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ピアノ4時間調整×4日コース 2日目

ピアノ講師の自宅のヤマハグランドピアノが不調なので直して欲しいというご依頼を受けました。

一通り全体の調整ということで2日(16時間)コースで調整しますが、丸一日空いている日がないということでしたので、4時間コースを4日に分けて行うことになりました。今回は2日目の4時間の作業内容です。


前回の続きです。

 

鍵盤の動きがスムーズになったので次は鍵盤の高さの調整ですが、その前に鍵盤フレームと本体の棚板の隙間の調整です。ここを先にリセットしないと後でやると鍵盤の高さや深さの量が変わってくるので、まずこの「ベッティングスクリュー」というボタンを出し入れして調整します。(※写真がわかりづらいので詳しく知りたい方はこちらの→動画で解説しています。)

 

 

次は鍵盤の高さの調整です。これは鍵盤の深さやダンパーのかかり(始動)の調整を正確に測るために鍵盤の高さを揃えます。先ほどの棚板調整のベッティングスクリューが出過ぎていたのでリセットすると鍵盤が1mm以上下がりました。ベッティングスクリューが必要以上に出過ぎると鍵盤フレーム(筬)の手前と奥の部分が浮いて棚板との隙間が出来るのでパワーロスになります。きちんと調整すれば音量アップにもつながります。

 

 

鍵盤の傾きを調整して次に鍵盤の下にある紙を抜いたり足したりしながら高さを揃えます。
(詳しく知りたい方はこちらの→動画で解説してます)

 

 

高さがそろったら次は鍵盤の間隔の調整です。
フロントキーピンを左右に動かして間隔の調整をします。

 

 

 

次に白鍵の深さ(沈む量)を全て揃えます。
(詳しく知りたい方はこちらの→動画で解説しています)
※黒鍵の調整は白鍵とアクションの調整が終わってから最後の方でします。

 

 

 

次は全てのハンマーが弦のど真ん中に当たるように調整します。
ハンマーの傾きや間隔、ハンマーの進行方法も一つ一つ調整します。
(詳しく知りたい方はこちらの→動画で解説しています)

 

 

 

ハンマーのポジションが決まったら次はその下にある「サポート」という部品の位置調整です。
(詳しく知りたい方はこちらの→動画で解説しています)

 

 

 

次は鍵盤の奥についているバックチェックという部品(黄色が付いてる部品)の位置と傾き調整です。ハンマーが打弦後に受け止められる重要な部品で、無駄なく中心で受け止めれるようにワイヤーを曲げながら調整します。
(詳しく知りたい方はこちらの→動画で解説しています)

 

本日2回目のメニューは、

①棚板調整
②鍵盤高さ・傾き・間隔調整
③白鍵深さ調整
④弦合わせ(傾き・間隔・走り)調整
⑤サポート合わせ調整
⑥バックチェック合わせ調整

でした。続きは日曜日に行ないます。ピアノの調整はまだまだたくさんやるべきことがあります。

 

>ピアノのコンディションを良くするために必要なこと
  ①全体の調整 ②空調管理

 


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株式会社浜松ピアノ 代表取締役社長

植田 信五


ピアノ4時間×4日調整コース 初日

ピアノ講師の方が自宅のヤマハのグランドピアノG3が不調なので直して欲しいというご依頼を受けました。

一通り全体の調整をして欲しいということでしたので2日(16時間)コースで調整することになりましたが、丸一日空いている日がないということでしたので、4時間コースを4日に分けてお伺いすることになりました。今回は初日の4時間作業の様子をご紹介します。

 

早速お伺いしてピアノの状態を見ると、調律以外の鍵盤やアクションやダンパーの調整(整調)、そして弦を叩くハンマーの形状や弾力の調整(整音)をきちんとされていませんでした。

 

 

 

 

ハンマーフェルトに弦の溝が深く付いているのと中心からズレた型がくっきりとついていたので一度溝を取って新品のように整形することにしました。

 

 

