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調整されたピアノを試弾しないと意味がない

ピアノの性能は丁寧な調整で大きく向上します!

構造が複雑なピアノという楽器は、たとえ新品ピアノでも、販売店できちんと調整(調整・調律・整音)されたピアノを試弾されないと価値判断を誤りますし、最終的に自分好みのタッチや音色に近いピアノに仕上げることができる、云わばセミオーダーの楽器だからです。

これが理解されておらず、多くの方がブランドと価格だけでピアノを選ばれているように思います。

写真は入荷したばかりの新品のディアパソンを、納品前に店頭で出荷調整をしているところですが、これで大きく性能が向上します。

調整は鍵盤のキーホールの清掃から始めます(店頭での出荷調整風景)


ピアノという楽器は内部に複雑なメカニズム持つ楽器なので、そのメカニズムの調整が上手く出来ていないと本来の性能を発揮しません。

もし性能(音色や響き、タッチ、表現力)を大切に考えるなら、仮に新品ピアノであっても手間はかかるが一連の複雑なメカニズムを一から精密に調整してやる必要があり、丁寧な調整を行うと同じピアノであっても、特性も変り性能も大きく向上します。

ここでは調整の最初の基本的な作業である鍵盤調整に関して少し説明させて下さい。
 中古ピアノは勿論ですが新品のピアノでも丁寧な調整は不可欠で、基本の鍵盤調整を行うと弾いて気持ちが良いピアノになることがご理解頂けると思います。

鍵盤調整とは?

全ての鍵盤がスムースに動き、鍵盤の高さと深さを均一に調整をすることですが、これが均一でないと鍵盤の上に載っているアクションも正常に機能しないので調整の基本です。

弊社では新品ピアノが入荷後、一度、店頭で開梱・組立して納入前の調整をしますが、先ずは基本的な作業である鍵盤のキーホールの清掃から始めます。

当店でピアノを選ぶメリット

鍵盤を支える金属のピンを一本一本写真のように磨いていきます。この作業は新品ピアノはもちろんですが、鍵盤のスムースな動きを確保するには、定期メンテナンスでも同様の作業を行う必要があります。


バランスキーピン並びの調整


バランスホールの調整これも鍵盤がスムースに動く上で欠かせない作業です。


バランスホールの調整鍵盤がスムースに動く上で欠かせない作業です。


全ての鍵盤の高さが一定になるように鍵盤の高さを調整します。
中古品に限らず、新品ピアノでも、人の手で正確に合わせていく必要があります。


全ての鍵盤の深さが一定になるように鍵盤の深さを調整します。
一旦きちんと調整してからも、定期のメンテナンスの際にも微調整します。


これらの一連の作業を鍵盤調整と云いますが、これは整調作業のほんの一部です。 

ピアノを選ぶ前に知っておきたい大事なこと

このように全ての土台である鍵盤調整から始めて、次はアクション、ダンパーの調整を行い、この作業が全て完了して初めて調律します、そして最後の仕上げとして音色の粒をそろえる整音作業をして完了します。

これらの全ての作業時間は、手慣れた技術者で3日間ほどかかりますが、今では1千万クラスの新品の高額ピアノですらかなり省かれいますので、それより安価なピアノなら尚更です。

調整に興味をお持ち頂いた方は、一連の作業をYOU YUBEで配信していますので、ご覧ください。

ピアノの調律とメンテナンスについての詳しい解説



 
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株式会社浜松ピアノ 代表取締役社長

植田 信五


調律師の1日の訪問は何軒が適切か?

