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調律師の技術はお客様に奉仕するための手段

みんなのピアノ選びから抜粋

調律師の技術はお客様に奉仕するための手段

「これまでの科学技術者は、とかく視野を自分の研究対象あるいは仕事にだけ向けて、人間を理解するための観察や追求には目を向けようとしなかった。私はこれではいけないと思う。」
本田宗一郎『やりたいことをやれ』(PHP研究所)



人の役に立たない、喜んで貰えないような技術など意味を成さない!
本田技研工業(ホンダ)を創業した本田宗一郎氏は、技術者ならではの確固たる思想哲学から、周囲に常々そう語っていたそうです。

これを我々の仕事に置き換えてみると、調律や調整を通じて、いかにお客様にピアノを楽しんでもらえるか。ピアノ技術者たる調律師の本分をズバリ言い当てている気がします。

よく調律師は“ピアノを直すドクター”と例えられることがあります。
医療現場で「病を見て患者を見ず」といった言葉が存在するように、
ともすれば我々調律師も、仕事の関心がピアノだけに偏りがち。
視野を広げて依頼者の気持ちに配慮できるよう心がけたいですね。

~もっと弾きやすいピアノにして欲しい~
~10年後も使用できるピアノにして欲しい~
~調律ついでに何か1曲弾いて欲しい~

これらは実際にお客様から頂戴した様々なリクエストです。
ユーザーは調律師に対して何を望んでいるのだろうか
想像力を働かせて仕事に臨むことの大切さを考えさせられます。

これからの調律師はただピアノに向き合って作業するのみではなく、ピアノの魅力を相手に伝える努力や顧客の満足度を高めるための創意工夫も求められます。

いくら良い仕事をしても、その価値を理解してくれる人が増えなければ調律師もピアノメーカーも生き残ることは難しい気がします。

みんなのピアノ選び

当店でピアノを選ぶメリット

 

株式会社浜松ピアノ 代表取締役社長

植田 信五


ピアノの評価=楽器の個性+調律師の技術

みんなのピアノ選びから抜粋

楽器の個性+調律師の技術

ことコーヒーに関して、まだまだ素人な私ですが、ピアノメンテナンスに伺うお客様の中には相当な“コーヒー通”もいらっしゃっいます。

「あそこのブラジルは美味しいからぜひ飲んでみて下さい」とか
「マンデリンをあちこちで取り寄せたけど、ここが一番好き!」
と豆の銘柄(産地)を決めて自家焙煎の店を飲み比べる方も…。

豆の銘柄のみならず、焙煎、挽き方、注ぐお湯の温度、抽出方法、そうした幾つもの要素が絡み合って決定されるコーヒーの味。

美味しいコーヒーを淹れるためのグッズの数々。“違いが分かる男”になれるでしょうか。


ピアノも同様、弦を叩くハンマーフェルトの硬さ鍵盤の沈む深さアフタータッチの量など、調律師が施す調整作業の組み合わせ次第で、音とタッチに新たなキャラクターが宿る奥深い楽器なのです。

「調整でピアノの性格がこんなに変わるとは知らなかった!」
「あそこで弾いたときはタッチ重かったけど、この店のは弾きやすい」
とは複数の店で同じメーカー、同じモデルを弾いたお客様のご感想。
第一印象がイマイチだったピアノが調整で一変することも“無きにしもあらず”。たった一台のピアノで判断を下すのはあまりに早計です。

ピアノを調整する工具の一部をご紹介。すべてはユーザー好みの音とタッチのために。


他の店で他の調律師が調整したピアノを試弾するのも、お気に入りのピアノに到達するためのテクニックのひとつです。ぜひ好奇心をもって調整に熱心に取り組む各地のピアノ店を巡ってみましょう!

みんなのピアノ選び

ピアノの調律とメンテナンス

 

株式会社浜松ピアノ 代表取締役社長

植田 信五


ショールームは“楽器”と“調律師の技術”を検証する場

みんなのピアノ選びから抜粋

店を訪問するときの心得

「手入れのよい2流品の製品のほうが、ほったらかしにされたもっと良い銘柄のピアノよりもまさしく上位にあることがよくあります」イェルク・デームス/渡辺健訳『演奏のよろこび』(白水社)より

「ショールームのピアノなのに何で普段から調律・調整をおこなっていないのだ。けしからん!」そうご立腹されているかもしれません。

ここでご理解を頂きたいのはピアノが温度・湿度の変化によって状態が狂う性質であることです。

特に数多くピアノを揃えている店において楽器全てを最高のコンディションで日常管理するのは至難の業。
客の出入りや試弾が相次げば完璧に調律・調整されたピアノでも徐々に状態が崩れてきます。

当然ながら頻繁に手入れすべきですが、経営者の言い分からすると
「調律師に店のピアノばかり調整させてもお金にならん。給料払っているのだから外で調律代を稼いでこい。」というのが多くの楽器店にみられる実態であります。



そこを踏まえたうえで、冒頭の引用です。
ピアニストJoerg Demus(1928~ )はインタビューで楽器とメンテナンスが不可分であることを主張していますが、このコメントはショールームに飾られているピアノにもまさしく当てはまります。

未調整、あるいは仕上げてから時がしばらく経っているポテンシャルを秘めたピアノと、いまベストな状態に整えたばかりの平凡なピアノを並べて展示したとします。

すると時として、音(調律)の気持ち良さ、弾き心地(タッチ)の点において楽器本来の性能とお客様の評価が逆転してしまうことがあります。

「あれ、検討していたピアノは値段が高いだけで案外たいしたことないや。意外とこっちの安いピアノの方が音がきれいで弾きやすいかも・・・」といった具合に。

お客様のこうした反応はピアノに携わる調律師として非常に不本意ですし、不当に低い評価を下されたメーカーにとっても気の毒な話です。そして何よりお客様が品質の良いピアノを見過ごすこと自体が残念でなりません。

つまり楽器が100%の状態でないと、売り手買い手の双方にとってチャンスを逃す可能性がある訳です。このようなお互いにとって望ましくない状況を回避するにはどうすれば良いのでしょうか?

それは、お客様が事前に試弾する旨を店にしっかりと伝えておくことです。

目当てのピアノがハッキリしている方は調律・調整の状態確認、当日までにコンディションを整えられるか等々、前もって店側に問い合わせた方が賢明です。

必ずワンランク上の試弾に繋がりますし、さらには楽器やお客様に対する店の姿勢もチェックすることができるからです。

最近では近所の楽器店だけではなく、わざわざ遠方の店に出向いてまで理想のピアノを追い求める熱心な方が増えてきています。

おそらく各店の対応と楽器の仕上がりを比較・検証してみたい意識の表れでしょう。 

その連絡ひとつで実りあるピアノ探しの旅となるかもしれません。
とんだ無駄足だった・・・とならぬように訪問前のご一報をどうかお忘れなく。

☆POINT
「気になるピアノを万全な状態で試弾するためにも店には必ず事前の問い合わせを!同じ条件のもとで楽器の真価と店のサービスを見極めましょう」

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ピアノの調律とメンテナンス

当店でピアノを選ぶメリット

株式会社浜松ピアノ 代表取締役社長

植田 信五


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