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ピアノの寿命についてのお話 その②

使用頻度や年数よりもむしろ設置環境が重要です。

寿命は使用頻度も影響しますが(消耗部品の交換で解決)、むしろ設置環境(空調)の方がピアノの寿命に大きく関わるように思います。

楽器保管庫のように年間を通じて温度、湿度の安定した部屋に置いてやると調律やメカニズムの狂いも最小限であるばかりでなく、響板や消耗品も含めてピアノの基本的な寿命は飛躍的に長くなります。

環境対策は、楽器保管庫と同様に温・湿度計を設置して除湿機と加湿機の併用しつつ適切な室温と湿度管理が必要です。



手間がかかりますが、快適なピアノ性能を維持するためには、あと後の整調や調律等の手間(コスト)を考えると、こちらの方が安上がりです。



余談ですが、昔から良く使われていたピアノの乾燥剤はほとんど無意味です。乾燥剤が有効なのは小さな密閉された瓶やビニール袋の中では有効ですが、広いピアノの内部空間は大量の空気が流れていますし、外部の響板まで含めたピアノ全体の管理には乾燥剤は用をなしません。

 ピアノの寿命

株式会社浜松ピアノ 代表取締役社長

植田 信五


ピアノの寿命についてのお話 その①

ピアノの寿命は響板修理が必要になった時と一応定義しておきます。

ここで云うピアノの寿命とは、修理代が高額になり、修理コストと性能の折り合いを考えた時に、一般的には新品に買い替えた方が経済的には合理的だと考えられる場合を寿命と定義したいと思います。

もちろん修理をすれば大概のピアノは100年以上十分使用できますが、修理(修復)作業は全てが手作業なので作業効率が悪く、本格的なオーバーホールの費用は新品の量産ピアノの価格に近くか、ピアノによりそれ以上になることもあるので、それなりに価値のあるピアノが対象になります。

弊社がリニューアルした昭和初期のヤマハのグランドピアノ
元は黒色でしたが、塗装は剥離して元の木目の色に再塗装して内部の
弦、ハンマー等の消耗部品も交換しました。

浜松在住の補修用の巻き線専門の職人の冨田氏


広い面積を持つピアノの響板の修理には、修理の際に障害になる弦とフレームを一度外す必要がありますので、その機会を利用して、響板修理だけでなく消耗部品の弦やハンマー交換、ダンパーフェルトや他のフェルト・クロス類を新品に交換し、チューニングピンもワンサイズ太いものに交換し、外装も再塗装する方が作業効率が良く合理的なので、そのような理由で響板の修理は総額では高額になります。

修理費用は仕上げの品質(精度やどこまでやるか)等で一概に言えませんが、完璧を目指すとちょっとした同型の国産ピアノが購入できるくらいの金額にはなりますが、それでも従来品より高品質な部品を使い、高精度な作業内容で丁寧に仕上げれば、性能も寿命も新品並みかそれ以上になる可能性もあります。

復元された京都芸術センターの1918年製のペトロフピアノ



ピアノの寿命

株式会社浜松ピアノ 代表取締役社長

植田 信五


ユーザー様の防音対策と音響例のご紹介

都内港区南麻布 
マンションでも新築の場合は、内装工事の前に最初から防音と音響工事をすれば二重工事にならないので比較的安価に高いレベルの防音対策と音響まで考えた演奏環境が可能です。


山梨県河口湖、ログハウス 地下1階
地下室に設置すると当然ながら防音工事はほぼ不要です。




広島県広島市 
一戸建ては、設計が自由なので天井が高く取れ、音響的に恵まれた環境が可能です。



香川県高松市
天井が高く窓の向こうは道路なので、快適な音響でピアノは弾き放題です。



早朝や深夜に演奏しない方には部分防音がお薦めです。

防音室は、建物の構造により防音が弱い所と強い所がありますので、部屋の防音が弱い箇所のみ防音を強化すれば、低コストで有効な防音対策が可能です。
 
つまり防音の弱い窓やドアだけを防音仕様するとか、絶対音量を下げるマスクピアノを選択したり、マンションの場合は床はピアノ架台を使用すれば階下への防音が可能なので、低コストで快適な演奏空間が可能です。
 
防音対策は住宅環境や演奏する時間帯により、防音対策の必要性も大きく異なりますので、どの程度の防音(能力)仕様にするか?で防音のコストも大きく違います。

メーカー系のイージーオーダーの防音室のご予算があれば、部分防音も含めて、部屋自体を快適な音響を含めて防音仕様するのがお薦めです。

ピアノの防音対策

 

株式会社浜松ピアノ 代表取締役社長

植田 信五


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