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ピアノという楽器の特異性とその問題点

ピアノは身近な楽器ですが、ピアノという楽器の特異性とそれ故の問題点についてはほとんど知られていませんし、語られることもありません。

指摘されると誰でも納得されると思いますが、ピアノが他の楽器と決定的に違うのは鍵盤から複雑な構造のアクションを通してリモートコントロールで打弦する楽器だということです。



ですからそのリモートコントロールのメカニズムが上手く作動していないと、いかなピアニストであれ、本来の表現力豊かな演奏ができないということなのです。

その鍵盤やアクションメカニズムは、木を主体(他にフェルト類や金属)に構成されており、いかに厳選された木を使って精密に組み立てられた高級ピアノであっても、自然素材である木の宿命として必ず伸縮や歪みが起きます。

ですから先ずは技術者の手で一つひとつの部品の伸縮や歪みを正し、擦り合わせ調整をしてやらないと、鍵盤からの力がハンマーまで上手く伝わらず、ハンマーが弦のスイートスポットを的確に打弦することができません。

ただ新品で一通りの調整をやるには3日間(中古品なら倍以上)の手間がかかるので、1千万円クラスのピアノ以外はこの調整が相当省かれているところが問題なわけです。

個々のピアノが本来の性能(音色、タッチ、響き)を発揮するためには、まずは丁寧なメカニズムの丁寧な調整を行った上で調律して、最後に好みの音色の粒に揃える整音をやる必要があり、これは新品時だけでなく毎回のメンテナンスでも、調整してから調律をして整音するのは同じです。

逆に仮に中古品や安価なピアノであっても、この調整と整音をきっちりやると、準高級ピアノになるとも言えます。





ピアノの選び方とその問題点

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植田 信五


アンティーク(ビンテージ)ピアノの魅力と問題点は?

普通の中古ピアノとは違い、100年落ちのピアノをリニューアルしたもの、いわゆるアンティーク(ビンテージ)と呼ばれるピアノは、ノスタルジックな魅力もあり、一部の愛好家に人気があります。

古い弦楽器が高評価されるのは、経年劣化する鉄やプラスティック違い、木は年数が経過するほど固く強固になるので魅力的な響きを持つからですが、ピアノも木を主体とした楽器なので、その意味で弦楽器と同様に古いピアノほど魅力的な響きを持つと云えます。







しかし構造がシンプルな弦楽器と違い、ピアノは内部に複雑なメカニズムを持ち、消耗品(弦やハンマー、フェルト類)の交換やその調整だけでも大変ですし、さらに消耗部品を交換しても内部には接着箇所が膨大にあり、それらの膠(にかわ)の接着面もさすがに100年も経過すると脆くなっていることです。

そのようなことを考慮すると、できればファーストピアノではなく、セカンドピアノとして丁寧に使用し、空調管理(温度湿度)も万全を期す必要がありますが、それでも想定外のところが剥がれて故障する可能性があります。

しかも一旦トラブルとなると修理も厄介なことになることが多いので、メンテナンスの大変さ(費用)も頭に入れておく必要があり、それらを勘案してアンティークピアノのメンテナンスは請け負わない調律師も多いので、何かあってもすぐに駆けつけてくれ、面倒な修理も気軽に対処してくれる、近くに住む古いピアノの修理に長けた調律師の確保が必要です。

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植田 信五


ヨーロッパ製ピアノは日本での使用は不向きか?

ヤマハ、カワイのショールームで良く説明されるフレーズですが、戦後、日本が貧しく外貨がない時代には北海道のエゾ松を使ったという話を聞いたことがありますが、国産のピアノも木材は全て輸入材です。

また輸入、国産を問わず高級なピアノほど自然素材(無垢材等)を多く使うので温度や湿度といった環境の変化には敏感です。

また本来の高級ピアノに使用する木材も屋外で数年の自然乾燥を経て使われますが、国産ピアノは効率重視で工場内で短時間で人工乾燥した木材(響板等)が使われるので、木材の細胞を痛めて楽器の命である響板の寿命も縮めることになります。

広い工場の敷地内で自然乾燥された木材(ペトロフの工場にて筆者撮影)

また最近の国産ピアノは内部のムービングパーツに木の替わりに、木より軽く鉄より堅いカーボンファイバー(炭素繊維)を使ったものがありますが、これは軽くて歪みがなく均一な形状で合理的ですが、堅過ぎて木のように適度なたわみがないのでタッチに違和感が生じます。

黒く見えるのがカーボンファイバー


しかもアクション内部のセンターピン(関節部分)はカーボン(本来は木)とフェルトが一体化したデリケートな部分なので、ここがひとたび湿気ると、湿気を吸わないカーボンはフェルトだけに湿気が集中するので、一旦、湿気ると木に比べ自然復元力が極端に劣ります。

昔ながらの木を使ったアクション(スタインウェイ)


一般的な量産ピアノは工業化に適した伸縮や歪みが少ない積層材等や人工素材を多用して大量生産されるので、均一で安定した品質という意味では良いのですが、天然素材が多い高級ピアノに比べると、音色や響きと云った楽器としての魅力は乏しくなります。

特にチェコで製造されるペトロフピアノは、単に合理化が遅れているだけとも言えますが、今でも昔ながらのヨーロッパの伝統的な製法で製造されるので、今は七輪の炭火で焼いたサンマが高級なのに似て、ヨーロッパ製ピアノとしては最安値(人件費がまだ安いので)ですが、すべてが合理化された今の時代では高級ピアノと云えるのではないでしょうか。

古めかしい工作機械が今でも使われています(ペトロフの工場にて筆者撮影)




鍵盤蓋も無垢材


無垢材のアップライト用の支柱

無垢材のグランドピアノの支柱

ピアノの脚も無垢材


お奨めブランド  ペトロフ


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