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大きなピアノほど低音域が魅力的になります

ピアノの大きさと低音弦(巻き線)の太さと長さの関係

同じ設計のピアノであれば、小さなピアノ(UPは背が低い、GPは奥行きが短い)ほど低音部の巻き線が太くなり、GPは奥行が大きなピアノほど巻き線が細くなります。

スタインウェイのフルコンサートピアノ、奥行274㎝
高音弦は短いですが、低音弦は相当弦が長くなっています






その結果として小さなピアノほど太く短い巻き線故にボアンとした音になりやすく、細い巻き線を長く張った大きなピアノは、同じ低音でもクリアーで柔らかい低音が出ると云われています。

メーカーの設計の違いにより弦の張力設計も微妙に違うので、良し悪しは何とも云えないのですが、基本的に小さなピアノほど低音域の音が魅力的ではなくなります。


高さ116cmの小型アップライトピアノの低音部の巻き線


そのあたりの細かい兼ね合いも、個性ある魅力的なピアノ作りを設計者は考えるのだと思いますが、例えば日本で戦後間のない時代に、大橋幡岩氏が設計したディアパソンピアノの大橋フレームは今でも有名でピアノ愛好家の間では人気です。

 ピアノの基本設計というのはそのような、こまごましたことの積み重ねの総合的な音作りになってきます。

ですから古い歴史があるメーカーのピアノというのは独自の魅力ある音色が出ますが、高度な測定機器やコンピューターが発達した現代では、感性とか、感覚の世界で判断するアナログ楽器というのはそのような意味で設計が難しいと思います。

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