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ピアノの選び方とその問題点 ④

大きさの選び方と性能の違いについて

最近は部屋のインテリアに似合う木目でコンパクトな音色の良いピアノを希望される傾向がありますが、性能(特にタッチ・魅力的な低音)を重視すると大きいピアノほど魅力的になります。

大きさの違いとはアップライトでは背の高さ118cm~132cm、グランドは奥行き155cm~274cmのことを云いますが、標準鍵盤の88鍵なのでどれも横幅はほぼ同じになります。

大きなピアノは大きい分だけ低音域の弦(巻線)が細く長く張れるのでその分、低音域の響きが魅力的になります。

大きなピアノは低音弦の巻線が細く長く張れる


白鍵、黒鍵の大きさはどのピアノも同じですが、鍵盤はシーソーのような動きをしますので、大きなピアノは鍵盤の奥行きが長くなる分、弾き易くなることです。

大きなピアノは鍵盤の奥行きが長くなる

大きい方から云うとフルコサートピアノが奥行き274cm、セミコンサートで227cm、家庭用では210cmが大きい方になり、アップライトでは高さ132cmが一番大きいものになります。

大きさ的にはフルコンサートピアノが理想ですが、場所も取り、お値段も2千万円前後になります。

これを予算と性能の折り合いから考えると、比較的安価なピアノでも大きなピアノを選べばその分魅力的になります。

しかし難しいのは小さなピアノで弾いて気持ちが良いピアノです。
これは安価なピアノでは実現が難しくなりますので、コンパクトでデザイン的にも魅力的で、尚且つ魅力的な音色のピアノとなると、やはりピアノ全体で鳴るヨーロッパ製のコンパクトピアノが魅力的です。

グランドピアノとアップライトピアノの違い

ピアノの選び方とその問題点

株式会社浜松ピアノ 代表取締役社長

植田 信五


コンクール予選会場に行ってきました

今日はブルーメンシュタインピアノコンクール中国予選会で倉敷市玉島にある湊ホールに行ってきました。

 

このたびご縁がありこのピアノの調律をさせていただきました。

 

ブルーメンシュタインピアノ協会代表の秋山しのぶさんです。

開場前だったので仕上がり確認で弾いてるところです。いいショットが撮れて絵になってますよね。

 

2児の母でもある秋山さんは、とにかく思い立ったらすぐ行動する方で、一見小柄な女性に見えますが、その奥に秘めたパワーはとてつもなく凄くて、いつもお会いする度に刺激を受けてます。

常に計画を立ててそれを実行することが好きで、じっとしていられない、昼寝なんてしたことがないと言ってました(笑)

 

このブルーメンシュタインピアノコンクールも昨年一人で立ち上げ自らが代表となり、全国を駆け回り、その前向きな姿勢と情熱に多くの方々が支持しています。

 

 

秋山さんと審査員でピアニストの伊藤憲孝さんです。

 

 

今回コンクール前に伊藤先生による30分の演奏がありました。

 

プログラムは、

ラモー:皇太子妃
中堀海都:ピアノのための5つの小品「色」
ショパン:ノクターン遺作 嬰ハ短調
酒井健治:ピアノのための練習曲集第7番「夕べの調べの様に」
リスト:超絶技巧練習曲第11番「夕べの調べ」

 

初めて客席でゆっくり聴かせていただきましたが、もうとても感動しました。

 

 

中国予選の審査員の先生方です。

 

来年3月末に五反田文化センターで全国大会が開催されるそうです。

楽しみですね。

 

 

>>>ブルーメンシュタインピアノコンクール

>>>ブルーメンシュタインFBページ

1台1台丁寧な調整を心がけています

三木 淳嗣(委託調律師)


ピアノの選び方とその問題点 その③

生産国表示も、今ではあてにならない。

業界用語で製造ラインのことをファースト・ライン、セカンド・ライン、サード・ラインと区別して呼ぶことがありますが、この意味は本国で全て製造されたものがファースト・ライン、他国(中国、インドネシア)で半分を委託生産した後、本国で最終仕上げしたものがセカンド・ライン、全て他国で委託生産されたものがサード・ラインというような意味で使われます。

本来の意味での日本製、ドイツ製はファースト・ラインですが、今ではスタインウェイやファツィオリ等の高級ブランドや一部高級品を除けば、ヤマハ、カワイをはじめヨーロッパの老舗ブランドも、その多くがセカンド・ラインで生産されていながら、生産国表示はドイツ製や日本製で販売されているのが実情です。

中国のハイルーン社の広報誌より

サード・ラインで初めて中国製やインドネシア製の表示になりますが、このような生産事情も頭に入れてピアノ選びをすれば、限られた予算内で意外と魅力的なピアノに出会える可能性が高くなります。

たとえば中国のハイルーン社で委託生産されるウェンドル&ラングは1910年装創業のオーストリアの老舗ブランドですが、今は中国で委託生産しているお蔭で、国産ピアノにはないヨーロッパテイストのステキなデザインの木目のアップライトが60万円、グランドでも120万円から購入できます。

箱全体で鳴るヨーロッパトーンを奏でる老舗のヨーロッパブランドが、国産の低価格帯ピアノ並みの価格で味わえるという意味でとても魅力的です。
 
弊社2Fに展示中のウォルナットのチッペンデール仕様で150万円 
ちなみに椅子はイタリアのディスカチャーチ社製


ヨーロッパや日本のメーカーが中国で生産や委託生産する理由は?
 
①人口13億人?の中国ですが、今その中国が今空前のピアノブームで世界最大のピアノ市場になっていること。
 
②ヨーロッパや日本でピアノを作って中国に輸出する35%という高額な関税がかかるので、中国でピアノを販売したければ、余程の高級ブランド以外は中国でピアノを生産せざるを得ないという事情があります。 

お薦めブランド ウェンドル&ラング

知っておきたい生産国表示の業界ルール

 

株式会社浜松ピアノ 代表取締役社長

植田 信五


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