[ ]調整の重要性を越智晃さんから学びました!
今でこそ調整、調整と盛んに云っていますが、実は私が調整の重要性を知ったのは20年以上前で、当時スタインウェイの技術社員であり、今はファツィオリ・ジャパンの調律師の越智晃さんからです。
当時、越智さんは毎年岡山のホールのスタインウェイの保守点検(2日間の調整)に来ており、ホールのピアノはコンサートごとに調律をしているのに、なぜ、調律とは別に2日間もかけて調整するのか?という疑問から始まりました。
ホールのピアノの調整をする越智晃氏
NHKの、もう一つのショパンコンクールで取り上げられた越智さん
そして別に高価なスタインウェイでなく、たとえ安価な国産中古品のアップライトでも丁寧な調整と整音が必要だとわかり、以来、安価な中古ピアノでもスタインウェイ同様店頭で丁寧な出荷調整をしてから出荷するようになり、お蔭で弊社の調律師も日々の調律の仕事のなかで丁寧な調整を行うのが習慣になり、今では若い調律師でも精密調整ができるようになりました。
調整は言葉で云うのは簡単ですが音を出さない地味な仕事の連続であり、新品のピアノで一通りの調整を行うには、手慣れた技術者でも3日の作業時間必要です。
もちろん中古ピアノならその倍の作業時間が必要になりコストもかかりますので、調律師自身にも気持ちの良いピアノに仕上げたいという強い気持ちがないと丁寧な調整は難しいように思います。
調整をしなくても故障する訳ではないのですが、タッチが重い軽い、弾き難い、音色や響き、表現力が劣るというのは丁寧な調整で解決します。
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