハンマーまで上手く伝わりません。

これはいかに高級なピアノであっても、逆に高級ピアノであればあるほど無垢材のように自然素材だ多いので必ず伸縮や歪みが出ますで、これの丁寧な修正と咬みあわせ調整が絶対条件です。

打楽器や弦楽器は演奏者の指で直接演奏しますので、名演奏者になるとたとえ安価な楽器でも良い音を出しますが、ピアノの場合は、いかな名器を名演奏者が演奏しても整調・調律・整音が不十分ならば聴くに堪えない演奏になるのは間違いありません。

ピアノにはそのような事情があるので、私の知るところでは、故、中村紘子さんは、自宅のピアノはもちろん全国ツアーには、調律師の故、鶴田昭弘氏と契約してましたし、内田光子さんやブーニンは今はファツィオリ・ジャパンの越智君を指名していました。

多くのホールにはスタインウェイが設置されているので、地元の調律師で好いではないかと思われるかも知れませんが、ピアノという楽器は調整次第なので、演奏者の好みを良く理解してそれを正確に具現化してくれる調律師を選ぶわけです。

いかなるピアノであれ、個々のピアノの性能を十分に引き出すのは調律師次第のように思いますので、ブランドイメージと価格だけでピアノを選んでも満足のいくピアノを見つけるのは難しいということですが、そのあたりがピアノ選びの問題点ではないでしょうか。

丁寧な調整でピアノの本当のピアノの性能が決まります

ピアノの選び方とその問題点

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株式会社浜松ピアノ 代表取締役社長

植田 信五


出荷調整(プレップ・アップ)という言葉をご存じですか?

あまり聞き馴れない言葉ですが、出荷調整とはお客様宅に納品する前にメーカーまたは販売店が行う調整作業のことです。

車の最終検査の誤魔化しが問題になっていますが、ピアノの場合は検査の規制はないで多少、タッチや音色にむらがあり弾き難くても故障でない限り問題にならないので、ヤマハ、カワイの大手メーカーでも私が調べたところ、塗装の不具合、雑音や機能を数時間のチェックで完了しているようです。

実は一通りの出荷調整には新品で3日、中古品ならその倍の作業時間が必要ですが、なんで新品でも3日間も時間をかける調整が必要なのか?と一般の方は疑問に思われると思います。

ピアノに丁寧な出荷調整が必要な訳は?

ピアノは。鍵盤を通じてリモートコントロールで打弦する仕組みで、しかも木材を主体にフェルトやクロス、金属のピンが微妙にリンクしているので、それらの伸縮や歪みを修正してから、それらの擦り合わせ調整が必要な楽器だということです。もちろん日頃のメンテナンスでもこれらの微調整が必要なことですが。

ピアノの性能、つまり演奏者が意図したようなに音色や弾き心地をピアノなりに高めるには、これらの丁寧な調整が必要不可欠なのですが、大変な手間がかかるので、今では1千万円クラスのスタインウェイでも出荷調整が5時間に制限されているほどですから、まして他のピアノはそれ以下の作業時間になっています。

メーカーの姿勢がそうであれば、足らずは販売店で行うしかないのですが、販売店にはそのような習慣がなくメーカーから仕入れたものをそのまま納品して調律をしてお引渡しが完了となっています。



下記の記事をご覧いただくと出荷調整のことが良くわかります

丁寧な出荷調整(納品前の調整)で本当のピアノの性能が決まります!


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株式会社浜松ピアノ 代表取締役社長

植田 信五


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