[ ]表現力豊かなピアノで練習するとピアノが上手くなるというお話
ここで云うピアノ演奏が上手くなるという意味は、単に指捌きが上手くなるという意味以上に演奏者が感情移入でき情緒的な演奏、つまり表現力豊かな演奏が自然に出来るようになる、謳うように弾けるようになると云う意味です。その意味でもコンクールで上位入賞を目指すなら表現力豊かなピアノが絶対条件です
表現力豊かなピアノは安価・高級を問わず、丁寧に調整されたピアノなら演奏者の意志(指さばき)に的確に応えてくれますので、特に表現が難しいピアニシモやトリル、大きな音も力まずに出すことができるので、同じ曲を弾いても繊細な演奏(表現)が可能になります、そのようなピアノを表現力豊かなピアノと考えます。
繰り返しになりますがピアノは鍵盤を通じて打弦する、いわばリモートコントロールで演奏するという他の楽器とは違う特異性を持つので、鍵盤からの指の微妙な力加減が、打弦するハンマーに上手く伝わらなければ、いかなる名ピアニストでも本来の情緒的な演奏は困難です。
ピアノの整調(調整)を歯に例えると、歯の歪みの矯正をして歯並びを整えてから、噛み合わせ調整をすると物が良く噛めるようになるのと同じ理屈です。
整調(調整)不足のピアノでいくら練習しても本来の意味での演奏力を身につけるのは困難ですし悪くすると腱鞘炎になる可能性もあります。
有名ピアニストの場合は、地方でのコンサートでも専属調律師が同行し、コンサート前に専属調律師が十分な時間を取り鍵盤調整から始め全体の調整をしてから、最後に整音をしてピアニストの好みとプログラムに沿ったピアノに仕上げます。
グランドピアノの鍵盤から打弦するまでの複雑なメカニズム
自然素材の木やフェルトの伸縮や歪みを修正して擦り合せ調整が必要です
アップライトの鍵盤から打弦するまでの複雑なメカニズム
自然素材の木やフェルトの伸縮や歪みを修正して擦り合せ調整が必要です
この全てのメカニズムがロスなく正しく作動する必要があります
調整は演奏の土台になる鍵盤調整から始めます
木とフェルト類、皮を使った複雑なメカニズムを持つグランドピアノのアクション
弦のスイートスポットを打弦するようにハンマーシャンク(棒)の歪みの修正も必要です
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