[ ]ディアパソンD-164R 整調編②
ディアパソンD-164Rの調整の続き、
弦合わせ調整をしています。
ハンマーの間隔や動きを揃え、ハンマーが弦の最適な位置に当たるように調整するのが弦合わせ調整です。
動画にすると少しは作業内容がお分かり頂けるかと思い、動画ばっかり撮っています。
ディアパソンD-164Rの調整の続き、
弦合わせ調整をしています。
ハンマーの間隔や動きを揃え、ハンマーが弦の最適な位置に当たるように調整するのが弦合わせ調整です。
動画にすると少しは作業内容がお分かり頂けるかと思い、動画ばっかり撮っています。
みんなのピアノ選びから抜粋
調律師の技術はお客様に奉仕するための手段
「これまでの科学技術者は、とかく視野を自分の研究対象あるいは仕事にだけ向けて、人間を理解するための観察や追求には目を向けようとしなかった。私はこれではいけないと思う。」
本田宗一郎『やりたいことをやれ』(PHP研究所)
人の役に立たない、喜んで貰えないような技術など意味を成さない!
本田技研工業(ホンダ)を創業した本田宗一郎氏は、技術者ならではの確固たる思想哲学から、周囲に常々そう語っていたそうです。
これを我々の仕事に置き換えてみると、調律や調整を通じて、いかにお客様にピアノを楽しんでもらえるか。ピアノ技術者たる調律師の本分をズバリ言い当てている気がします。
よく調律師は“ピアノを直すドクター”と例えられることがあります。
医療現場で「病を見て患者を見ず」といった言葉が存在するように、
ともすれば我々調律師も、仕事の関心がピアノだけに偏りがち。
視野を広げて依頼者の気持ちに配慮できるよう心がけたいですね。
~もっと弾きやすいピアノにして欲しい~
~10年後も使用できるピアノにして欲しい~
~調律ついでに何か1曲弾いて欲しい~
これらは実際にお客様から頂戴した様々なリクエストです。
ユーザーは調律師に対して何を望んでいるのだろうか
想像力を働かせて仕事に臨むことの大切さを考えさせられます。
これからの調律師はただピアノに向き合って作業するのみではなく、ピアノの魅力を相手に伝える努力や顧客の満足度を高めるための創意工夫も求められます。
いくら良い仕事をしても、その価値を理解してくれる人が増えなければ調律師もピアノメーカーも生き残ることは難しい気がします。
みんなのピアノ選び
みんなのピアノ選びから抜粋
楽器の個性+調律師の技術
ことコーヒーに関して、まだまだ素人な私ですが、ピアノメンテナンスに伺うお客様の中には相当な“コーヒー通”もいらっしゃっいます。
「あそこのブラジルは美味しいからぜひ飲んでみて下さい」とか
「マンデリンをあちこちで取り寄せたけど、ここが一番好き!」
と豆の銘柄(産地)を決めて自家焙煎の店を飲み比べる方も…。
豆の銘柄のみならず、焙煎、挽き方、注ぐお湯の温度、抽出方法、そうした幾つもの要素が絡み合って決定されるコーヒーの味。
美味しいコーヒーを淹れるためのグッズの数々。“違いが分かる男”になれるでしょうか。
ピアノも同様、弦を叩くハンマーフェルトの硬さ、鍵盤の沈む深さ、アフタータッチの量など、調律師が施す調整作業の組み合わせ次第で、音とタッチに新たなキャラクターが宿る奥深い楽器なのです。
「調整でピアノの性格がこんなに変わるとは知らなかった!」
「あそこで弾いたときはタッチ重かったけど、この店のは弾きやすい」
とは複数の店で同じメーカー、同じモデルを弾いたお客様のご感想。
第一印象がイマイチだったピアノが調整で一変することも“無きにしもあらず”。たった一台のピアノで判断を下すのはあまりに早計です。
ピアノを調整する工具の一部をご紹介。すべてはユーザー好みの音とタッチのために。
他の店で他の調律師が調整したピアノを試弾するのも、お気に入りのピアノに到達するためのテクニックのひとつです。ぜひ好奇心をもって調整に熱心に取り組む各地のピアノ店を巡ってみましょう!
みんなのピアノ選び
ピアノの調律とメンテナンス