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入荷したウェンドル&ラングを調整しています①

ウェンドル&ラングが入荷して調整にとりかかっています。

写真が作業の途中からですが、ハンマーと弦の間隔を揃えて、ハンマーが弦のど真ん中に当たるように88鍵調整します。


 

棚板調整。
数か所あるこの部品を回して上下させて、鍵盤アクションとケース(本体)を隙間なく一体化させます。
詳しくはこちらから⇒棚板調整


 

鍵盤の高さを調整。鍵盤の深さの調整を精確にとれるように高さや間隔を88鍵揃えます。


 

黄色いバックチェックを合わせ同じ方向に向けてハンマーのど真ん中で噛み合うように調整。
スポーツでいうと、バットやラケットの芯に当てることで最小限の力で無駄なくパワーを伝えるのと同じ原理です。88鍵揃えます。

 

 

ジャック調整。
アクションの中で一番重要な役割のジャック。この棒状のような部品がそれぞれのアクションの部品を作動させる中心的な存在。この前後や高さの位置を88鍵全て同じ位置に揃えます。


 

鍵盤の深さを全て10mmに揃えます。


 

ハンマー接近調整。
先ほどのジャックという部品の動きのタイミングを88鍵揃えます。弦に近づけた時の距離で計測します。
ライトを弦の真上から当てているのは、ハンマーに弦の影が写って距離が精確に見えやすいからこうしてます。一般家庭のピアノでこの作業していたら時々、「暗いですかね~もっと電気つけましょうか?」と言われることがあります。実は暗い方がライトの影が見えやすいのです(笑)


 

ハンマー接近調整後の残りのジャックの動く量を88鍵調整しています。
ハンマーがポコンと下りる量を2mm前後で調整しています。ハンマー接近調整とドロップ調整は、鍵盤を弾いたときにハンマー操作をコントロールするのに重要な調整です。


 

弦とハンマーの距離を決める打弦距離調整です。
メーカー・機種によってこの距離は弱冠違いますが、鍵盤10mmに対してアクションが動く運動量の適正な量を見つけ、このデコボコしたハンマーを平らに揃えていきます。


 

黒鍵の深さの調整です。
白鍵を基にして黒鍵の下がる運動量を反映させていきます。緑色のクッションの下に数種類の厚みの紙を抜き足しして調整します。


 

打弦後、瞬時に次の動きに入れるように弦とハンマーの距離を調整します。
弦とハンマーのストップ位置を15mmに88鍵揃えます。鍵盤奥の黄色いバックチェックという部品のワイヤーを手で前後させて微調整します。これが揃うと鍵盤の深さに均一性が感じられます。


 

素早い連打を可能にする上で欠かせないスプリング調整。
打弦後にさきほどのジャックという部品が素早く定位置に戻るようにこの細いスプリングの力加減を調整します。

 

ここで一旦チューニング(調律)をして、次は時間のかかる

ダンパー調整と最後の整音②です。

 

お薦めブランド ウェンドル&ラング

1台1台丁寧な調整を心がけています

三木 淳嗣(委託調律師)


ピアノの運送費はいくら位かかるのか?

岡山大学の3階ホールへ搬入時の作業風景



住宅2Fへグランドを吊り上げて窓から搬入

運送費は地域格差がありますが市内の1F~1Fのアップライトピアノの移動で1万円5千前後、グランドピアノの場合は梱包料、開梱料含まれるので3万円前後となります、但し最近は人手不足のせいでピアノ運送費も今後は高くなりそうです。

グランドの国内移動はこのような布団による梱包になります。

これに上の写真のような2階吊り上げで1万円加算+特殊作業料、エレベーターの場合も1万円+特殊作業料ほどの加算になります。

案外安いのが長距離便で、たとえば岡山の倉庫から東京の倉庫までの運送費はアップライトピアノで1万5千前後、グランドピアノで3万円前後ですが、これは浜松を起点としたワンマントラックの路線便があり、これを利用すると倉庫から倉庫への運送費は比較的割安です。

ですから仮に岡山の実家1Fから東京の自宅1Fまでピアノを運んだ場合は、実家→岡山の倉庫→東京の倉庫→東京の自宅となり、アップライトピアノで5万円前後、グランドピアノで9万円前後になります。

船便のコンテナで、台数をまとめると海外からでも割安です。

ヨーロッパからの輸入の場合は、メーカーで1台1台梱包されてから1つのコンテナに入れて送られてきますので、ヨーロッパからの送料も1台1万円以下になります。 

チェコのペトロフ社からコンテナで浜松に入荷したペトロフピアノ

同じくハンブルグから入荷したスタインウェイ


海外からの輸入は、国内移動と違い厳重な梱包が必要になることですが、新品の場合はメーカーが写真のように厳重に梱包してくれますので大丈夫ですが、中古品の個人輸入の場合は梱包が大変です。

海外から1台だけの輸入の場合でも梱包さえ完璧にできれば、飛行機の貨物便も利用でき、たとえばチェコのプラハ空港から関西空港まで約500㎏のペトロフのグランドピアノを取り寄せても航空運賃は25万円程度です。

当店でピアノを選ぶメリット

 

 

株式会社浜松ピアノ 代表取締役社長

植田 信五


目で見るヨーロッパ製ピアノと国産ピアノの違い

打弦時に振動しやすいアップライトのアクションですが、これは本体にしっかりねじ止めできれば問題ないので、別にそのネジの取っ手がプラスティックであろうと金属であろうと性能には関係ないように思いますが、国産はプラスティックのネジ、純ヨーロッパ製のペトロフピアノは真鍮のネジになっています。

ペトロフピアノの真鍮のネジ

ヤマハのプラスティックのネジ


アップライトのダンパーペダルとソフトぺダルのバネが、ヨーロッパ製は板バネ、国産はコイルバネです。

コイルバネはオン、オフなら問題ないのですが、ハーフペダルには対応できません、板バネならペダルを踏む圧力が一定なので任意の効かせ方が可能です。

スタインウェイやペトロフはペダルの微調整が効く板バネを使用

鉄パイプにコイルバネを使用するヤマハ、ハーフペダルのような使い方は難しい。

楽器として箱全体で豊かに響かせるには箱(ケース)の作り(材質)が重要ですが、国産は積層材(接着面がスポンジ状になり響かない)を多用し、ヨーロッパ製は無垢材が多く使われていて、この辺りが楽器としての響きに大きく影響しています。

ペトロフピアノの鍵盤蓋


ヤマハの鍵盤蓋


ペトロフピアノの無垢の支柱

ハンドメイドのペトロフピアノの響板


ヤマハの積層材の支柱

音色も響きも違いますが、外装や椅子のデザインも国産品にはないヨーロッパ文化の伝統と魅力を持っています。


 これだけの違いがありますが、それでいて価格はアップライトで120万円~グランドピアノで310万円~(税、諸費用込み)から購入できる純ヨーロッパ製のペトロフは何とも魅力的なピアノです。
 
お薦めブランド ペトロフピアノ

知っておきたい生産国表示のルール

 

 

株式会社浜松ピアノ 代表取締役社長

植田 信五


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