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ピアノの寿命についてのお話 ③

鉄やプラスティック等は古くなると強度が落ちてきますが、木材の強度は築後1300年の法隆寺をみても分かるように寿命も長く、しかも古くなると強度が増すようです。
 それに人間と同じように硬くなり含水率が低くなるので、一説では楽器としての音響特性良くなり鳴りが良くなると云われています。

弊社でリニューアルした1969年製のヤマハ
外装を再塗装して脚も猫脚に改造しました。




同じく1969年製のヤマハ
このピアノは元々黒でしたが、一度塗装を剥いで下地の木目を生かした色(ウォルナット艶出し)に仕上げ脚も猫脚にしました、ただこれ以降の新しいピアノは外装材もプラスティックの部分が増えてきたので同様のことが出来なくなり、いわば良き時代の日本のヤマハとも云えます。



このような木材の特性から古い弦楽器のストラディヴァリウスが高く評価されていますが、内部構造が複雑なピアノの場合は構造がシンプルな弦楽器と事情が少し違ってきます。

ピアノは内部に複雑なメカニズムを持ち、木材を主体にフェルト、金属等を材料とした部品が全体でおよそ8千個の部品が使われて、アクション関係の部品だけでも6千個と云われていますが、それらの部品には無数の接着箇所(膠ニカワ)があります。

そのような接着箇所の多さから古いピアノのメンテナンスを否定する技術者も多く、彼らの言い分としては仮に十分なオーバーホールを施しても、100年も経過すると膠(ニカワ)の無数の接着箇所の、どこがいつ剥げるか分からず、ひとたびトラブルと修理が厄介なので、古いピアノのメンテナンスの仕事は受けたくないと云う技術者も多くいます。

いろんな意見がありますが、科学的な根拠でこれが正解という結論はまだ出ていないようですので100年物のピアノの場合は自己責任で使用する必要がありそうです。

逆に云えば、ピアノは新品から100年位は消耗部品を交換し、十分な調整を行なえば、問題なく快適な響きで使用できるとも云えます。

ピアノの寿命

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株式会社浜松ピアノ 代表取締役社長

植田 信五


ピアノの寿命についてのお話 ②

中古ピアノの購入を考えた場合、特にピアノの寿命が気になるかと思います。

①でお話しましたが、多少古いピアノでも消耗品を交換して丁寧に再調整すれば、新品同様に長く快適に使用できますが、ピアノの場合は全て手作業で行う(新品の場合は、多くの行程が機械化されている)のでかなりのコスト(主に手間賃)がかかる上に、完成度も技術者の技量に大きく左右される側面があります。







そのあたりを合理的に考えると、中古ピアノの場合は、それまでの設置環境が良く、使用頻度が少ない(消耗品が消耗していない)ピアノを選ぶべきですが、そのような良質な中古ピアノ、特にグランドピアノの中古品はあまり多くはありません。

長年ご使用のピアノの愛着のあるピアノは、コストをかけても本格的なリニューアルをすべきですが、他人が使用した中古ピアノの場合は、合理的に考えると余程の目利きでないとピアノ選びが難しいという側面があります。
 
車の場合は走行距離等で素人でもある程度の購入の目安はつきますし、消耗品の交換も機械で簡単にできますが、ピアノの中古品の場合は何年製というだけでは選ぶのが難しく、安価に購入したと喜んでも、それを快適なピアノに仕上げるには、別に購入価格並みの投資が必要になる可能性があります。

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植田 信五


ピアノの寿命についてのお話 ①

良く見られているページにピアノの寿命があります。
 
100年以上前の古いピアノでもお金さえかければ使えるようになるので、昔を懐かしむという意味で敢えて100年以上の前のピアノをオーバーホールしてお使いになるピアノ愛好家の方もおられますが、ここでは合理的という意味での寿命を考えてみます。

京都芸術センターにある1918年製のペトロフピアノ

1926年製のスタインウェイ(右)と1877年製グロトリアン・スタインヴェック(岡山市)

  
実用面から見たピアノの寿命は?

ピアノという楽器は弦楽器と違い、鍵盤を叩いて(通じて)音を出す複雑なメカニズムを持ちそれを適正に維持管理するのが大変ということ、また修理工場に持ち組むにしても運送業者に依頼するので運送費だけでも大変です。

ギターの弦交換は素人でも数十分で交換できますが、ピアノの弦交換は特に低音部の巻き線は1台1台オーダーですし、交換も調律師に依頼しなければなりません。

弦交換をするなら、その機会にチューニングピンやピンブロック、フェルトやクロス類、ハンマーも同時に交換するのが、いずれも近い将来必要な作業ですので効率的です。
  
車のタイヤ交換は機械で行うので早くて安価ですが、ピアノの場合は、全ての行程を手作業で行い、交換だけでなく、それらを適正に再調整する必要がありますので、完成度は技術者の技量に大きく左右されますが、これを事前に(依頼する前に)見分けるのはなかなか困難です。

その上、手慣れた技術者でも一連の作業には1ヶ月近くの手間がかかりますので、最低でも50万以上の費用が発生しますので、特に安価な中古ピアノの場合は経済的な合理性がなくなります。

ただ部品代そのものは高級品でも十万円少々ですので、コストの大半は作業工賃になります。

弊社店頭で弦を交換中の1987年製(31年前)のヤマハG2
このピアノは弦だけでなくピン、ピンブロック、フェルト、クロスも交換します。


中古ピアノを消耗品を交換せずに販売することも可能ですが、良く弾かれた中古ピアノの場合は、販売価が高くなり売り難くなりますが、店にある機会に消耗品を思い切って交換するとあと後、新品同様に快適に安心して使うことができます。

ピアノの寿命
 
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株式会社浜松ピアノ 代表取締役社長

植田 信五


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