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ディアパソンD-164R 調律編

        


今朝は先日ご依頼頂いたお客様宅のピアノの土台の調整をしてきました。

 

建物でいう基礎、ピアノの場合は鍵盤です。
その鍵盤を外してみると、このような金属のピンがたくさん並んでいます。
今日はこのピン176本を1本ずつ磨き上げて写真のように新品同様に戻しました。
かなりベタついていて赤サビも薄っすら出ていました。

 

これまでたくさんのご依頼をいただいてきましたが、このピンが磨かれていたケースは過去1台もありません。

逆に言うと、このピンが磨かれているようなピアノであれば、メンテナンスに不満が出ないのではないかと。
その理由は、この基礎を手を抜かずにきちんと行なう意識レベルがあれば、この後の重要な整調(鍵盤・アクション・ダンパー調整)や整音も行なうでしょうし、そうすれば自ずとどんなピアノも弾き心地が揃ってきて快適に弾けるので、不満が出て他の調律師を探すようなことはほぼ無いように考えられます。

 

定期メンテナンスでこのピンが磨かれているピアノは果たしてどれくらいあるでしょうか。
技術者のピアノに対する意識レベルを計るなら、このピンを確認するといいかもしれません。

 

 

今年の4月から入社した伊ヶ谷くんです。土台の鍵盤下キーピンを磨いています。

まだ学校を卒業してすぐの調律師の卵ですが、「ピアノの調整は鍵盤のキーピンをピカピカに磨くことから」と入社してすぐに言われて作業に取り組んでいるので、今ではこのピンを磨く作業が当たり前になっています。

そんな伊ヶ谷くんは、ピアノ演奏もさることながら音感もずば抜けて良く、聴いた音楽をすぐに弾くことができます。いわゆる耳コピです。

そんな特技を持ちながらピアノを弾くのも聴くのも好きで、ピアノの調整(整調・調律・整音)や修理が精確にできるようになったら・・・ま、まさに鬼に金棒。

これは今自分が強く感じていることですが、これからの時代は、こだわりを持ったピアノ愛好家しかメンテナンスをしないような時代になると思います。

それに見合った次世代の調律師とは、演奏者目線で調整できるよう調律師自身がピアノ愛好家なのはもちろん、好みのタッチや音色に応えれるように単なる調律(音の高さを合わせる)だけで作業を終えるのでなく、精確な整調(鍵盤・アクション・ダンパー調整)や整音(弦を打つハンマーの弾力を整え音色を揃える)を習得し、それらをきちんと提供できるそんな調律師が望ましいと思います。

 

 

 

 

さて、ディアパソンD-164Rの続きです。

整調を終えたので次は調律です。

 

 

このあと整音で仕上がりです。

 

 

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1台1台丁寧な調整を心がけています

三木 淳嗣(委託調律師)


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