整形後です。これでハンマーの形状はリセットできました(まだポジションや噛み合わせの調整はできてませんが)

次は、鍵盤の下のピアノの基礎の部分です。

 

 

 

埃やゴミと鍵盤にささっている金属のピンが錆びていたのでこれを磨いてリセットです。このピンは鍵盤をスムーズに動かすための重要な部分です。ベトベトしていたりザラザラしていたりすると円滑な鍵盤動作ができなくなります。

 

 

これで176本のピンもピカピカになりました。

 

 

次は2日目の作業はピンの位置や向きを全て揃えます。

 

本日の4時間メニューは、

①ハンマー整形
②バランス・フロントキー(鍵盤)ピン磨き
③バランスキーピン位置調整
④フロントキーピン方向調整
⑤バランスキーホール(穴)調整
⑥フロントキーホールがたつき修理

でした。続きは明日行ないます。2日目の作業

>>>ピアノのコンディションを良くするために必要なこと
  ①全体の調整 ②空調管理

 

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株式会社浜松ピアノ 代表取締役社長

植田 信五


安さだけで中古ピアノを選ぶと失敗します

中古ピアノは初心者が多く購入動機も値段の安さが決め手になるので、最低限の整備しかされず弾き難く音色が悪い中古ピアノが多いのですが、購入者の方もピアノを良く知らないのでこんなものと思われているようでクレームになりません。

しかしピアノ好きの方が中古ピアノを購入された場合は、ご不満が多く弊社にも電話相談をよく頂きますが、なかでもグランドの中古品の不満点が多いです。

申し上げたいことは、中古品が悪いのではなく、中古品でも消耗部品がまだしっかりしているピアノであれば、これを丁寧に調整すると新品以上の魅力的なピアノになるということです。この点は古い弦楽器と同じことが云えます。


弊社が考えるお薦めの中古ピアノは?

①保管状態が良く(錆やカビがない)消耗品の程度の良いピアノを丁寧に再調整したもの

アップライトピアノの中古品は市場に豊富でデザインも黒色のシンプルなピアノ多のですが、弾き込まれたピアノは少ないので、黒色で良い言う方は中古品もお奨めですが、木目や外装のデザインにこだわる方は選択肢の多い新品をお勧めします。

展示中の中古アップライト カワイのマホガニー仕上げ

珍しいペトロフの中古ピアノ チェリー艶消し仕上げ


グランドピアノの中古品は市場に数が少ない上によく弾き込まれているピアノが多く消耗品の寿命が心配なものが多いので、下手な中古品よりむしろ新品の方が良い気がします。

丁寧に調整した中古グランドピアノ


②割高でも消耗品を全て交換した中古ピアノ

これから長い期間(新品同様)弾き込んて行きたい方は消耗部品を全部新品に交換したピアノを選択するという選択肢もあります。
消耗品の交換の手間は同じなので、部品交換の際は思い切って弦やハンマーはドイツ製の高級品に交換して、それを丁寧に整調と鍵盤の鉛調整をして整音を施せば今の同クラスの新品より明らかに高級で魅力的になります。






ここまでやると中古ピアノでも新品並みの価格になりますが、演奏力がありピアノの良し悪しの判断がご自身で判断できる方には新品以上の魅力的な性能を発揮するので特にお薦めです。
皆様のご試弾をお待ちしています。

中古品の場合は、それまでの歪みや癖を修正して、いちから丁寧に整調と整音を施すには、高い技術力と手間がかかります。中古ピアノにはたくさんのリスクがあるので丁寧なご試弾が必要です。

中古ピアノのもう一つの選択肢

老舗のヨーロッパメーカーが中国で委託生産されているピアノは、比較的低価格(本国生産の三分の一程度)で国産中古品より少し高価になりますが、比較的安価でヨーロッパテイストの魅力的な新品がお好みで選択できます。










中古ピアノが商品になるまでVol.1(弊社の場合)


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株式会社浜松ピアノ 代表取締役社長

植田 信五


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