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旧式アクション(シュワンダー)と現代アクションの違いについて

グランドピアノのアクションメカニズムも昔に比べて進化し、グランドピアノのアクションは1960年代後半から1970年代に今のように連打が容易にできるアクションになりました(メーカーにより移行時期にずれがあります)。

それ以前のアクションはシュワンダーアクションと呼ばれるものでスプリングが一つで連打が難しくかったのですが、今はダブルスプリングで連打が容易になっています。

シュワンダーアクション

現代のアクション 写真はスタインウェイのアクション見本


何故このような話題になったかと云うと、音色が気に入ったということで古いグランドを購入される方がおられますが、使っているうちに連打が効かず(もたつく)弾き難いということで、弊社へのご相談が毎年、何件も寄せられますが、販売店が販売の際にアクションの違いを説明をされていなかったようです。
 
上の写真では違いがわかり難いと思いますが、アクション中央部のスプリング(棒状の金属)が1本のものがシュワンダーアクションで、2つスプリングがついてのが現代のアクションです。

シュワンダーのアクションも十分に調整して鍵盤調整と鉛調整等を行うと少しは弾き易くなりますが、アクションから出る雑音の撤去も難しく連打が効かないのはこのアクションの宿命なので、解決するにはアクションをまるごと現代のアクションに交換するしか方法はありません。

シュワンダーアクションから現代のダブルスプリングに移行した時期はメーカーによるズレがありますので、1970年代以前の古い中古グランドの購入をお考えの方は、そのあたりの知識とチェックも必要かと思います。
 
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株式会社浜松ピアノ 代表取締役社長

植田 信五


鍵盤(タッチ)の重いピアノで練習する方が上達するか?

ピアノの鍵盤は重さはダウン(何グラムで下がるか)とアップ(何グラムで上がるか)のバランンスの上に成り立っています。

ですからこのバランスを崩すと弾き難く表現力の劣るピアノになりますので、アップとダウンの重さは、どこのメーカーのものも似たような設計値になっています。

たとえば正常なスタインウェイの鍵盤の重さ(タッチ)は、S-155~B211までは47gの重さで鍵盤が下がり(ダウン)、20gの重さで上がる(アップ)ように設計されており、セミコンとフルコンサートピアノは低音部が52g~高音部47gになっており世界的にも軽い部類に属しますので、もしそのスタインウェイが正常なら、普通であれば鍵盤(タッチ)が軽く感じるはずです。

鍵盤(タッチ)が重くなる大きな要因は、ムービングパーツが汚れていたり錆びて(主に鍵盤まわり)ブレーキがかかった状態であったり、アクション等の調整不足でロスが大きく、本来の力で弾いてもピアノが十分に反応してくれないためです。








調整不良のピアノ(タッチが重い)では大きな音や小さな音が出しづらいので、ついつい力んで強く弾くようになりますので、当然ながら表現力の劣った演奏になり、それでも無理して弾いていると最悪、指が腱鞘炎になることもあります。 

ただ個人的な好みもあるので丁寧な調整を施しても重いので軽めにしたいということであれば、鍵盤の鉛調整(個々の鍵盤に埋め込まれている鉛の大きさとはめ込み位置を変えるて調整する)をやれば可能です。

鍵盤に埋め込まれている鉛
この鉛の大きさと位置を変えることで鍵盤の重さを変えることができます。


写真では分かりづらいですが、鍵盤の下に線が引かれています、この線に沿って既定の鉛が埋め込まれます(写真はヤマハグランドのG5)



上の写真のように量産ピアノの場合はだいたいの位置に鉛を入れ込みますが、すべても鍵盤を重さを厳密に同じにするには、メカニズムと鍵盤調整をした上で、更に鍵盤の重さを変更したい場合は鍵盤に埋め込まれている鉛の大きさと位置を変更します(鍵盤の鉛調整)

鉛調整シーンを約1分の動画に編集しています。



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植田 信五


メンテナンスはどのような調律師に依頼すべきか? ②

過日、宮大工の仕事のTV番組のなかで、カンナを綺麗にかけるには13年かかるという話がありましたが、何でも職人ワザというのはそのくらいの下積みが必要なんでしょうね。

調律師が育つ過程も宮大工と同様ですが、なかなか下積みが出来る職場環境もなく、下積みの低い給与レベルでは若い人材もこないので、今は30代~40代の若い優秀な調律師がほとんど育っていません。

調律師の能力のピークは40歳
 調律師も長時間の集中力の持続が出来る気力と体力、更に聴力だけでなく視力も必要なので調律師の能力のピークは一説では40歳と云われ、後は年齢を重ねてもそれをいかに保つかのようです。
 
先日の週刊誌に人工知能(AI)の発達で、今後10年で給料の増える仕事、減る仕事という特集がありましたが、調律師の仕事はAIにとって代わられることはないですが、ピアノの性能を大切に考えられる方は限られていますので、調律師の絶対的な仕事量(依頼件数)は年々減り続けています。

弊社はピアノ愛好家のためのピアノ店がキャッチコピーですが、件数はあまり多くはないのですが愛用のピアノを、整調・調律・整音の順で自分好みのタッチや音色に仕上げて欲しいというピアノの愛好家の方からの仕事はなくならないように思っています。
 
弊社ではピアノの性能を大切にお考えの方を対象に、岡山から東は滋賀県、西は山口県、北は島根、鳥取、南は四国全域まで大概は1泊2日でメンテナンスにお伺いしています。

他の地区は、九州は福岡、中部地区は浜松の山原氏、関東はピアノプレップの山内君に委託して、他はその都度、筆者(植田)の人脈を通じた委託調律師にお願いしています。

本来は近くに住む調律師が理想的なのですが、調律師なら誰でも良いという訳ではないので調律師選びは難しいものがあります。

調整の主な工程を1分程度の動画に編集しています。

ご覧頂くとピアノの調整がいかに複雑で手間がかかる作業かご理解頂けると思いますが、お客様の理解不足もあり、日常的にこのような作業を行なっている調律師は極少数です。

画面をクリックするとYOU TUBEに切り変ります。
 










 




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株式会社浜松ピアノ 代表取締役社長

植田 信五


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