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展示ピアノの調整が仕上がるまで №1

弊社の展示(納品前の調整も)ピアノは中古品を含め全て丁寧に調整していますが、調整項目が多いので作業内容を項目に分けてシリーズで解説します

調整項目

・ネジ締め(アクション・キーフレーム・本体)
・鍵盤(バランス・フロントキーピン)磨き
・鍵盤(バランス・フロントホール)調整
・棚板調整
・鍵盤(白鍵・黒鍵)高さ調整
・弦合わせ(走り・傾き・間隔)調整
・サポート合わせ調整
・バックチェック合わせ調整
・ジャック位置(前後・高さ)調整
鍵盤白鍵深さ(沈み量)調整
・ハンマー接近調整
・ハンマードロップ調整
・打弦距離調整
・鍵盤黒鍵深さ(沈み量)調整
・ハンマーストップ調整
・レペティションスプリング調整
・シフトストップネジ調整
・ダンパーレバー・ブロック調整
・ダンパーかかり(始動)調整
・ダンパー総あげ調整
・ダンパーストップレール調整
・ソステヌートロッド調整
・各ペダル調整(踏み込み量・遊び量)



ディアパソンのグランドが入荷しましたので早速調整にとりかかっていますが、№1は鍵盤の調整から始めます

 

本体からアクションを引き出し、まずは鍵盤の調整です。

 

 

鍵盤のバランスキーピンの並びを揃えます。

 

定規をあてると、こんなにも上下に凸凹です。

 

 

これできれいに並びました。
88鍵の部品の位置と動きの条件を同じにするために行なっています。

 

次は鍵盤下の掃除とキーピン磨きをして、手前側にあるフロントキーピンの向きを揃えています。

 

 

 

 

鍵盤を取り付けて、フロントホールの遊びの調整です。

このように鍵盤の先を持ち、左右に振ると遊びが最低1mmあるかチェックします。

 

 

このような赤いクロスを圧縮して広げます。

 

フロントキーホールの調整動画です。


次はバランス(真ん中)ホールの調整をしてからアクションを取り付けて、次は鍵盤の高さの調整です。

鍵盤高さの調整動画です。

今日はここまでで、次はアクションの弦合わせ調整をします。

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>>ピアノの調律とは

 

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植田 信五


ウェンドル&ラングの調整が完了 №3

ウェンドル&ラングの調整の続きです。

ハンマーを弦にあてた状態で弦を1本ずつはじいていき、3本(または2本)の弦がハンマーに同時に当たるように確認します。歯の噛みあわせと同じです。

先に当たっている場所だけを板ヤスリで落としていき同時になるまで繰り返します。
3本が同時に当たるとその音だけ弦に触れた瞬間からきれいに発音されます。逆に、同時に当たっていないとズレが生じるので、きれいに発音せずにぼんやりした音になります。

 

 

 

 

動画を撮ってみたのでご覧ください。
3本の弦を順にはじいた時の音の長さをよく聴いてみてください。音の長さが短いところは先に当たっている証拠です。

 

 

 

 

弦の噛みあわせの調整が終わったら、全ての鍵盤を弾いていき、硬い音のハンマーだけピックアップして、針を使ったピッカーという工具でほぐしていきます。

針を入れる場所や深さによって随分と音色が違ってくるので、慎重に探っていきます。

 

 

 

 

ダンパーペダル(右のペダル)の踏込み量を調整します。

ペダルを踏んだままの状態で上からダンパーを見て、白鍵を弾くとダンパーが動かず、黒鍵を弾くとダンパーが少し上に持ち上がるくらいに写真のボタンを回して調整します。

 

 

 

ダンパーストップレール(ダンパーをストップさせるレール)の隙間の調整をして、他の2本のペダルもロスがないか、最適な位置・タイミングにあるか確認&調整します。

 

 

 

最後に雑音チェックをして、完了です。
前回もですが、今回も高音部のキラキラ感は損なわずに調整してみました。



これでようやくご試弾可能になりましたので、みなさま他のピアノと弾き比べにお越しください。

 

 

展示グランドの調整を始めます №1

グランドピアノの調整始めます№2

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ウェンドル&ラングのダンパー調整 №2

ウェンドル&ラングの調整の続きをしています。

写真はダンパー内部で、動くタイミングを調整している作業風景です。




ちなみにダンパーとは、弦の振動を止める役割で、ペダルの一番右のダンパーペダルを踏んだままにすると、ダンパーが弦から離れ音が伸びっぱなしになり、ペダルを放すとダンパーが下りて音(弦の振動)が止まります。

このダンパー全ての動きのタイミングを一つ一つ、伝言ゲームのように隣に伝えていき最終的にはダンパーが板一枚のように上がり、そして同じタイミングで音を止めるように調整するのがダンパー調整です。

写真のようにマイナスネジを緩めてペダルをそっと踏み込み、動きのタイミングを揃えてネジを締めます。

ラジオペンチでワイヤーを曲げたり回したりしてダンパーが弦と平行になるように調整します。
このダンパー調整、言うのは簡単ですが、かなり難しい作業です。

作業の一部ですが動画を撮ってみました。
時には息を止めたりしながら、僅かな動きを見て調整してますので、同じく息を止めてご覧ください(笑)

 


鍵盤を押すとハンマーが弦に近づきますが、この時ハンマーと弦の距離の半分のところで、ダンパーがかかる(始動)するように調整するのが、ダンパーかかり調整です。
上の写真のように、ハンマーの側面に線が引いています。この線が隣のハンマーの頂点と並んだ時がダンパーがかかる最適なタイミングです。事前に弦とハンマーの距離の半分の量の線を引いています。




 

このピアノはダンパーのかかる(始動)タイミングを一つずつ調整できるスプーン状の部品がついていますので、定規を当ててこのスプーンを上下させて平らに揃えます。






 

次は整音です。

まずはシフトペダル(左のペダル)の整音です。
シフトペダルを踏み込むと上の写真のようにハンマーが右にずれて、音色が変わります。



 

シフトペダルを踏むと鍵盤もアクションと一緒に右に動きます。




 

矢印のネジで動く量を調整し、たくさん動かすのか少しだけにするのか調整します。




 

次にカーボン紙を使い、ハンマーに色をつけます。

 

 

このようにカーボン紙を使うと通常時とシフトペダルを踏み込んだ時の位置がよくわかります。

 

これでシフトペダルを踏み込んだ所だけを狙って針を刺してその部分だけを柔らかくします。
そうすることによってシフトペダルを踏み込んだ時に音色が変わります。余計なところに刺さないようにカーボン紙を使うわけです。

これでシフトペダルを踏んだ状態で全ての鍵盤を弾いていき、ちゃんと効いているか確認します。

 

次は弦あたり調整です。
そろそろゴールが見えてきました。

展示グランドの調整のご紹介 №3

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