ピアノの性能を最大限引き出すために

Tuning & Maintenance

相性の良いピアノとの出会いのために

Choosing a piano

ピアノ日誌

Piano Diary

Home>ピアノ日誌

中古ピアノのメリットは安いこと、デメリットは選び方が難しいこと

中古ピアノは新品以上に、手間(コスト)のかけ方で性能やその後の寿命が大きく異なります

鍵盤下のピン(バランスキーピン・フロントキーピン)を磨く作業も手作業なので相当な手間がかかりますが、鍵盤をスムースに動かすためには不可欠の作業です。尚、これは定期のメンテナンスでも必要な作業です。



ブライドルテープも交換します


ハンマーの形状を整えます

 

よく弾かれたピアノの場合は、ハンマーの交換の必要です


連打する上でかかせないフレンジコード(白いヒモ)も新品に交換

鍵盤のアップとダウンの重さ調整(鉛調整)をすれば均一なタッチで弾き易いピアノになります

 
さらに消耗品の弦やフェルトがそろそろ寿命のピアノも多く、古いピアノから本来の性能を引き出すには上記以外にもたくやることがありますが、逆にその場限りでいくらでも手を抜くことも可能です。

上記のような基本的な性能回復の作業が完了してから、その上で新品と同じように丁寧な出荷調整(整調・整音・調律)をすれば快適な中古ピアノになります。

しかし販売価格を抑えて安さ(コスト)を追求した中古ピアノではそれはまず困難なので、多くが安かろう、悪かろうの中古ピアノになります。

ですからピアノの性能(タッチ、音色、響き等)を大切にお考えの方は、人任せでではなく、ご自身でもピアノという楽器のことを研究してみて下さい。
 
中古ピアノのメリット・デメリット

ピアノの調律とメンテナンス

 

株式会社浜松ピアノ 代表取締役社長

植田 信五


正しいピアノ選びは、丁寧に調整されたピアノ同士の比較試弾から

ピアノの試弾環境は量より質が重要、展示台数の多さよりも1台1台丁寧に整調と整音されたピアノ同士を静かな環境で比較試弾できることが何よりも重要です。

良く整調・整音されたピアノで、初めて個々のピアノが持つ本来の個性(音色やタッチ、響き)を体感することができます。

浜松ピアノ店のショールームのピアノは、調律だけでなく可能な限り丁寧に整調と整音していますので、個々のピアノが持つ本来の個性(音色やタッチ、響き)を体感することができます。

浜松ピアノ店 1Fショールーム

浜松ピアノ店 2Fショールーム

弊社でお気に入りの基本特性(タッチ・音色・響き)を持ったピアノを見つけたら、出荷前の調整(整調・調律・整音)の前に、ご自身の細かいご希望を伝えていただければ、よりお好みに近い音色やタッチに仕上げてからお届けさせて頂きます。

さらに納入後も、部屋の音響を加味しながら、より演奏者好みにタッチや音色(整調と整音)に仕上げてますので、ほぼ理想的なピアノになります。

このように同じピアノでも丁寧な調整(整調・調律・整音)で、ピアノの性能(タッチ、音色、響き、表現力)が大幅に向上すると同時に、自分好みのピアノに仕上げることができるので、ピアノという楽器はいわばセミオーダーの楽器です。

残念ながら現実にはほとんどのメーカーや販売店でこのような対応はなされていないと思います。

ピアノの選び方とその問題点

ピアノの調律とメンテナンス

株式会社浜松ピアノ 代表取締役社長

植田 信五


ウェンドル&ラングのダンパー調整してます②

 

ウェンドル&ラングの調整の続きをしています。

この写真はダンパー内部で、動くタイミングを調整している作業風景です。
ちなみにダンパーとは、弦の振動を止める役割で、ペダルの一番右のダンパーペダルを踏んだままにすると、ダンパーが弦から離れ音が伸びっぱなしになり、ペダルを放すとダンパーが下りて音(弦の振動)が止まります。

このダンパー全ての動きのタイミングを一つ一つ、伝言ゲームのように隣に伝えていき最終的にはダンパーが板一枚のように上がり、そして同じタイミングで音を止めるように調整するのがダンパー調整です。

写真のようにマイナスネジを緩めてペダルをそっと踏み込み、動きのタイミングを揃えてネジを締めます。
ラジオペンチでワイヤーを曲げたり回したりしてダンパーが弦と平行になるように調整します。
このダンパー調整、言うのは簡単ですが、かなり難しい作業です。

作業の一部ですが動画を撮ってみました。
時には息を止めたりしながら、僅かな動きを見て調整してますので、同じく息を止めてご覧ください(笑)

 

 

 

 

 

鍵盤を押すとハンマーが弦に近づきますが、この時ハンマーと弦の距離の半分のところで、ダンパーがかかる(始動)するように調整するのが、ダンパーかかり調整です。
上の写真のように、ハンマーの側面に線が引いています。この線が隣のハンマーの頂点と並んだ時がダンパーがかかる最適なタイミングです。事前に弦とハンマーの距離の半分の量の線を引いています。

 

このピアノはダンパーのかかる(始動)タイミングを一つずつ調整できるスプーン状の部品がついていますので、定規を当ててこのスプーンを上下させて平らに揃えます。

 

 

 

次は整音です。

まずはシフトペダル(左のペダル)の整音です。
シフトペダルを踏み込むと上の写真のようにハンマーが右にずれて、音色が変わります。

 

シフトペダルを踏むと鍵盤もアクションと一緒に右に動きます。

 

矢印のネジで動く量を調整し、たくさん動かすのか少しだけにするのか調整します。

 

次にカーボン紙を使い、ハンマーに色をつけます。

 

 

このようにカーボン紙を使うと通常時とシフトペダルを踏み込んだ時の位置がよくわかります。

 

これでシフトペダルを踏み込んだ所だけを狙って針を刺してその部分だけを柔らかくします。
そうすることによってシフトペダルを踏み込んだ時に音色が変わります。余計なところに刺さないようにカーボン紙を使うわけです。

これでシフトペダルを踏んだ状態で全ての鍵盤を弾いていき、ちゃんと効いているか確認します。

次は弦あたり調整です。
そろそろゴールが見えてきました。

ウェンドルの調整が完了しました③


お薦めブランド ウェンドル&ラング

 

 

 

1台1台丁寧な調整を心がけています

三木 淳嗣(委託調律師)


ピアノ日誌Piano Diary


不要・中古ピアノ買取
ピアノ聴き比べ