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ペトロフの極上の中古品が入荷しました!

珍しくペトロフのP118 C1チッペンデール仕様、ウォルナット艶消の中古品が入荷しました。


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このピアノは2011年5月に弊社から岡山市内に新品で納品させて頂いたものですが、今回、引っ越しのためにやむなく手放されたもので極上品です。

外装がウォルナットの艶消しの本格的なチッペンデール(猫脚)と魅力的です。

まだ未調整なので、これから少しづつ整調・調律・整音を施して仕上げて行きます、興味のある方は早めにご来店下さい。

お薦めブランド ペトロフ

株式会社浜松ピアノ 代表取締役社長

植田 信五


スタインウェイセミコンの定期メンテナンス

 

今日は某大学ホールにお伺いしました。
明日に催しがあるため事前メンテナンスです。

 

 

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ホールに入るとひんやり涼しく、当日と同じ空調にしていただいてとても助かりました。

 

 

 

 

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ピアノはスタインウェイCモデル、2番目に大きいセミコンです。

 

 

 

 

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オールカバーを外して屋根を開けてみると・・・むわっと熱気が。
内部の温度を測ってみると32℃。

室内温度と差があり、すぐに調律はできないので、
1時間以上馴染ませ(冷やす)てる間に、整調します。

 

 

 

 

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鍵盤を外して掃除から。

 

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鍵盤の真下のクッション(バランスパンチングクロス)に
髪の毛が1本のっかっていました。

たかが髪の毛1本と思うかもしれませんが、
これで鍵盤の高さが随分と変わってしまうのです。

 

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人間の髪の毛の太さは約0.06〜0.1mmですが、
鍵盤の高さを調整する際に、鍵盤の下に挟む
紙の厚みは一番薄くて0.03mmを使います。
髪の毛よりも薄い紙で調整しているので、
髪の毛のような太い物がのっかってるとその鍵盤は高くなってしまいます。
最初に鍵盤下を掃除する目的はこのためです。

 

 

 

 

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鍵盤の奥についているキャプスタンスクリュー、
前回磨いて今回はまだピカピカでした。

 

 

 

次にアクションをつけて本体に入れ、棚板調整です。
鍵盤からのパワーをロスなく弦まで伝えるために、
鍵盤フレームと本体の棚板を隙間なく密着させる作業です。

 

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鍵盤フレームの裏にはこのような丸いボタン(ベッティングスクリュー)があります。
上からみると棒状のものになっていて、これを回して出したり引っ込めたりして調整します。
棚板と鍵盤フレームが浮いてるか密着しているかは、
真ん中部分を指で叩いて音を聴いて判断します。
実際の作業はこんな感じです。

棚板(ベッティングスクリュー)調整動画

 

 

 

次は鍵盤の両サイドについている拍子木の圧力の調整です。

 

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鍵盤の手前側の木の部分を叩いて、浮いていないか音を聴きます。
これが一番右端が浮いている音です(動画)

拍子木圧力調整動画

トントントン・・・コン!
音が違うのが分かりましたか?これが浮いてる音です。

 

 

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浮いているとパワー漏れするので、拍子木の金具で調整します。

拍子木圧力調整後再確認

調整後、他のところと同じ音になりました。
左手の親指で軽く持ち上げた時はコン!と
浮いた時の音になるよう圧力をかけすぎないよう微調整します。
圧力がかかり過ぎると、一番左のシフトペダルを踏む時に
ブレーキがかかり重くなるので慎重に調整が必要です。

 

 

 

 

次はアクション調整です。

 

 

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ハンマーの間隔、弦へのポジションチェック。今回良好でした。

 

 

 

 

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連打にかかせないジャック前後・高さ調整。

 

 

 

 

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そのジャックの動くタイミングを揃えるハンマー接近調整とドロップ調整。

 

 

 

 

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全てのハンマーが打弦後、15mmでストップするように調整。

最後にハンマーが持ち上がる速度を調整するスプリング調整。
ピアニッシモや同音連打するためにはには欠かせません。
調整後はこんな感じです

スプリング調整動画

 

 

 

作業を初めて2時間程経過、

 

 

 

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ピアノの内部温度は26℃まで下がりました。そろそろ調律が出来ます。

 

 

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49A=442Hzに調律。

 

 

 

 

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調律後、硬い音のハンマーに少しだけ針を入れてほぐしました。

 

 

 

 

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鍵盤蓋やその他パネルをして雑音チェックです。
譜面板の蝶番に共鳴していたので確認してみるとネジが緩んでいました。

 

 

 

 

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外装を磨いて作業完了です。

明日は気持ち良く弾いていただけると嬉しいです。

 

 

1台1台丁寧な調整を心がけています

三木 淳嗣(委託調律師)


よく弾きこまれているかどうかのチェック方法

 

 

「このピアノはよく弾かれているな」

 

ピアノの中を見れば技術者はすぐに分かります。では、どの部品をチェックしているのでしょうか。

その答えをお見せします。

 

 

 


 

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一番分かりやすいのがハンマーです。
よく弾く鍵盤には自ずと弦の型がハンマーにつきます。この型(溝)が深くなっているかを見ています。

 

 

 

 

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次にハンマーを受け止めるバックチェックという部品に貼られている黄色いスキン(合成皮革)が摩耗しているかを見ます。

 

 


 

 

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次に丸いローラースキンが摩耗してぺちゃんこになっていないかを見ます。

 


 

 

 

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次は鍵盤の金属のピンと擦れるブッシングクロス(赤い部分)が真ん中(バランス)と手前(フロント)の2ヶ所の摩耗具合を見ます。

 

とりあえずは最低これくらいはチェックしますが、これはパネルを外してみないとハッキリ見えません。

しかし、パネルを外さなくてもすぐによく弾かれているか分かる場所があります。

さぁどこでしょうか。

 

 


 

正解は

 

 

 

 

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鍵盤?

 

 

 

そう、鍵盤ですが実は黒鍵です。

 

 

 

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このように黒鍵は、木の上にプラスチックや黒檀等が貼られていますが、木の部分は塗料で黒く塗っています。
白鍵を弾く時に僅かに黒鍵の側面に指や爪が当たり、そして少しずつ擦れて塗料が剥げてくるのです。
この剥げ方が弾く頻度によって異なるので、技術者はさりげなくこんな所も見ているわけです。

 

1台1台丁寧な調整を心がけています

三木 淳嗣(委託調律師)


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