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指の力が弱いお子様こそ、丁寧に調整されたピアノが必須です! 

調整不足のピアノは鍵盤が重く、鍵盤のレスポンスも悪く力んで鍵盤を叩かないと音が出ないので、まだ筋肉が十分に発達していないお子様が演奏するには全く不適当なピアノということになります。

ちなみに良く調整されたピアノの鍵盤は(ダウンウエイト)50gで下がり20g位で上がるのが大体の標準でアップとダウンのバランスの上に成り立っていますが、これが10g以上重くなると大人でも重いのでお子様には尚更、鍵盤が重く弾き難いピアノになります。

ですからメーカー、中古・新品・安価・高級、どんなピアノを選んでも良いのですが、最も大切なことは良く調整された表現力豊かなピアノということが絶対条件です。


ピアノという楽器は他の楽器と違い、鍵盤を通じてリモートコントロールで打弦する仕組みで、そのメカニズムも木とフェルトが複雑にリンクしていますので、自然素材特有の伸縮や歪みを一つひとつ修正してから丁寧に擦り合せ調整をしてやれば鍵盤もスムースに動き効率良く打弦できますので、弾き易く表現力豊かなピアノになります。

きちんと調整されたピアノの鍵盤は(ダウンウエイト)50gで下がり20g位で上がるように設計されていますが、調整不足のピアノは鍵盤から打弦までの無駄なエネルギーロスが大きいので鍵盤が重くて弾き難くなります。

調整されてないピアノは、メカニカルなロスが大きく弾きづらいピアノになります

アップライトのメカニズム             

 


グランドピアノのメカニズム


これらのメカニズムを丁寧に整調(調整)したピアノで初めて、まだ指の力が弱いお子様さまでも難しいピアニシモ(小さな音)も音色の粒が揃った綺麗な音が出せますし、トリルは勿論、大きな音も力まずに無理なく出せますので、ピアノ嫌いになることもなく、謳うような表現力豊かな演奏ができますし、猛練習でも腱鞘炎にもなりません。

お子様には、無理に高級な新品ピアノでなくても中古ピアノでも良いのですが、中古ピアノは新品の倍上に調整に手間がかかりますので、安さが売りの中古ピアノには丁寧な調整はまず期待できませんが、多少高価でも時間をかけて丁寧に調整した中古ピアノなら表現力豊かなピアノになります。

表現力豊かなピアノで練習するとピアノが上手くなるというお話

先ずは鍵盤調整(鍵盤をスムースに動くようにして全ての鍵盤の高さと深さを同じにする作業)から始めますが、ちなみに鍵盤調整だけで新品で1日、中古品なら2日の作業時間が必要です。

下の写真の作業だけでも弾き易いピアノになることがご理解頂けると思います


いかなるピアノであれ、販売店で納品前に丁寧な整調と整音を施し、さらに納入後も部屋の音響を加味しながら、より演奏者好みにタッチや音色(整調と整音)に仕上げると、小さなお子様でも弾き易いピアノになりますので、いわばピアノはイージーオーダーの楽器と云えます。

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植田 信五


中古ピアノもきちんと調整すると新品以上に高性能なピアノになる可能性があります。

その訳はピアノの主材料の木材は、鉄等と違い年数が経過するほど堅く強固になるという木材の特性上、古い弦楽器と同様に古いピアノほど基本的には楽器としては優れるからです

しかし実際には大概の中古ピアノは新品に比べて性能的に大きく劣るのは、安く販売するために内部のメカニズムの癖取りや錆び取りをはじめ、内部の十分な調整が省かれている中古品が大半だからです。

丁寧に調整すると中古ピアノと云えども、魅力的な性能を発揮するピアノに生まれ変ることがご理解いただけます。

中古ピアノ(ヤマハYUX)が商品になるまでの主な作業工程を写真で簡単にご説明します。

ハンマーフェルトについた弦の溝。
中心に当たってなくずれたまま跡がついているので綺麗に整形し直します。

連打する上でかかせないフレンジコード(白いヒモ)も新品に交換。環境にもよりますが
10年以上はもちます

 

打弦したハンマーを元の位置に戻す役割のブライドルテープ(赤いチップのついた紐)も
新品に交換します

アクションの裏側にある金属のスプーン(ダンパースプーン)と棒状(ダンパーロッド)のもの
を磨きます、汚れやサビでザラついていたりすると部品同士が擦れ合って雑音が出るからです。

弦が巻きついているチューニングピン、約230本あります。
これも指で1本ずつ磨きます。

弦のサビを可能な限り落とします

ベアリングのピンもピカピカになりました

次は鍵盤下のピン(バランスキーピン・フロントキーピン)磨き、スチールウールとコンパウンドで磨きます

鍵盤の手前側(四角)木口こぐちが少し変色していたので貼り替えました。この修理で1日かかります。この木口はセルロイドで出来ているので経年変化で変色します。

鍵盤のキズや汚れを1鍵ずつ羊毛バフで研磨します



中古ピアノは調整に入るまでに部品を綺麗に磨いたり、消耗品を交換したりと随分手間(時間)がかかりますが、これをどこまでやるのか、つまり新品の部品に交換するのか現行の部品を綺麗に整えて使うのか、それとも全く何もしないのかによって販売価格も変わってきます。

消耗品の程度の良い中古品をじっくりと丁寧に仕上げていけば高性能(音色、タッチ、響き)なピアノになります。低価格重視か?それとも弾き心地や綺麗な音色重視を重視するか?手間のかけ方の違いが性能の違いになります。

