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出荷調整2日目

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昨日の続きディアパソンDR-300出荷調整

 

 

 

 

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10.ハンマーのポジション(弦合わせ調整)が
決まったので、その真下にある
サポートという部品の
位置調整(サポート合わせ調整)です。

1つずつ真下にくるようにネジを締め直したり紙を貼ったりして88鍵分調整します。

 

 

 

 

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11.バックチェック合わせ調整
向きを揃えたりワイヤーを曲げハンマーとピッタリに噛み合うように88鍵分調整します。

 

 

 

 

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12.黄色いローラーにテフロンパウダーをすり込みます。
テフロンパウダーをすり込むことによって、鍵盤をゆっくり押し下げる時、
キュッキュッという雑音の解消と、連打に必要な部品の出し入れがスムーズになります。

 

 

 

 

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13.ジャック前後調整

 

 

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14.ジャック高さ調整
ピアノの土台は鍵盤ですが、アクションの土台(基礎)となるジャック、
この部品の前後高さ調整がこれから行なうすべての調整に関わり基準となるので慎重に行ないます。

 

 

 

 

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15.先ほどのジャックという部品の動くタイミングを揃えるハンマー接近調整
タッチもそうですが音の輪郭もかなり変わります。

 

 

 

 

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16.ドロップ調整
計2回行ないますが、まずはハンマー接近調整後の
ハンマーが落ちる量を1つずつ測って調整していきます。

 

 

 

 

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17.鍵盤の深さ(沈む量)調整
白鍵の沈む量を全て10mmに調整します。

 

 

 

 

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18.ハンマーと弦との距離を決めるストローク(打弦距離)調整
凸凹のハンマーの並びを一直線に揃えます。

 

 

 

 

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19.黒鍵の深さ調整
白鍵を押し下げた時のアフタータッチ量を覚え
黒鍵も同じ量(または少し少なめ)に合わせていきます。

 

 

 

 

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20.打弦後のハンマーがストップする位置を15mmに設定(ハンマーストップ調整)

アクションを本体から出してハンマーのストップが凸凹にならないよう
ワイヤーを曲げて1つずつ15mmに調整します。

 

 

 

 

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21.スプリング調整

ジャックという部品をスムーズに定位置へ戻してくれる役割。
ただし適切なスプリングの強さに調整しないと繊細なピアニッシモや
トリルはもちろん同音連打も出来なくなるのでとても重要な調整です。

 

 

 

 

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22.ダンパー調整
弦の振動を止める、つまり音を止める役割のダンパー、
ダンパーのかかるタイミングの調整(ダンパーかかり調整)と、
ダンパーが全て揃って弦から離れ、そして弦に同時に到着するように
合わせるダンパー総上げ調整

仕上がりはこんな感じです。
ダンパー総上げ調整後

 

 

 

 

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23.ダンパーペダル量の調整
ペダルの踏み込み量を、鍵盤の深さの量との兼ね合いで調整します。

 

 

 

 

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24.ダンパーストップレール調整
ダンパーが上がる際にバーの高さを調整してこれ以上上がらないように制御します。
たくさん隙間があると勢いよく上がり過ぎて指にコツコツと衝撃が残るので
低音から高音部まで適切な量に調整します。

 

 

 

 

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25.ソステヌート調整
ソステヌートは真ん中のでペダルです。
特定の鍵盤を押し下げたままソステヌートペダルを踏むと、その音だけ伸ばすことが出来ます。
あまり使われませんが、時に必要な場合もありますので調整します。
ソステヌートの仕組み

 

 

 

今日はここまで。

整調が終わったので、あとは調律と整音で完了です。

1台1台丁寧な調整を心がけています

三木 淳嗣(委託調律師)


DR-300出荷調整スタートです

 

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倉敷市に今月納品予定のディアパソンDR-300

ようやく出荷調整にとりかかり始めました。

 

 

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ピアノマスク仕様です。

 

 

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 1.まずは土台(鍵盤)の調整です。

掃除をして金属のピンを磨きます。

 

 

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2.フロント(手前)キーピンとバランス(真ん中)キーピンの
向きや位置をチェックします。

 

 

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バランスキーピンの拡大図です。

ピンの並びの調整をしていますが、定規をあてがうと隙間があります。
少し上に来てますのでこれを下げて揃えます。

 

 

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3.鍵盤に適度な遊びがあるかチェックです。

まずは手前からチェックしましたが全て良い状態でした。

 

 

 

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4.次は鍵盤を持ち上げて手を放すと、元の位置に戻るかチェックします。

 

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2箇所スムーズに戻らない鍵盤があったので修正です。
真ん中の赤いクロスの隙間が少々きつかったので
圧縮して隙間を広げて調整します。

 

 

 

 

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5.次は鍵盤フレームと本体の隙間をなくす棚板調整です。

 

 

 

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6.鍵盤の高さ調整です。
まずは白鍵から傾きを揃え高さを平らにします。

 

 

 

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7.高さが揃ったら鍵盤の隙間を揃えます。

 

 

 

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8.次は黒鍵の隙間をまず調整します。

 

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棒でコンコンと突きながら黒鍵の間隔を揃えます。

 

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奥の間隔も見ながら黒鍵を左右に振り調整し、次に高さを揃えます。

 

 

 

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土台が出来たので次は上に乗っているアクションの調整です。

9.弦の正しいポジションで叩くよう位置合わせの調整(弦合わせ調整)です。

ディアパソンはメーカーの方で一度調整していますので、
毎回ハンマーの間隔はとてもきれいです。

 

 

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弦へのポジションがずれているので修正します。

 

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部品を外し薄い紙(のり紙)を挟んでハンマーの動きを変えます。

ハンマーを左に動かしたいので右側に紙を挟んでいます。

 

 

 

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 低音部の弦合わせ調整です。
ハンマーが少し左側に寄っているので、
先ほど同様のり紙を左に挟んで右に動くようにします。

修正後がこちらです。

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今日はここまでです。
まだまだやることはたくさんありますが続きは明日に!

 

 

 

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♪お薦めブランドディアパソン

1台1台丁寧な調整を心がけています

三木 淳嗣(委託調律師)


フォイリッヒのオフィシャルビデオができました!

日欧米のピアノメーカーの生産は、最近では中国に合弁会社を設立して自ら中国で生産するか、あるいは中国のメーカーで委託生産するのが主流になっています。

フォイリッヒは1851年創業のドイツの老舗メーカーですが、2003年より中国のハイルーンという生産規模では3番手のメーカーで委託生産しています。お蔭でドイツ本国で生産する場合に比べて三分の一ほどの価格で日本でも購入できるようになりました。

ちなみに№1は国営会社のパールリバーですが、ここではスタイウェイ社のエセックスが委託生産されており、№2が杭州ヤマハとなっていますが、中国ではこの他に30とも40とも云われるピアノメーカーが存在しているようですので、一言に中国製といってもその品質や性能、価格には大きな違いがあります。

日欧米のピアノメーカーが主に中国でピアノを生産する理由は、日欧米のアコスティックピアノ市場は既に成熟しており、毎年市場規模が縮小していますが、現在中国では大ピアノブームで、さらに市場規模も年々拡大中で、今では中国が世界最大のピアノ市場になっています。

ところが従来のように日本やヨーロッパで生産して中国に輸出すると35%という高額な関税をかけられるので、現実問題として、それぞれのメーカーが主に中国でピアノを生産して大半を中国国内で販売し、残りを関税のかからない日本や欧米に完成品、あるいは部品(部材)として輸出しています。

お薦めブランド フォイリッヒ

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株式会社浜松ピアノ 代表取締役社長

植田 信五


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