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中古ピアノが商品になるまで~vol.2

 

前回の続きです。

 

 

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弦のサビを可能な限り落とします。

 

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ベアリングのピンもピカピカになりました。

 

 

次は鍵盤下のピン(バランスキーピン・フロントキーピン)磨きです。

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スチールウールとコンパウンドで磨きました。

 

 

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これはダンパー(右)ペダルの突上げ棒です。
右のペダルを踏むとこの棒がアクションのダンパーロッドを持ち上げてダンパーが始動します。
この先端が汚れていたので磨きました。
※ダンパーは弦の振動を止める役割で、ダンパーで音を止めます。

 

 

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次は鍵盤です。

 

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鍵盤の手前側(四角)木口こぐちが少し変色していたので貼り替えました。この修理で1日かかります。この木口はセルロイドで出来ているので経年変化で変色します。

※茶色に変色・変形した木口cimg0059

 

 

 

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鍵盤の奥にあるキャプスタンワイヤーが錆びているのでこれも磨きます。

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 磨くとこれくらい違います。

 

 

 

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鍵盤のキズや汚れを1鍵ずつ羊毛バフで研磨します。

 

 

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ピカピカの新品同様になりました。

 

 

 

 

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これでようやく下準備が整いました。これから調整(整調・調律・整音)に入ります。

中古ピアノは調整に入るまでに部品を綺麗に磨いたり、消耗品を交換したりと随分手間(時間)がかかりますが、これをどこまでやるのか、つまり新品の部品に交換するのか現行の部品を綺麗に整えて使うのか、それとも全く何もしないのかによって価格が変わってきますので、ピカピカの外装だけでは見極めがかなり難しいと思われますが、これまでの内部の写真をご覧になった上で中古ピアノ選びをすると価格が妥当なのかどうかが分かってくると思います。
手間をかけていなければ格安で、消耗品の程度の良い中古品をじっくりと丁寧に仕上げていけば、価格はそこそこするかもしれませんがそれだけ魅力的なピアノになります。インテリア重視なのかそれとも弾き心地や綺麗な音色重視なのか、まずはそこが重要です。

もっと詳しく知りたい方はこちらから→中古ピアノのメリットとデメリット

 

 

 

調整はまだまだ続きます。

 

 

 

 

1台1台丁寧な調整を心がけています

三木 淳嗣(委託調律師)


中古ピアノが商品になるまで〜vol.1

中古のヤマハYUXが入荷しました。

中古ピアノ1台を商品にするまでには実は結構な手間がかかります。

弊社の場合ですが、買い取りをした中古ピアノは、まずは外装を綺麗にするため一度外注へ出しキズの補修やバフがけ(機械を使って磨き)ます。

それから店頭で開梱し中身の調整スタートです。

 

ピアノの状態によっては弦やチューニングピン・ハンマー・ダンパー等の消耗部品の交換修理をまず行ないますが、今回のヤマハYUXは消耗している部品はあまりなく(あまり弾かれていなかったようです)経年変化の汚れやサビが目立っていたので、大掛かりではない部品交換修理とサビ取りをまず行ないました。

 

 

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中の状態をチェック。

 

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ハンマーフェルトについた弦の溝。

中心に当たってなくずれたまま跡がついているので綺麗に整形し直します。

 

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ハンマーを整形して新品の時の形状にしました。

 

 

 

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連打する上でかかせないフレンジコード(白いヒモ)も新品に交換。環境にもよりますが10年以上はもちます。

 

 

 

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打弦したハンマーを元の位置に戻す役割のブライドルテープ(赤いチップのついた紐)も黄ばんでいたので新品に交換しました。

 

 

 

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金属のスプリングがハマっている緑色の溝も雑音予防で掃除をしました。

 

 

 

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アクションの裏側にある金属のスプーン(ダンパースプーン)と棒状(ダンパーロッド)のものが錆びていたので磨きました。磨く理由は部品が汚れやサビでザラついていたりすると部品同士が擦れ合って雑音が出るからです。

 

 

 

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弦が巻きついているチューニングピン、約230本あります。

これも指で1本ずつ磨きます。

 

 

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まだまだ続きます。

 

中古ピアノのメリットとデメリット

1台1台丁寧な調整を心がけています

三木 淳嗣(委託調律師)


最近、ピアノ教室(先生)選びで個人的に思うこと

田中先生のファツィオリ試弾記念写真(ピアノフォルティにて)
中央がNHKもう一つのショパンコンクールで一躍有名になった調律師の越智氏(私の師匠)右側がハンガリー出身のフェケテ氏です。

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本題ですが、職業柄、たくさんのピアノの先生とお付き合いがありますが、弊社のピアノ教室に、私の現在の価値観から見て凄い(素晴らしい)先生がいます。

どのように凄いのか?ということですが、初めてお会いした時の自己紹介で云われたのが「私は今まで嫌いな人に会ったことがない!」という言葉です。

その時の私の印象は「ウッソー、またまた、そんなことあるわけネージャン、さすがにハッタリもここまで行かなければインパクトないものね、よく云うわ」という位の受け止め方でした。
 
それからもう十年近く経ち、何度かお茶をご一緒したことがあるのですが、会話のなかで、相手(私)の長所?を的確に指摘して、それを上手く口に出して表現して、それに感謝の言葉を添えてくれます。そして決して欠点は口にしません。

結果として、別れた後、何とも幸せな気持ちになりますので、未だに100%は信じられない気持もあるのですが、今では前述の言葉はまんざら嘘ではなかったと思っています。

弊社3Fの発表会風景
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別にピアノの先生に限りませんが、彼女を見ていると、指導者としては弟子の欠点を是正することも大切かも知れませんが、それ以上に、生徒の長所を伸ばすということが最も大切なことのように思います。

かつて「僕って、褒められて伸びるタイプなんです!」と云った芸能人がいましたが、大概の人はそうだろうと思います、なので、たぶん、彼女のご主人は相当伸びるのだろうと思うと羨ましい限りです。

そんな彼女なので、目下、彼女のピアノ教室の空時間はゼロ、なにせ途中止めの生徒さんがほとんど皆無で、転勤等の事情がない限り空ができず、いつも生徒さんが一杯です。

そんな先生に、ぜひピアノを習ってみたいと云う方がおられましたらあらかじめご予約下さい、空き時間ができましたらご案内します。

浜松ピアノ店ピアノ教室

株式会社浜松ピアノ 代表取締役社長

植田 信五


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