まずはフロントピンを定規に対して直角になるようピンを回して全て同じ方向に揃えていきます。




続いてバランスのピンに定規を当てて同じ位置に並ぶようにします。

鍵盤の裏側に赤いクロスがありますがこの穴の幅が狭い、つまり遊びがなかったので広げます。

鍵盤の木の部分の穴が極端に狭くなっていたのでヤスリで広げ丁度良い具合に調整します

ハンマーの方向(傾き)が正しいか高音部・中音部・低音部全て調べます。

ハンマーを一斉に弦にくっ付けてみます

弦の間隔も均等に揃えます。 

 

鍵盤(白鍵)の高さを適正な寸法に合わせ全ての高さ・傾きを揃えます

平らな定規を鍵盤の上面に軽く当ててみるとこんなに隙間があります。つまり鍵盤の高さがガタガタです。おまけに写真の右から3番目の鍵盤は左に傾いています。

白鍵の高さの次は黒鍵の間隔を揃え高さも揃えます

アクションのジャックという部品とそれが当たる部分(バットスキン)の位置を合わせるウイペン調整です。


バックチェックという部品が奥の黄色い部品(キャッチャー)ときれいに噛み合うようにワイヤーを曲げて88個全て調整します。


その下のキャプスタンボタンの位置を88鍵全て前後左右調整します。

キャプスタンボタンの位置を隣同士揃えます。

 

ジャックという部品の高さの調整です

白鍵の深さ(沈む量)を下に挟んである紙パンチングを出し入れして白鍵全てを10mmに揃えます。
隣同士の鍵盤の深さを統一しないと、音量や弾き心地も揃いません。

 

接近するハンマーと弦の間の距離を測りながら88個全て同じ距離に揃えます(ハンマー接近調整)
これが揃っていないと繊細なピアニッシモが出にくくなり音の輪郭も揃いません。


ハンマーが弦を叩いた直後にストップする距離を88個全て揃えます(ハンマーストップ調整)
距離が広いと指にコツコツ感じタッチも重くなり、狭すぎるとフォルテッシモが出せず鍵盤も浅く感じ弾きにくくなります。

ジャックという白い部品のストップバーの距離調整です。低音から高音部まで距離を揃えます。


赤いチップがついているブライドルテープ。前進したハンマーを後ろに戻し素早く2度目の音を出すためのヒモで、この張り具合を88本1つ1つワイヤーを曲げて調整します。

ダンパー調整

弦が駒から浮いていないか真鍮棒で軽く叩いてしっかり密着させます。
これにより弦の1本うなりが解消されます。(通常弦は1本だけではうなりは発生しません)

 

調律

 

まずは弦とハンマーの噛み合わせの調整をします。
歯の噛み合わせをイメージしていただくと分かりやすいと思います。
2本(低音部)または3本(中音~高音部)の弦が、同時にハンマーに当たるように削ってレベル(高さ)を合わせるため、一度ハンマーに色をつけます。

ハンマーを弦にあてた状態で弦を1本ずつはじいて音の長さを聴きます。
当然先に早くあたっていると音の長さが短いので、ハンマーのその部分(3本あれば左or真ん中or右)を板ヤスリで削ります。

整音 気になるところをチェックしていきます


耳につくような硬い音がたくさんあったのでハンマーに少しずつ針をさして再度確認。
深くさしたり先端付近を軽くさしたりと、針を入れる場所や深さによって音が随分変わりますので隣同士の音色(音質)と同じようになるように慎重に行ないます。

 

弊社の中古ピアノが商品になるまでで詳しくご案内しています


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植田 信五


中古ピアノを商品にするまでには、想像以上の手間がかかります

中古ピアノの場合は、外装のクリーニングや不具合の修理と調律は当然ですが、それだけでは性能的(タッチ、音色、響き)はあまり期待できません。

中古ピアノは、鍵盤調整から始まる複雑な構造のアクションやハンマー、ダンパーの丁寧な歪みの修正と擦り合わせの再調整が必要です。

なぜならこれらの部品はすべて微妙にリンクしていますので、どこか一か所でも不具合があると全体の性能に悪影響を及ぼすからです。

ピアノは鍵盤を通じてリモートコントロールで打弦するので、一応の修理や修正が完了してから、まずは個々の構成部品の適切な擦り合わせ調整が不可欠ですが、さらには個々のハンマーはスイートスポットを正しく打弦するように調整する必要もあります。

この一連の作業は新品でも3日間の作業時間が必要で、中古品になると優に新品の倍以上の作業時間が必要になりますが、現実には大半の中古ピアノは安価に販売するために多くの作業工程が省かれていますで、本来の持てる性能が出ていない中古ピアノばかりになっています。

ピアノは複雑なメカニズムがお互いにリンクしています

アップライトの鍵盤、アクション、ハンマー、ダンパー


グランドピアノの鍵盤、アクション、ハンマー、ダンパー




新品も同じ作業が必要ですがまずは鍵盤調整から始めます、この作業はすべての鍵盤がスムースに動くようにするための作業ですが、この後もすべての鍵盤の高さと深さを均一にしなければなりません。

この一連の作業だけで新品で1日、年数が経過した中古ピアノならこれだけで2日程の作業時間になりますが、この作業をやるとやらないでは弾き心地が全く違ってきます。

写真はグランドピアノですがアップライトピアノの作業も同じ内容です。


作業内容を順を追ってご説明しています
弊社独自の中古ピアノが商品になるまでの作業工程のご紹介

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