[ ]ピアノの保証期間の内容とは
新品ピアノのメーカーの保証期間は1千万円クラスでも最大5年、稀に国産の40~50万円の中古アップライトでも10年間の保証を謳う店がありますが保証の内容をご存じの方は少ないようです。
たとえばチェコのペトロフピアノの場合は、下記のお客様カードがお手元に残ります。
保証内容は
適切な設置環境下で適切な使用をされている場合に限り、製造上の不具合があった場合は、無償修理か、修理不能の場合は同等品と交換致します。と云った内容です。
設置環境次第でトラブルも
保証で問題なのは、適切な設置環境というのが一番の曲者です。
たとえば鍵盤が戻らない、音が出ない等の不具合は、いわゆる故障ですが、これは通常、適切な環境、つまり湿度と温度が適切に管理されている部屋に設置され、きちんと調整されたピアノであれば、ほとんど起こりません。
逆にいくら丁寧に調整されたピアノであっても、湿度と温度が適切に管理されていない部屋に設置された場合は、短時間、短期間で不具合が出てきます。
ですので、これらは基本的には保証の対象外になります。
保証の対象は?
万一、フレームが割れる等があれば、これは修理不能で問答無用で交換になりますが、こういう不具合はまず起こりませんし、古くなると響板割れや響落ち、駒落ちが起こることがあり、これは修理可能ですが、適切な空調管理がなされていなかったのが原因と云われれば、それまでになります。
そのように考えると、ピアノの場合の補償期間というのは、云ってみるだけで、何年であってもほとんど意味がないことになります。
なので販売店のなかには、安価な中古の国産アップライトの保証期間が10年という謳い文句も登場するわけです。
実際のところは保証期間に関係なく、メンテナンスは販売店とお客様の信頼関係の上に成り立っており、設置環境が悪ければ適切なアドバスして環境を改善してもらい、丁寧に調整されたピアノの場合、仮に不具合が起こっても、定期メンテナンスの折に簡単に修復できますので、余程のことがない限り、通常のメンテナンス料金で収まります。
あえて云うと、新品の場合は、納入経路(販売店名)と納入日時、ファーストユーザーである(中古品を買ったのではない)ことを証明できるものがあれば、万が一の時には多少役に立つことがあるかも知れません。
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