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定期メンテナンス~姫路編~

今日は朝から姫路市で定期メンテナンスでした。


午前中はK様宅のペトロフP118-C1
奥様がご趣味でお弾きになります。

昨日初めてぎっくり腰になったそうで・・・
そんな身体に負担がかからないように弾きやすいピアノに調整しました。

 

 

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まずは鍵盤下の掃除から始め、
鍵盤がスムーズに動くように1鍵ずつチェック。

 

 

 

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鍵盤を左右に動かし適度な遊びがあるかチェック。

 


 

 

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最低音と最高音はあまり弾かれないため、
鍵盤の裏側にあるクロスがほんのわずか膨張していました。
この膨張した赤いクロスをほんのわずかに圧縮して適正な状態にします。

 

 

 

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鍵盤を持ち上げ元の位置にもどってくるか全ての鍵盤をチェック。
降りてこない鍵盤があれば、
部品が引っかかってブレーキがかかっているためきちんと調整が必要です。

ピアノの土台である鍵盤の動きを全て
同じにしないとタッチ感も音色も音量も
揃いませんので鍵盤調整はとても重要な調整です。
この鍵盤調整を手を抜かずにどこまで丁寧に
やるかで技術者の意識レベルがわかります。

 

 

 

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弦をたたくハンマーのポジションをチェック。

 

 

 

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弦のど真ん中に当たるように全ての
ハンマーをチェックし、
ズレているのは調整します(弦合わせ調整)

 

 


 

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ジャックという部品の高さの調整です。
正しいポジションでないと連打が出にくくなったり、
パワー漏れもするので全てのジャック(部品)が同じ位置に来るように揃えます。

 

 

 

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ハンマー打鍵後のストップ位置を同じに揃えます。
正しいポジションにもってこないとpp~ffが出ないだけでなく連打も出にくくなります。


調律は半年で3Hz下がっていましたが
新品のピアノなので弦が落ち着くまでにはこれくらいは許容範囲です。

仕上がりは音色もとても明るくなって気持ちが良いと喜んでいただけました。

 

 

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ティータイムでは猫の参加もあり癒されました。

 

 

午後は同じく姫路市F様宅のボストンGP178の定期メンテナンス。


主にご主人が趣味でお弾きになります。
今回の要望は、
「ダンパーのハーフペダル時に中~高音部と
低音部の効き具合が弱冠違うから揃えて欲しい。
それと中音部の特定の音が
連打しにくくなってきたから直して欲しい」
とのことでした。



 

 

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まずはアクションメカニックを外に出しお決まりの掃除から。
いつもご主人と向かい合わせて作業を
見ていただけるので嬉しい限りです。
いつも見てるからそのうち工具渡したら出来るようになるのでは(笑)

と冗談はさておき、

 

 

 

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鍵盤の遊びの調整。

 


 

 

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ジャック前後高さの調整。
連打する上でジャックの調整は欠かせません。

 

 

 

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スプリング調整。
ほんのわずかにスプリングが弱くなっていたので適度な強さに調整。
これによって連打がスムーズに出るようになりました。

 

 

 

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そしてダンパーの調整。
本体の中にあるダンパーのレバーの高さから見直しリセットしてます。

この後ダンパーの上がるタイミングを
1つずつ調整し、ハーフペダルの状態で確認。
ダンパーはフェルトなので目視で
揃っていても実際の効き具合は音で確認しないと揃いません。
やはりバラツキがあり、何度も修正を重ねてようやく揃いました。

最後に確認していただいてOKいただきました。
この写真はそのご主人に撮っていただきました(笑)
ありがとうございました!


K様、F様、お世話になりました!

 

1台1台丁寧な調整を心がけています

三木 淳嗣(委託調律師)


根源的治療

 

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お客様宅で昨日今日と2日コース(約15時間)で調整し直したヤマハC2。

 

 

 

 

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金属パーツのサビ取りからスタートして
土台(鍵盤)からちきんと作り直すいわば根源的治療を行ないました。

 

毎回最初に
「ピアノ本来のポテンシャルを引き出すためには丁寧な調整(整調・調律・整音)が必要です」
という説明から入ります。


そして最終的には、


①「音やタッチはどうでもいいからとにかく速くて安くして欲しい」
という考えと、


②「気持ち良く弾けるようにしたいから丁寧な作業できちんと直したい」
という考えに分かれます。


もちろん今回は後者の方でした。

今回②の作業内容は、

 


1.バランスキーピンサビ取り

2.フロントキーピンサビ取り

3.バランスキーピン並び調整

4.バランスキーホール調整

5.フロントキーホール調整

6.棚板調整

7.鍵盤高さ調整

8.弦合わせ調整

9.サポート合わせ調整

10.ジャック前後高さ調整

11.ハンマー接近調整

12.ハンマードロップ調整

13.鍵盤深さ調整

14ハンマーストップ調整

15.レペティションスプリング調整

16.ダンパーワイヤー磨き

17.ダンパーガイドレール調整

18.ダンパーかかり調整

19.ダンパー総上げ調整

20.ダンパー踏込み量調整

21.ダンパーストップレール調整

22.ソステヌート調整

23.シフトストップネジ調整

24.弦密着(駒打ち)調整


25.調律


26.ハンマー整形

27.シフトペダル時ハンマー針入れ調整

28.ハンマー弦当たり調整

29.ハンマー弾力調整

30.雑音・共鳴チェック

 


以上30項目でした。

1~24整調26~29整音です。


いかなるピアノも丁寧な調整(整調・調律・整音)をすれば本来持っているピアノのポテンシャル(潜在能力)が引き出されます。

 

さてさて、速くて安くという①の作業内容は一体なんでしょうか・・・

 

そうです、調律のみです。

 

 

 

 

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ピアノという楽器は知れば知るほど奥が深いです。
ですので正しい知識を持っていないと
速くて安いメンテナンスの落とし穴に気づかないかもしれません。


一人でも多くのピアノ愛好家の方が
気持ち良くピアノを弾けるように正しい知識を身につけ、
そして正しい選択をして欲しいと願っています。

 

1台1台丁寧な調整を心がけています

三木 淳嗣(委託調律師)


ピアノの上には物を乗せても良い?

 

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アップライトピアノの裏側です。


ここで注目して欲しいのは「柱」ではなく散乱している「小物」です。

 

 

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例えば上の写真のように
支柱の内側に見える響板に紙が少し触れた
状態になっているだけで、弾いた時に雑音が発生します。
木くずが触れてるだけでも雑音が出る
場合もあり、ピアノってほんとうに
デリケートな楽器だな~とつくづく思います。


ピアノの上(屋根)に小物を置くと、
知らない間に後ろに落とし上記のような結果に
成りかねないので、
できるだけピアノの上に小物は置かない方が雑音等のトラブルから回避できます。

 

余談ですが、
「アップライトピアノの後ろ側は壁につけた方がいい?離した方がいい?」
とよく質問されます。

アップライトピアノの場合は後ろから音が出るので、
音量を出したいなら壁から離して、
うるさければ壁に近づけて、
さらに音量を下げたい場合はマットを挟んで吸音してあげるやり方もあります。
この場合かなり音がこもりますので、
ご近所迷惑等でどうしてもという場合のみおすすめしてます。


 

 

1台1台丁寧な調整を心がけています

三木 淳嗣(委託調律師)


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