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リトルボーイ再会

前回の小さなお手伝いさんにピアノメンテナンスの再度訪問で再会しました。

今回は1日コース(8時間)の作業でリトルボーイY君にお手伝いしてもらおうかと思いましたが(笑)難しい内容なので、外装のお掃除を伝授しました。

艶出しの外装なのに全く艶がなく曇っていたので、まずは固く絞った濡れタオルに中性洗剤(食器用洗剤)を数滴つけてゴシゴシと汚れを落とし、綺麗な柔らかい布で乾拭きをした後でワックスがけを。

大きなキズはあまりなかったので、Y君はピカピカに仕上げてくれました。

あ、強制ではないですので(笑)
何かお手伝いたいしたいと言ったので、頑張ってもらいました。

 

その間に私は、中身の作業を始めました。

 



【鍵盤フロントホール調整】
まずは鍵盤を左右に揺らして、適正な遊びがあるか1鍵ずつチェック。

 

 

 



遊びがない場合は鍵盤の裏にある赤いクロスを圧縮して調整。







【弦合わせ調整】
ハンマーの並びがよくないので間隔を調整。このあと弦のど真ん中に当たるよう調整。





 
【鍵盤高さ調整】
鍵盤の上に平らな定規をあて、凸凹の鍵盤を平らに揃える調整。







【ハンマー接近調整】
ジャックという部品が抜けるタイミングを揃える調整。ハンマーと弦の隙間を見ます。これが88鍵揃うと音色もタッチも随分と良くなります。







【ダンパー総あげ調整】
弦の振動をとめるダンパー(白いフェルト)
右のダンパーペダルを踏み込んだ時、バラつかず一斉にダンパーが上がるよう一つずつ調整。ハーフペダルの際に大きく影響します。

この日の作業内容は、

 

⚫︎鍵盤バランス・フロントホール調整
⚫︎弦合わせ調整
⚫︎鍵盤高さ調整
⚫︎キャプスタン前後・左右調整
⚫︎ジャック高さ調整
⚫︎ハンマー接近調整
⚫︎鍵盤深さ調整
⚫︎ハンマーストップ調整
⚫︎ダンパー総あげ調整
⚫︎ダンパーかかり(始動)調整
⚫︎調律
⚫︎弦あたり調整
⚫︎ハンマー弾力調整

でした。




最後にY君に弾いていただき、とても弾きやすくなったと喜んでいました。

横で聴いていたお祖母様も音が一つ一つ澄んで音量も随分と出るようになったと。それもそのはず、色んな場所でブレーキがかかっていたのでそれを普通に取り除いただけで本来の性能を取り戻すことが出来ました。

Y君は途中で自身のデジカメでパシャパシャと。

友達に見せるんだよ~と喜んでました。
 
 



好奇心旺盛なY君、この写真を友達に見せてどんな楽しいお話をしてくれるのでしょうかね~

1台1台丁寧な調整を心がけています

三木 淳嗣(委託調律師)


リトルボーイ

 
今日はいつもお世話になってるT先生のご紹介で、生徒さんのピアノのメンテナンスに初めてお伺いしました。
ご使用者はまだ若干8歳のリトルピアニストY君ですが、今回ピアノの中身を見るのは初めてだそうで、お祖母様も一緒にピアノの中身を見ながら、ピアノの仕組みをご説明の上、少し修理箇所があったので鍵盤とアクションメカニックを持ち帰り、修理後に再度別の日に1日コースで調整することになりました。
 
今回はせっかくお伺いしたので、ピアノの土台である鍵盤下のバランスキーピン(88本)とフロントキーピン(88本)のサビ取りを行なうことにしました。
 
ここでY君、かんなり興味津々の様子で・・・
 
 
「ボクもやる!」
 
 
というわけで急遽小さなお手伝いさんが加わり初の共同作業となりました。
 

 


 
若干8歳ですがこれがまた手際が良いのなんの。
サビが取れにくいと言うので、そういう時は一旦こっちを使ってやるといいよと教えてあげると、うまく使いこなし挙げ句の果てに教えてもいないのに
「これはこう持ってこっちからやった方がいいね」と。
 
この発想力、手際、こりゃ~技術者向きだなと直ぐに察知しました。
おかげで1時間強かかりそうだったのが1時間ほどでサビ取り作業が完了しました。
 
現在若者が育っていないピアノ調律業界。若干8歳ですがここに良き資質を持ち合わせたY君。
さりげなく将来の夢を聞いてみました(笑)
 
すると・・・
 

 
 
「ボクお医者さんになりたいの。お医者さんになって病気の人を助けてあげるの」
 

 
もう、何も言うことないです(T ^ T)
その優しい心があればきっと良い医者になれるよ。大きくなってもその思いを大切に持ち続けておくれよ。
最後はY君お気に入りの妖怪ウォッチを熱弁してくれました。
 

 




リトルボーイ、また会おう!






 

1台1台丁寧な調整を心がけています

三木 淳嗣(委託調律師)


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