グランドピアノの調律風景

原則として1日2台の調律をノルマとする調律師(店)と3台以上の調律をノルマにする調律師(店)があり、同じ調律ながらこの台数の違いは何なのか?がテーマです。


過日、関東地区の大手楽器店に勤務の30歳の調律師が、退職を機に弊社に将来の調律技術向上のことで相談に来られました。

彼の説明によると、関東地区の他のピアノ店にも、調律師としての再就職について打診してみたが、調律師の1日のノルマが、どこの店も1日4台~5台だそうです。

1台のピアノの調律に要する時間は1時間少々なので、交通事情さえ許せば1日5台調律しても、一日の8時間労働の中で収まりますし、お客様も安い調律代金を望まれる方が多いので、このようなノルマになっているようです。

ちなみに浜松ピアノ店の調律の基本ノルマは1日1台~2台ですが、これは1時間で終わる調律に3時間かけるという意味ではありません、調律に要する時間は皆同じです。

それでは何が違うのでしょうか?

それは調律(調弦)の前に鍵盤やアクションの整調をしてから調律し、最後に整音をして1台のメンテナンが完了するので1台に半日かかるわけですが、最近はお客様のご理解も深まり1日調整(メンテナンス)のご依頼をいただくお客様も増えてきました。

調律に入る前に、全体的なメカニズムの不具合の微修正します。

調整が完了してから調律を行い、最後に整音をして完了です。


このようなメンテナンスで同じピアノでも音やタッチに随分の性能差が出てきますし、徐々に演奏者好みのピアノに仕上がってきますので、もう簡単に手放せないピアノになります。

新品ピアノを納品して約4ヶ月後の一回目のメンテナンスの様子です。


ピアノの調律とメンテナンス



 
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株式会社浜松ピアノ 代表取締役社長

植田 信五


グランドピアノの大きさによる違いは?

グランドピアノは大きい(奥行きが長い)ピアノが良いとされる理由は、低音部の巻き線が長く張れるので、その分巻き線を細くすることができ、そのために明確で柔らかい低音になること、タッチについても鍵盤の奥行が長くなる分、弾き易くなります。

スタインウェイのフルコンサートピアノ(奥行274㎝)

写真はスタインウェイのAモデル(奥行188㎝)のもので、鍵盤の仕組みを分りやすくするために取り外したものです。


鍵盤の写真ですが、上側が奥行き155cm、下側が奥行き188cmのピアノの鍵盤の写真です、極端には違わないのですが、鍵盤の長さか微妙に違うのがご理解いただけると思います。

鍵盤を上から見た写真ですが、鍵盤の真ん中あたりにフェルトが見えると思いますが、これはバランスピンと呼ばれるピンの穴で、このバランスピンが、丁度、シーソーの支点になります。


鍵盤の上にアクションを載せた状態、写真はスタインウェイのAモデルです。


もちろん、大きいというのは鍵盤の奥行だけではなく、響板の面積も大きくなり、高音部の弦長はそれほど変わりませんが、中音から低音域の弦長さは、大きなピアノになればなるほど長く取れます。

ですから同じ品質のピアノならば、大きなピアノほど豊かな低音を出し、いわゆる、ダイナミッツクレンジが大きいピアノになりますので、これらの相乗効果で、大きなピアノほど弾いて気持ちが良いことになります。

トータルに考えると?
 
しかしながら良質のピアノはコンパクトなピアノでも、響板やボディー全体が一体となって鳴りますので、丁寧な調整と整音をすると弾き易く大きさ以上の豊かな低音や中音域も出ますし、キラキラとした魅力的な高音域になります。

最近の傾向は、コンパクトで家具としても魅力的で、所有すること自体に喜びもあり、少し高価でもよく鳴り音色が美しい、高品質な小型ピアノが好まれる傾向があります、もちろん丁寧な調整と整音が絶対条件ですが。

極端な例かも知れませんが、良く調整されたイタリアの最高級ピアノ、ファツィオリピアノの最も小型の奥行き156㎝(1千3百万円)を一度、弾かれてみると、誰もがその快適さにびっくりされると思います。

理屈通りに行かないのが世の常ですが、まして趣味性の高いピアノという楽器のことですから、丁寧な調整と自分好みに整音されたピアノならばコンパクトなグランドでもぜひ欲しいと思われるのではないでしょうか。

お薦めブランド

YOU TUBEで解説しています。
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植田 信五


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