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ピアノの寿命についてのお話 ④

本体とは別に、部品の消耗や経年劣化よる部品の寿命も考慮する必要があり、本来の気持ちが良い音色や響きを期待するなら、早めに(15~30年)消耗品(弦、ハンマー、フェルト、クロス類一式)も、新しいものに交換するのが望ましいと思います。

弦を張り替え中の1987年製のヤマハG2 弊社店頭にて



消耗したハンマーと新品ハンマーの比較


コストはそれなりにかかりますが、このようなオーバーホールをすると、新品同様に快適に使用できるようになります。

ちなみにオーバーホールの費用は、個体差とどこまで丁寧に仕上げるかで大きく異なります。

メーカーや使用部品の品質で異なりますので、あくまで目安ですが、一応の標準的な相場を申し上げますと、部品代がハンマー一式16万円前後、弦一式8万円前後、その他フェルト、クロス、チューニングピン等5万円前後、工房までの往復運送費、これに工賃(40万円~)が加わります。

ピアノの寿命

 

株式会社浜松ピアノ 代表取締役社長

植田 信五


ペトロフP131の出荷調整始めてます

もうすっかり秋ですね。

木々の葉が秋色に染まってきました。

 

週末あたりから冷え込むそうなので、そろそろ車のタイヤをスタッドレスに履き替えようと思います。

 

 

というわけで、今月島根県に納品のペトロフP131の出荷調整を始めてます。

 

チューニングピンの僅かな汚れも除去しリセットです。

 

 

 

 

 

鍵盤下も掃除をして埃を取り除きます。

 

 

鍵盤のピンはマックルーブでコーティング。

1枚膜を張ったような仕上がりになるので、空気に触れず錆びにくくなると同時に表面が滑らかになり、摩擦抵抗が減るのでスムーズな動きが可能になります。

 

 

鍵盤のフロントとバランスの適度な隙間があるか全鍵確認。

 

 

白いハンマーの隣との間隔も確認。

 

 

弦の真ん中に当たっているか確認。

 

 

入荷して一度調整を行なっているのもあり、今回の出荷調整は微調整で済みそうです。

 

 

>>>出荷調整とは

 

1台1台丁寧な調整を心がけています

三木 淳嗣(委託調律師)


ピアノの寿命についてのお話 その③

ピアノの寿命は何年くらい!?

ピアノは本格的なオーバーホールさえやれば、優に100年以上の使用が可能ですが、古いピアノはそれなりにコスト(リスク)があります。

弦楽器と違いピアノの弦は常時強い張力(1台で約20トン)で張られ、弦楽器の魂柱のようなものはなく、響板には絶えず強い弦圧がかかっていますし、使用頻度により弦に金属疲労が起きます。

また響板の構造は、木材を横に何枚もつなぎ合わせて作るので、環境(過乾燥等)によりそのつなぎ目に隙間ができて雑音が発生したり、常時かかる強い弦圧のために響板自体に反りがなくなった(響板のヘタリ)時には調律不能になりますので、そのような時には響板の修理が必要になります。

高級ピアノの響板は昔ながらの屋外での自然乾燥された木材が使われます。


最近の量産ピアノは、昔のように木材を屋外で何年も自然乾燥するのではなく、短期間で強制的に人工乾燥した響板を使用するので、木の細胞を痛めると云われていますが、その分、響板の寿命も短いと考えられます。

チェコのペトロフ社の手間をかけた伝統的な響板作り




再生された100年前のチェコ製ピアノ(現在はペトロフ社に合併済)
このピアノは、現在、島根県の国宝松江城のある公園の敷地内にある興雲閣の大広間に設置され、コンサート等に利用されています。



ピアノの寿命

 

株式会社浜松ピアノ 代表取締役社長

植田 信五


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