ピアノの性能を最大限引き出すために

Tuning & Maintenance

相性の良いピアノとの出会いのために

Choosing a piano

ピアノ日誌

Piano Diary

Home>ピアノ日誌

ピアノの選び方とその問題点 ⑥

ブランド別の音色の違い

音色の違いを言葉で表現するのは難しいのですが、一説では金属の響きを美しく鳴らす、或いは木の響きを美しく鳴らすという2つの分け方があります。

金属の響きを、、という代表的なピアノがスタインウェイで、現代のヤマハ、カワイもこれに準じています。



木の響きを、というのはベーゼンドルファー、ファツィオリ、ペトロフ等ですが、これは基本特性なので、丁寧に整音(ヴォイシング)をしてやると音色の印象も随分変わります。

余談ですが、ニューヨークスタインウェイのチーフテクニシャンでホロヴィッツの専属調律師であったフランツ・モアさん(筆者も昔一度だけお会いしたことがある)によると、スタインウェイをホロヴィッツ好みの音色に仕上げるのには相当苦労されたそうです。

お薦めブランド

 

株式会社浜松ピアノ 代表取締役社長

植田 信五


ピアノの選び方とその問題点 ⑤

外装選びについて

黒艶出しの他に、木目の代表的なものではマホガニーとウォルナット(艶出しと艶消しがあり黒より高価になる)があり、いずれも艶出し(外装を堅いポリ塗料で覆っている)が一般的ですが、ピカピカして嫌という方には艶消しの選択肢もあります。

多彩な外装(木目)が選択できるペトロフピアノの外装見本


艶消しは木の自然な感じがして落ち着き、アンティーク家具の雰囲気が魅力的ですが、表面の保護膜のポリがないぶん傷つき易く、色落ちにも敏感で、一旦傷をつけると完全に傷を補修するには、傷をつけた一面の全面修理が必要なので厄介な面もあります。

性能は勿論大切ですが、家のなかに置くピアノという観点からすると、他の家具とも馴染む好みの外装のピアノを選ぶと一層癒しの部屋になるので、その意味では外装選びも大切です。

大概のメーカーは黒を中心にピアノを生産していますので、木目を選ぶと、価格も高く納期が半年以上かかるものが多いのですが、最初から木目を中心に少量生産している、たとえばペトロフピアノなどは黒も木目もお値段も納期も変らないメーカーもあります。

ペトロフP118C1 チッペンデール ウォルナット艶消し仕上げ


お薦めブランド ペトロフピアノ

株式会社浜松ピアノ 代表取締役社長

植田 信五


ピアノの選び方とその問題点 ④

大きさの選び方と性能の違いについて

最近は部屋のインテリアに似合う木目でコンパクトな音色の良いピアノを希望される傾向がありますが、性能(特にタッチ・魅力的な低音)を重視すると大きいピアノほど魅力的になります。

大きさの違いとはアップライトでは背の高さ118cm~132cm、グランドは奥行き155cm~274cmのことを云いますが、標準鍵盤の88鍵なのでどれも横幅はほぼ同じになります。

大きなピアノは大きい分だけ低音域の弦(巻線)が細く長く張れるのでその分、低音域の響きが魅力的になります。

大きなピアノは低音弦の巻線が細く長く張れる


白鍵、黒鍵の大きさはどのピアノも同じですが、鍵盤はシーソーのような動きをしますので、大きなピアノは鍵盤の奥行きが長くなる分、弾き易くなることです。

大きなピアノは鍵盤の奥行きが長くなる

大きい方から云うとフルコサートピアノが奥行き274cm、セミコンサートで227cm、家庭用では210cmが大きい方になり、アップライトでは高さ132cmが一番大きいものになります。

大きさ的にはフルコンサートピアノが理想ですが、場所も取り、お値段も2千万円前後になります。

これを予算と性能の折り合いから考えると、比較的安価なピアノでも大きなピアノを選べばその分魅力的になります。

しかし難しいのは小さなピアノで弾いて気持ちが良いピアノです。
これは安価なピアノでは実現が難しくなりますので、コンパクトでデザイン的にも魅力的で、尚且つ魅力的な音色のピアノとなると、やはりピアノ全体で鳴るヨーロッパ製のコンパクトピアノが魅力的です。

グランドピアノとアップライトピアノの違い

ピアノの選び方とその問題点

株式会社浜松ピアノ 代表取締役社長

植田 信五


ピアノ日誌Piano Diary


不要・中古ピアノ買取
ピアノ聴き比べ