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弊社の中古ピアノの手間のかけ方Vol.2

手間(コスト)をかけて丁寧に調整すると中古ピアノと云えども、魅力的な性能を発揮するピアノに生まれ変ることがご理解いただけます。

弊社の中古ピアノが商品になるまでの作業工程を vol.1 vol.2 vol.3  vol.4  Vol.5  に分けてで詳しく案内しています

中古ピアノが商品になるまでVOL.2 

 
可能な限り錆を落とします。





ベアリングのピンもピカピカになりました。


次は鍵盤下のピン(バランスキーピン・フロントキーピン)磨きです。


スチールウールとコンパウンドで磨きました。





これはダンパー(右)ペダルの突上げ棒です。
右のペダルを踏むとこの棒がアクションのダンパーロッドを持ち上げてダンパーが始動します。
この先端が汚れていたので磨きました。
※ダンパーは弦の振動を止める役割で、ダンパーで音を止めます。

次は鍵盤です。



鍵盤の手前側(四角)木口こぐちが少し変色していたので貼り替えました。この修理で1日かかります。この木口はセルロイドで出来ているので経年変化で変色します。



※茶色に変色・変形した木口



鍵盤の奥にあるキャプスタンワイヤーが錆びているのでこれも磨きます。


 磨くとこれくらい違います。



鍵盤のキズや汚れを1鍵ずつ羊毛バフで研磨します。





ピカピカの新品同様になりました。


これでようやく下準備が整いました。
これから調整(整調・調律・整音)に入ります。


中古ピアノは調整に入るまでに部品を綺麗に磨いたり、消耗品を交換したりと随分手間(時間)がかかりますが、これをどこまでやるのか、つまり新品の部品に交換するのか現行の部品を綺麗に整えて使うのか、それとも全く何もしないのかによって販売価格も変わってきます。

中古ピアノはピカピカの外装だけでは見極めがかなり難しいと思われますが、これまでの内部の写真をご覧になった上で中古ピアノ選びをすると価格が妥当なのかどうかが分かってくると思います。

手間をかけなければ格安で、逆に消耗品の程度の良い中古品をじっくりと丁寧に仕上げていけば、価格はそこそこするかもしれませんがそれだけ高性能(音色、タッチ、響き)なピアノになります。

低価格重視か?それとも価格はそこそこでも弾き心地や綺麗な音色重視を重視するか?手間のかけ方の違いが性能の違いになります。 

  vol.1 vol.2 vol.3  vol.4  Vol.5 

中古ピアノが商品になるまでvol.3に続く



 
無料資料の詳しいご案内はこちらから
 

株式会社浜松ピアノ 代表取締役社長

植田 信五


ファツィオリ定期メンテナンス

先日、ピアノYouTuberのファツィオリフルコンの定期メンテナンスの様子を撮影してきました。

このシルエットで既に誰だか気づく方もいるのでは(笑)

興味ある方はご覧ください。

 

 

>>>おすすめブランド ファツィオリ

1台1台丁寧な調整を心がけています

三木 淳嗣(委託調律師)


弊社の中古ピアノの手間のかけ方Vol.1

中古ピアノは新品より劣ると考えられていますが、きちんと手を入れると新品以上の性能を発揮するピアノになる可能性があります。

その訳はピアノの主材料は木材ですが、鉄やプラスティックと違い木材は年数が経過するほど堅く強固になるという木材の特性上、弦楽器と同様に古いピアノほど基本的には楽器としては優れるからです。

しかし実際には大半の中古ピアノの性能が劣るのは、安く販売するために内部のメカニズムの癖取りや錆び取りをはじめ、何よりも十分な調整が省かれている中古品が大半だからです。
 
手間(コスト)はかかりますが丁寧に調整すると中古ピアノと云えども、魅力的な性能を発揮するピアノに生まれ変ることがご理解いただけます。

弊社の中古ピアノが商品になるまでの作業工程をvol.1 vol.2 vol.3  vol.4  Vol.5  に分けてで詳しく案内しています


弊社の中古ピアノが商品になるまで vol.1

中古のヤマハYUXが入荷しました。

中古ピアノ1台を商品にするまでには実は結構な手間がかかります。

弊社の場合、買い取りをした中古ピアノは、まずは外装を綺麗にするため一度外注へ出しキズの補修やバフがけ(機械を使って磨き)ます。

それから店頭で開梱し中身の調整スタートです。

ピアノの状態によっては弦やチューニングピン・ハンマー・ダンパー等の消耗部品の交換修理をまず行ないますが、今回のヤマハYUXは消耗している部品はあまりなく(あまり弾かれていなかったようです)経年変化の汚れやサビが目立っていたので、大掛かりではない部品交換修理とサビ取りをまず行ないました。





中の状態をチェック。




ハンマーフェルトについた弦の溝。
中心に当たってなくずれたまま跡がついているので綺麗に整形し直します。

ハンマーを整形して新品の時の形状にしました。

連打する上でかかせないフレンジコード(白いヒモ)も新品に交換。環境にもよりますが
10年以上はもちます


打弦したハンマーを元の位置に戻す役割のブライドルテープ(赤いチップのついた紐)も
黄ばんでいたので新品に交換しました。




金属のスプリングがハマっている緑色の溝も雑音予防で掃除をしました。


アクションの裏側にある金属のスプーン(ダンパースプーン)と棒状(ダンパーロッド)のもの
が錆びていたので磨きました。磨く理由は部品が汚れやサビでザラついていたりすると部品同士が擦れ合って雑音が出るからです。


弦が巻きついているチューニングピン、約230本あります。
これも指で1本ずつ磨きます。





vol.1 vol.2 vol.3  vol.4  Vol.5 


中古ピアノが商品になるまでVOL.2に続く

 

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株式会社浜松ピアノ 代表取締役社長

植田 信五


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