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ピアノの調律代(メンテナンス費用)の内訳と性能の違いは?

一般的な調律代金(メンテナンス費用)は、地域により若干異なりますが、定期調律(半年~1年の空)でアップライト¥15,000-、グランドピアノ¥17,000-と云ったところが一般的な相場です。

これはいわゆる調律(音程を合わせる作業)だけですので、この場合は所要時間は1時間少々になり、後は不具合箇所があればそこだけ修正して完了というメンテナンスが多いのではないでしょうか。

本来のメンテナンスは?

性能を大切に考えるなら、新品であれ中古品であれ、販売店が納品前に十分な出荷調整(新品で3日、中古品ならその倍以上)を行った上で納品し、納品後は、部屋の音響と弾き手の好みに合わせた最適なタッチ、音色、響きになるように再度、整調・調律・整音をセットで行なう納入調整(約半日)という一連の作業が必要です。

その後の定期メンテナンス(有料)も調律(調弦のみで1時間少々)だけでなく、約半日をかけて整調・調律・整音の3つを微調整すれば、設置環境さえ適正ならば、ほぼ理想的な状態を維持できます。

本来は基本的な作業料金はどんなピアノでも同じです
 現状ではグランド、アップライト、スタインウェイやヨーロッパ製ピアノ等と安価なピアノでは調律代金(メンテナンス費用)を差別化していますが、基本的にやることは同じなので、本来はメンテナンス費用も同じになります。

ただ高級ピアノの場合は性能(タッチや音色等)に敏感な方が多く、性能に対する要求度も高いことが多いので、そのぶん時間をかけた丁寧な調整(半日)をすることが多いので、時間をかけた分だけ高額になります。

ただ最初に丁寧な出荷調整(納品前の調整)を行ったピアノの場合に限りますが、適正な環境下にあれば、定期メンテナンスも半日か、多くても1日あれば個々のピアノが持ってる本来の性能を十分に発揮します。

ただほとんどのピアノの定期メンテナンスは調律のみで、特に手間がかかる整調が省かれているので本来の性能の50~70%しか発揮していないのは残念なことです。

ピアノの調律とメンテナンス

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株式会社浜松ピアノ 代表取締役社長

植田 信五


調律の時期は半年か、1年ごとが適切か?

演奏者が違和感を覚えた時がメンテナンスの時期

調律(音の高さを合わせる作業)の保持時間は設置環境により短時間でも微妙に狂ってきますので、その意味では調律は瞬間的な芸術といえます。



たとえばコンサートホールではコンサートごとに調律をしますので、人気のあるホールですと毎週調律をすることになります。

その上、演奏中は舞台の強い照明でピアノのフレームや弦、響板等が温められ2時間の演奏時間中でも微妙に狂ってきますし、一般家庭でも朝夕の温度差が大きい部屋に置けば早期に調律が狂います。

逆に24時間の適切な空調の部屋(楽器保管庫等)にピアノを置くと、演奏しない限り調律はほとんど狂いません。

このように設置環境と使用頻度で、調律だけでなく整調や整音も変化してきますので、そのようなピアノの特性上、演奏者が何らの違和感を覚えた時がメンテナンスの時期ということになりますので、特定の期間というものはありません。

ところで今後少なくとも5~10年は弾かないということであれば、弦楽器が演奏時以外では弦を緩めるのと同様に、ピアノを休ませる意味で無理に調律はしない方が良いというのが筆者の考えです。

弦が緩みますとその分、響板に対する弦圧が低減するので響板には優しいことになります。
新たに弾き始める時には音程が下がって調整も狂っている分だけ手間がかかりますが、ピアノは調律しないと壊れるということはありません。

ピアノの調律とメンテナンス

 

株式会社浜松ピアノ 代表取締役社長

植田 信五


メンテナンス(調律)時のユーザーの心得は?

ビフォアー、アフターで比較試弾をして下さい。

メンテナンスを受ける前に、調律以外のタッチ(不揃い、スムース、重い、軽い、浅い・深い等)や音色や響き、雑音等の現状の不満点を調律師に十分に伝え、完了後にどこまで改善されたかをよくチェックすることが重要です。

メンテナンス時に調律(音の高さを合わせる作業)だけでなく、整調(鍵盤・アクション・ダンパー調整)や整音(弦を叩くハンマーフェルトの弾力調整)を日常的、習慣的に行っている調律師は極少数ですのが、現状への不満や希望にどこまで応えてくれるかが調律師選びにはとても重要です。

そのような意味で信頼できる調律師に依頼するべきですが、日頃から整調や整音作業を行っている調律師は稀なので、それがらをきちんと出来る調律師は少数ですし、仕上げレベルの見分けも、日頃ご自身でピアノを弾いていないと判断が難しいところがあります。

鍵盤のバランス・ホール調整


鍵盤高さ調整


音色の決める整音

  
定期のメンテナンスはビフォアー、アフターで比較試弾して、明確にタッチや音色等が改善されたか否かを、演奏者自身が判断するしかありません。

ピアノの調律とメンテナンス

 

株式会社浜松ピアノ 代表取締役社長

植田 信五


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