ピアノの性能を最大限引き出すために

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ピアノの選び方とその問題点 ②

同じピアノでも丁寧な調整(整調・調律・整音)で、ピアノの性能(タッチ、音色、響き、表現力)が大幅に向上します。

部品の伸縮や歪みを正し正確に効率よく作動するように販売店が納品前に行なうのが出荷調整(プレップ・アップ)ですが、これには新品で3日かかり、中古ピアノならその倍くらいの時間がかかり、コスト的にもメーカーはもとより販売店側の大きな負担になりますので、現実にはほとんどの販売店で行われていません

作業時間のイメージ図、丁寧な整調には数日の作業時間が必要です。


 
丁寧な調整で音色や響きが魅力的なるのはもちろん、鍵盤のタッチや音色の粒も均一になり、連打やトリルなどの速く細かい動きに対応でき、繊細なピアニッシモを出すことが出来るようになります。

たとえば国産ピアノでは最も丁寧な調整を謳うシゲル・カワイですが、軽く鍵盤を持ち上げるとほとんどの鍵盤が下りてこない・・・この時点でブレーキがかかっているのでタッチが重くなる原因になりますが、これは明らかにメーカーの出荷調整不足です。

詳しくはシゲル・カワイの定期メンテナンスをご覧ください。



さらにバランスキーピンの並びをチェックしてみるとデコボコです。
最高音の鍵盤に関しては凄く高い位置に


販売店(弊社)での出荷調整風景


鍵盤の上に載った複雑なメカニズムを持つアクションですが、これの動的なメカニズムを技術者の手で精度を上げる作業を整調と云います。弊社独自の出荷調整作業を動画でご紹介しています



さらにそれらの特性も納入後の納入調整で最終的に演奏者の好みに仕上げることができますので、ピアノという楽器の特性を十分に理解してからご試弾・選定頂く必要があります。

弊社では納入後にお客様の部屋の音響とお好みに合わせた音色に整音(音色の粒を揃える)します。


ピアノのこのような特性を理解してからご試弾や選定をして頂きますと、従来のようにブランドイメージと価格だけで選ぶのと違い、限られた予算?の中で選ぶにしても満足度が高いピアノを選ぶことが可能になり、生涯を共にできるピアノに巡り合えることができます。

弊社でピアノを選ぶメリット

 

株式会社浜松ピアノ 代表取締役社長

植田 信五


ピアノの選び方とその問題点 ①

ピアノ選びのツボは、丁寧な整調の有無

世の中のほとんどのピアノは持てる性能の半分ほどしか出していませんと云っても過言ではありません。
 
そのワケは調律のみで、整調と整音が省かれているからですが、同じピアノでも丁寧な整調と整音で性能が全く違ったものになります。
 
下の鍵盤整調のシーンは、作業自体は当たり前のことを当たり前のようにやる単純な作業ですが、たとえばこの丁寧な鍵盤調整の有無だけでもピアノ(メーカー・新品・中古品を問わず)の弾き心地がずいぶん快適になります。

ピアノの性能は下記の3要素で決まりますので、単にブランド選びを意識しただけの試弾は、試弾の意味が半減します。



弊社でピアノを選ぶメリット

弊社独自の出荷調整作業を動画でご紹介しています

ピアノの調律とメンテナンス

 

株式会社浜松ピアノ 代表取締役社長

植田 信五


ピアノの寿命についてのお話 ⑤

アンティークピアノの場合

一部の愛好家にノスタルジックな魅力で人気があるアンティークピアノ(いわゆる100年物)ですが、フルオーバーホールをすれば味があり魅力的なピアノに仕上がります。

復元されたクララ・シューマン(シューマンの奥さん)が愛用されたと云われる1877年製のグロトリアン・スタインヴェック(劉生容記念 館)です。



 
岡山市中区湊  劉生容記念 館

ただ弦楽器と違い内部構造が複雑なピアノは、内部に膠(ニカワ)を使った膨大な接着箇所があり、それらは100年かそれ以上昔の接着ですので、それらの接着が突然剥がれる懸念があり、想定外のトラブルが起こる可能性があります。

ですからアンティークピアノは、ファーストピアノではなくセカンドピアノとして大切に使用し、設置環境(温度・湿度)にも特に気を使う必要があります。

またトラブルがひとたび起これば、その修理に面倒な手間がかかることが多いので、アンティークピアノのメンテナンスは引き受けないという調律師も多いので維持管理費用を含めて細心の注意が必要です。

余談ですが、ある高校の創立100周年記念の行事として、当時、高校にあった1880年代のスタインウェイをメーカー(ハンブルグ工場)に送ってフルオーバーホールしたことがあります。

この時には消耗品はもちろんですが、響板やアクションまでそっくり新品に交換して、以前のピアノで使ったのは外装のケースとフレームのみでしたが、後々まで責任があるメーカーだからやったのだと思いますが、100年以上経過した古いピアノでもここまでやれば安心ですが、修理費用も新品の価格並みになりました。

上記の 劉生容記念 館は、元々、絵画を展示・保管するする目的の建物で湿度・温度は適切に管理されているので、アンティーク・ピアノの保管場所にも適しています。

ピアノの寿命

 

株式会社浜松ピアノ 代表取締役社長

植田 信五


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